【僕が「習い事」に感じた夢と希望:演技編76】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
緊張マックスの極限状態の1回目の発表タイムと違って、2回目の発表タイムみんなは少し「自分を取り戻した状態」で進みました。
 
 
自分の発表タイムでも、僕はだいぶ落ち着いた状態で終わらせることができました。
 
 
今回もとりあえず、途中でつっかえたり言い間違えたりすることなく、ノーミスでゴールできました。
 
 
やはり反復練習の力はスゴいです!
 
 
ヒゲ先生も、間違えてないのに無理矢理止めたり怒るようなことはしませんでした。
 
 
ヒゲ先生は「気分」で怒っているのではなく、「基準」で怒っていることが分かりました。
 
 
基準をしっかり満たしてさえいれば、大丈夫なのです。
 
その安心感があるので、発表に思い切り集中できることも分かりました。
 
 
もちろん、終わった後にはヒゲ先生からの厳しいフィードバックがあります。
 
 
「声の抑揚が足りない」
 
 
「顔の表情がまだ場面に合っていない」
 
 
「今より3割増しのボリュームで声を出せ」
 
 
などなど、色々な注文がありました。
 
 
前回の僕は、自分の発表後に言われた内容の記憶が飛んでしまうぐらい緊張していました。
 
 
でも今回はしっかりヒゲ先生のフィードバックを受け止めることができました。
 
 
2回目の発表タイムは、1回目とはだいぶ違う雰囲気で進んでいきました。
 
 
クラスメイトたちも、なんだか気合いが入っているように感じました。
 
 
その日のレッスンが終わってヒゲ先生が教室を出て行った後は、みんな少し満足げな表情をしていました。
 
 
みんな今日の自分の発表を振り返って、「悪くないんじゃない?自分」と思っているような感じに見えました。
 
 
 

ヒゲ先生のレッスンの良さ

それから3回目、4回目、5回目と発表タイムを重ねるにつれて、レッスンの雰囲気に変化が起こりました。
 
それまで緊張と恐怖が支配していた教室内のムードが、徐々に変わっていったのです。
 
 
「怒られないようにビクビクしながらの発表」
 
 
をしていた僕らが、だんだん
 
 
「振り切った演技の発表」
 
 
をするようになっていきました。
 
 
顔をくしゃくしゃにしながら、つばを飛ばしながら全力で発表すると、終わった時にすがすがしい爽快感があるのです。
 
 
日常生活の中でこんなに大きな声でこんなに感情を表に出して話すことは、ほとんどありません。
 
 
みんな小さな子供のように、自分を解放した状態で発表をするようになっていきました。
 
 
これまでは、「俺たちはスターの卵だぜ!」みたいな思い込みがあったせいで、変に気取った部分があるというか、「全力を出すのがカッコ悪い」みたいな考えがありました。
 
 
でも、このクラス内でヒゲ先生の前でそんなスカした演技をしたら、一瞬でボコボコにされてしまいます。
 
 
ヒゲ先生のレッスンのコンセプトは「全力」です。
 
 
「今ある全力を出し切って発表する」
 
 
それができた人は、ヒゲ先生から否定されません。
 
 
もちろんダメ出しはされますが、以前のように「芸の世界をナメるな!」とか、「ふざけるな!この野郎!」みたいな暴言を吐かれることはありません。
 
 
全力を出し切ることで、スカッとする気分を味わうことができるようになりました。
 
 
とても気分が良いのです!
 
 
僕らはだんだん、ヒゲ先生のレッスンの良さに気付き始めました。
 
 
このクラスに来たことで、「全力で何かに取り組むことの楽しさ」に気付くことができたのです。
 
 
・・・つづく。
 
 
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