From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※自動翻訳マシンの新型ポケトークWのレビューの続きです。
今回は、海外旅行先で必ず入る、「レストラン」での英会話フレーズを試してみます。
まずは、「店員さんが注文を取りに来たけど、まだ決まっていない場合」のフレーズから。
例文:まだ注文が決まっていません。
ポケ:No order has been decided yet
(※ポケトークの英文は、文末にピリオドや?は表示されません)
う~ん・・・これは、一応言いたいことは通じるものの、かなりカタい表現に聞こえます。
しかも、No というのは、とても強い打ち消しのイメージがあります。
「ひとつもない!ゼロだ!」
というニュアンスを加えたいときに使いたいフレーズです。
No order has been decided yet.
と言われると、
「注文は、まだひとつも決まってなどいないのですよ。」
と聞こえます。けっこう強いです。
ちなみに、テキスト(海外旅行ひとこと英会話CD-BOOK)の例文は、
Not ready, yet.
になっています。これも短いフレーズですが、No order ~みたいな強さはありません。
注文が決まった後のフレーズ
では次に行きましょう。
例文:注文をお願いします。
ポケ:I’d like to order
これはバッチリですね!
次です。
例文:デザートは後で注文します。
ポケ:I will order dessert later
これもバッチリです!
では、注文を切り上げるフレーズを試してみましょう。
例文:注文は以上です。
ポケ:The order is over
う~ん・・・これは・・・ちょっと微妙ですが、まあ通じるとは思います。
ただ、over という前置詞は、「イベントや出来事がもう終わっている」という時に使う言葉です。
The meeting is over.
(会議はもう終わりました)
のように使うので、「レストランでの注文」に使うには、ちょっと大げさです。
では、この場合は何と言えばいいのでしょうか?
これは決まり文句があって、
That’s all.
That’ll be all.
That’s it.
などです。最後の例文の it は、自分が頼んだオーダーすべてのことです。
それ=注文全部
ということで、終わりというニュアンスがあります。
直接的な表現
次は、「そのまま使うのはちょっと・・・」と感じた、直接的な翻訳をポケトークがしてきた例文を見ていきます。
例文:トイレはどこですか?
ポケ:Where is the toilet
ここで出てきた toilet は、「便器」という意味です。
ネイティブの耳には、「便器はどこですか?」とか、「便所はどこですか?」と聞こえます。
トイレは、英語でも遠回し表現を使います。
bathroom (風呂場)
washroom(お手洗)
restroom(休憩所)
といった感じです。最初の bathroom は、ふつう欧米文化の家ではトイレとお風呂が同じ空間にあります。日本のユニットバスのような感じです。
なので、「お風呂」の方を言うことで、遠回しにトイレを表します。
試しに日本語を「お手洗い」にして吹き込み直してみました。
例文:お手洗いはどこですか?
ポケ:Where is the restroom
おっ!今回は良いですね!やはり、上手に翻訳させるには、日本語も工夫する必要がありそうです。
次のダイレクト表現は、
例文:オレンジジュースをください。
ポケ:Give me and orange juice.
でした(笑)Give me ~は、かなりダイレクトです。
日本語にすると、
「オレンジジュースくれぃ!」
と聞こえます。まるで、
「行きつけのバーのマスターに向かって、ちょっとカッコつけてラフな感じで言う」
時のようなニュアンスです。旅行先のレストランで初対面の店員さんに向かって言うのにはふさわしくないと思います。
ただ、ポケトークを使っている時点で「私は英語ができません」というアピールになるので、ポケトークの画面を見せながら話せば相手は「プッ!」と笑って許してくれそうですが。
こんな感じで、たまにものすごいダイレクトが訳が出てくるところも、こういった翻訳ガジェットの面白いところです。
次回は、ほとんどの日本人が聞き取れずに困ることが多い、「ファーストフード店でのやりとりフレーズ」を翻訳させてみます。
・・・つづく。
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