From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕がカラーコーディネーター1級の試験に再チャレンジしながら、転職活動をした時の体験談の続きです。
新しく転職したジーンズショップで、これまでにない長時間労働を経験した僕は、予想外の状態にかなり戸惑っていました。
職場環境としては、空調もあるし、ホコリまみれになるわけでもなく、命の危険があるわけでもありません。
でも、「長い時間同じ場所にいなければならない」というのが、これほどのストレスになるとは思っていませんでした。
とにかく1日の間で時間が経つのが長くて、驚きました。
1日中立ちっぱなしで足が疲れて帰ると、今までのように風呂に浸かっている時間にカラーの勉強をする気持ちのゆとりがなくなってしまいます。
もう、ボーッとする以外に何もできなくなりました。
人間関係
長時間労働に加えて、僕が精神的にコタえたのは、人間関係でした。
僕が入った時のスタッフの構成は、こんな感じでした。
↓↓↓
①店長は30代前半ぐらいの男性Tさん。
②僕と同じポジションの「店長候補の正社員」の男性のAさん。(僕より少し年下で、たしか22~23才ぐらい)
③このお店で最もキャリアの長いフルタイムパート社員の女性Sさん。(20代後半ぐらい)
④短時間のアルバイトメンバー数人。10代後半の大学生~小さいお子さんのいる女性まで。
という、このタイプのお店ではよくある構成でした。
この人間関係でのポイントは、②の店長候補のAさんのポジションです。
①の店長と、③以下のスタッフの「板ばさみ状態」というのが、②のAさんのポジションなのです。
あるあるパターンでは、店長とスタッフには「対立構造」が生まれます。
・店長は自分がいる時にスタッフの動きを監視しながら「にらみ」をきかせて、抑止力を発揮する。
・スタッフは店長がいる時には静かに働き、店長がいなくなったスキに集まって、おしゃべりを始める。
という流れです。
もちろん、中には全スタッフが自主的にテキパキ動いて、店長がいようがいなかろうが、働き方に変化は出ない、という神職場もあるでしょう。(僕がいたイトーヨーカードーの服飾売り場がそうでした)
でも、そんなによくできたマネジメントが行き届いている職場は、かなりの少数派です。
普通は「店長 VS スタッフ」という対立構造が生まれます。
どっちにつくか?
ここで問題なのは、「店長候補で入社した僕」の立場です。
店長側のポジションを取るか?
スタッフ側のポジションを取るか?
悩ましい問題です。
いずれ店長側になる運命なのだから、今のうちから店長側のポジションを取って「対立構造」に心を慣らしておいた方が、後々ラクでしょう。
一方で、今の人間関係で波風を立てないことを最優先するなら、スタッフ側のポジションを取って、仲間として受け入れてもらうのが良いでしょう。
ただし、自分が店長として異動になった後の職場では、今までのノリが通用せずに苦労するかもしれません。
どちらのポジションを取るが良いのか?は一概に言えません。
厳しいプロフェッショナル目線で見れば「店長側につくべし!」だし、ムリしない生き方を選ぶなら「スタッフ側につくべし!」です。その中間を取るという方法もあるかもしれません。
おそらくこれは視点の違いなので、絶対の正解はないでしょう。
Aさんのポジション取り
店長候補のAさんは、僕が入社してすぐに他のお店に店長として異動になりました。
異動までの数日間は、僕はAさんと一緒に働く時間がありました。
その数日間で、Aさんのポジション取りがハッキリ見えました。
Aさんのポジション取りは、「スタッフ側」でした。
店長が昼休憩などで裏に行ったり、休みでお店にいない時には、スタッフがみんなAさんの周りに集まってきて、おしゃべりをしていました。
Aさんはジョークを言って皆を笑わせて、輪の中心にいて、人気者に見えました。
僕はそんなAさんを見ながら、2つの選択肢に迫られていました。
Aさんが作ったこの文化を引き継ぐのか?
それともこの文化をぶっ壊して、自分は店長ポジションを取るのか?
です。
この最初の選択が、その後の人生を大きく変えるであろうことは、何となく感じていました。
・・・つづく。
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