from 師範代Shinya
(→前回の続き)
前回の記事では、発音が上達しづらい理由の4つ目として、「1人で練習しづらい」をお伝えしました。
文法や英単語と比べると、「発音にはこれ!」といった学習法が確立されているわけではなく、さらに1人で正解をチェックしづらいです。
解決策としては、発音チェック機能のあるスマホアプリが可能性を秘めていると思います。
発音の場合、「こちらの音声を聞き取れて、それをジャッジする」という作業が必要です。
それができる唯一のアイテムが、現時点ではスマホアプリだからです。
今回は、発音が上達しづらい最後の5つ目の理由を考えてみましょう。
理由⑤覚えることが多い
僕が大人になってからのやり直し英語で、初めて発音練習した日のことは、今でも強烈に記憶に焼き付いています。
僕が28才の冬に英会話スクールに入学した時、入学時に購入した教材セットの中に「発音トレーニングDVD」が含まれていました。
単品の価格は確か2~3万円ぐらいで、かなり本格的な内容でした。
DVDの枚数は、トータル7~8枚ほどのボリュームだった記憶があります。
今振り返っても、あの発音レクチャーDVDはとても良くできていました。
ネイティブの言語学者っぽい雰囲気の先生が、発音の理論を詳しく解説していて、ちゃんと日本語字幕も付いていました。
発音記号1つ1つがチャプターで分かれていて、後から頭出しがしやすいようにできています。
ビデオの中身もとても分かりやすく作られていて、発音教材でよく見かけるイラスト=「顔を横から見たアングルで、ホッペタの部分の描写をなくすことで、口の中の舌の動きや形がよく分かるイラスト」が映像の中で常に表示されていました。
さらに、若いネイティブ女性の口のアップ映像が表示されてリアルな口周りの筋肉の動きが分かるようになっていました。
とても手の込んだ作りの発音教材で、制作者側の気合いが入っているのが伝わってきました。
時間がたっぷりある環境
僕はこのDVDを手に入れてすぐに、インフルエンザにかかってしまいました。
早めに病院に行ったおかげで、薬が効いてすぐに体力は回復しました。
ただ、感染を防ぐために仕事を数日休まなければなりませんでした。
体力も時間もある状態だったので、僕はこの休み期間中に、発音DVDを見まくって練習することにしました。
最初の1枚目を2時間見終わった時、僕はげっそりしていました。
覚えなければならないことの多さに、圧倒されてしまったのです・・・
発音DVDの解説がしっかり細かくされていたからこそ、それに沿って練習を続けると、かなりの時間がかかりました。
もちろん、初回でいきなりお手本のようには発音できませんでした。
おそらく、お手本のように言えるようになるためには、1ユニットあたり1週間以上かけてコツコツ練習する必要がありそうです。
でも、DVD1枚の中に、何十ユニットも入っていました。
1枚目を見終わった時点でこんなに圧倒されているのに、残りあと6~7枚もあるのです!
発音て、覚えなければならないことが多すぎる・・・
僕はこの時、いきなり挫折しました。
そして、その発音DVDは、そっと押し入れの奥底にしまわれました。
その後、僕が発音DVDを手に取ることは、2度とありませんでした・・・
これが、僕の初めての発音練習体験談です。
発音練習で挫折する人が多いのは、すごく分かります。
発音記号だけで約40個
発音記号別に練習しようと思ったら、それだけで約40種類もあります。
1つあたり1週間かけて練習したとして、トータル40週間=10ヶ月かかります。
しかも、LやRなどの日本人が苦手な発音スキルは、1週間でマスターすることは難しいでしょう。
しかも他の発音記号も、マスターするのに1週間では足りないものもあるはずです。
加えて、英語の発音には「音のつながり」という大事なルールがあります。
Check it out!
というフレーズをネイティブが発音すると、
「チェッケラウッ!」
に聞こえるのです。
個々の発音がしっかりできること以上に、音のつながりが大事だったりします。
そうなると、発音練習のトータル期間は10ヶ月どころか、1~2年以上かかるかもしれません。
文法や英単語の勉強に加えて、発音の練習を単体で1~2年間も続けるのは、かなりツラいでしょう。
1日に取れる時間が少なければ、発音だけに特化して、他を切り捨てる必要があります。
となると、
「英語学習歴2年だけど、ベーシックな文章すら作れず、英単語力も極端に少ない。けど、発音だけは良い」
みたいなアンバランスな状態になる覚悟が必要です。
発音スキルだけが高くても、TOEICや英検(1次試験)などの資格試験の点数に影響がありません。
それに、大人が発音練習をする場合、どうしても単調な作業を退屈に感じてしまいがちです。
僕も最初に発音DVDで練習した時には、あまりの単調さに嫌気がさしてしまいました。
覚えることの多さと、練習の単調さが、発音習得の最大のカベになっている気がします。
次回は、このカベを乗り越える対策を考えてみたいと思います。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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