from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
僕の娘(1才)のリピーティング機能が、最近になって急に発動したので、僕は実験を始めました。
現時点では娘は日本語も英語も違いが分からないはずなので、両方を混ぜながら僕が発音して、マネさせてみるようにしたのです。
たとえば、娘のホッペタをつんつんしながら、
「ホッペ」と言った後に、「cheek」と発音します。
どちらもリピートするのか?
どちらか言いやすい方だけをリピートするのか?
を調査してみました。
娘は毎回必ずリピートするわけではなく、ランダムです。
・その時に言いやすいと感じる方
・その時にリピートしたい気分かどうか?
・別のことに気を取られていないかどうか?
などが影響しているので、毎回正確にリピートしてくるわけではありません。
そのため、同じ単語を何度も言い直して、リピートするまで待つ必要があります。
やってみて分かったのですが、けっこう忍耐力が必要です。
僕もあまり真剣になり過ぎず、思いついた時にちょこちょこ発音して見せるようにしました。
日本語と英語に差は無い
その結果、日本語と英語のリピーティング率に差は無いことが分かりました。
僕が日本語を言った時にも、英語を言った時にも、娘は同じようにリピートしてきます。
つまり、音声自体は英語も日本語も、どちらも同じレベルで認識しているようです。
また、これは個人的に驚きだったのですが、「音が短いか?長いか?」はリピート率に影響しませんでした。
たとえば、動物の絵本を見せながら、
僕が「ゾウ」と言うと、娘は「ドー!」とリピートしてきます。
続けて僕がダメ元で「elephant」と言うと、娘は「エニャニャン!」とリピートしてくるのです。
また、娘がパンを食べている時に、僕が「パン」と言うと、娘は「パン」と上手にリピートします。
続けて僕が「bread」と発音すると、娘は「ウエー!」と、それっぽい発音をしてきます。
こんな風に、短い発音と長い発音に関係なく、リピートしてくるのは、僕にとって驚きでした。
実験する前には、てっきりラクな方を選んで発音してくると思っていたのですが、赤ちゃんにはその発想はないようです。
破裂音は得意
これは赤ちゃん共通の傾向だと思いますが、「パピプペポ」「バビブベボ」などの破裂音はけっこうすぐにリピートしてきて、しかも発音は正確です。
「パパ」「ママ」などは、一番初期の頃にリピートし始めました。(親がムリヤリ言わせているのも理由の1つだとは思いますが)
また、マンガなどで赤ちゃんのセリフでよく登場する「バブー」も、本当にそんなこと言うわけないと思っていたのですが、僕の娘は実際に連発してきました。
きっと破裂音は赤ちゃんにとって言いやすいんだと思います。
子音だけで終わらせるのは苦手
一方で、子音だけで終わらせるのは苦手なようです。
たとえば、僕が「cheek!(チーク)」と言うと、娘は、「チー」と発音してきます。
最後の k (ク)の部分は、子音で終わるのですが、娘の耳には k は聞こえない、もしくは再現できないようで、「チー」と伸ばすだけで終わるのです。
(実際の英会話では、最後の子音を飲み込んで発音しない方が、英語らしく聞こえることもあるのですが)
一方で、僕が「ホッペ」と言うと、娘はかなり正確にリピートできます。
「ペ」の部分が「pe」になるので、赤ちゃんの得意な破裂音と、母音の「エ」の組み合わせです。
だから発音しやすいと思われます。
ダッドよりもパパ
同じように、「Dad」のように、dの子音だけで終わる単語も、娘が発音すると、
Dad = ダー
というように伸ばす形になりました。
一方で、「パパ」は、娘は「パァパァ」と発音してきます。
最後が「ア」の母音で終わる単語はラクなようです。
ネイティブの赤ちゃんはどうか?
この「母音で終わらせる発音がラクに感じる」という傾向は、ネイティブの赤ちゃんでも同じなのでしょうか?
やはり普段から英語発音を24時間聞かされているネイティブの赤ちゃんは、子音も正確に発音できるものなのでしょうか?
それを知るために、僕が受けているオンライン英会話の先生で、小さな娘を持つネイティブの先生に、色々質問してみることにしました。
すると、意外な答えが返ってきました。
次回は、その内容をシェアします。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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