From 師範代Shinya(新村真也)
※僕が英検1級にトライした時のストーリーの続きです。
(→前回のつづき)
試験会場の高校の校舎内に入ると、すでに何人かの人たちが席に着いていました。
トータル15名くらいでしょうか。
今まで英検2級、準一級と受けてきましたが、これまでで一番少ない人数です。
英検1級の1次試験を突破する人たちは、よほどの「変わり者」のはずです。
僕自身のここまでの道のりを考えると、そう思います。
ネイティブでさえもビックリするようなジャンルのボキャブラリーを覚えて、専門的な学術書のような記事を読み、高額な教材を買って、受験料の高いのに何度もトライしながら、1次試験を突破するのは、相当な英語マニアです。
もちろん、中には1次試験&2次試験ともに一発で合格してしまう猛者もいるでしょう。
でも、帰国子女でない限りは、ふつうは一発合格は難しいような気がします。
そういう点で、僕は1次試験を突破した人たちに興味がありました。
1次試験を突破した人たち
周りを見回すと、さすがに学生っぽい人たちはゼロでした。
準一級までは、学生の比率が高かったのですが、1級の2次試験となると、さすがに学生の姿は見当たりません。
年齢的には、僕より上の人たちが多い印象です。
部屋の中には、女性の方が数が多いです。
やはり、女性は男性に比べて言語脳が発達しているので、語学が堪能な人が多いのでしょう。
服装を見ても、けっこう奇抜な雰囲気の人が目に付きます。
う~ん、話しかけてみたい・・・でも、みんな真剣な表情で、緊張でピリピリした雰囲気で部屋中が満たされています。
しかも、おそらく部屋の中は「私語禁止」っぽいです。
僕は、話しかける代わりに、みんなの行動を観察することにしました。
1級だけの雰囲気
英検2級~準1級までは、待合室でのみんなの行動は共通していました。
それは、「予習をしている」です。
英検面接対策本を開いて、一生懸命読んでいるのです。
僕はそれを見て、「今さら対策本を読んで、何か役に立つのかな?」と疑問に思っていました。
でも、さすがに1級の2次試験の待合室で、対策本を開いている人はゼロです。
みんな、悟りを開いたように目をつぶったり、静かに前を向いて座っています。
まるで、修行僧のような感じです。
この感じ!そう!この感じこそが、僕が「英検1級受験者」に抱いていたイメージでした。
本番の当日は、ジタバタしない。
開き直って、今までやってきた己の力を信じる。
そして、必要以上のパワーを消費しないように、「ローモード」で体力を温存する。
この戦い方こそ、中国の少林寺の修行僧のスタイルなのです。
僕は、この空間まで自分がたどり着いたことが、嬉しくなってきました。
あぁ、思い返せば、5年前、英会話スクールの門を叩いた時には、自分がここまで来れるとは思ってもみなかったなぁ・・・
5年前の自分に向かって、
「おまえは5年後、英検1級に挑戦するんだよ!」
なんて言ったら、きっと信じないだろうな・・・
不思議な気分だ・・・
そんなことを思いながら、待っていました。
なかなか呼ばれない
その後、1時間ぐらい待ったでしょうか。
会場内に、何の動きもありません。
まだこの教室から、誰も呼ばれていないのです。
もしかして、他にも教室があるんだろうか?
それにしては、1教室あたりの人数が少ないな・・・
そんなことを思いながら、ひたすら待ち続けました。
待ち時間が長すぎる!
その後、さらに1時間経ちました。もう、15時です。
ここで初めて、僕のいる教室内の人が呼ばれ始めました。でも、一度に2~3人しか呼ばれません。
そして、一度呼ばれてから、次のグループが呼ばれるまでに、ものすごい時間がかかります。
いったい、自分はいつ呼ばれるんだ?
さすがに疲れてきました。
しかし、動きはゆっくりしていました。
3時間以上の待ち時間
やっと僕を含めたグループが呼ばれました。僕らは、最後のグループでした。
もう、16時を過ぎています。
この教室に入ってから、もう3時間以上経っています。まさか、こんなに待たされるとは!!
僕は心に誓いました。
「今回で、絶対受かってやる!!もう待たされるのはごめんだ!」
そして、教室前の廊下で静かに順番が来るのを待ちました。もう、本番は目の前です!
・・・つづく。
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