from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※混乱している中学校英語スピーキングテストのニュース分析の続きです。
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英語の「話す力」なぜ必要? スピーキングテストを入試に導入する東京外国語大が「
前回までの記事で、中学英語スピーキングテストの最大の不満点である「声の漏れ」をなくすための解決策を考えてみました。
①ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンの上からイヤーマフを装着する
②ノイズキャンセリング機能付きのマイクを使いつつ、タブレットのソフトでもノイズキャンセリング処理をかけながら録音する。
というのが、ベストな解決策だと思います。
ただし、この方法はものすごいコストが跳ね上がります。
おそらく、現状の機材(タブレット、イヤホン、マイク、イヤーマフ)は、かなり格安のスペックのものを使っているはずです。
以前、大学入試のセンター試験の英語リスニングテストで使われていた音声再生用のICプレーヤーも、かなりチープな作りでした。
センター試験用のICプレーヤーは、生徒全員に配って「持ち帰りOK」にしていたので、なおさら安物にする必要があったと思われます。
その時の予算感覚があるので、今回の「中学校英語スピーキングテスト」も、できるだけ予算を抑える方向で機材を調達していると思われます。
でも正直言って、リスニング試験とスピーキング試験では、機材に求められるスペックの違いが大きすぎます。
リスニング試験では、受験生は誰もしゃべらないし、ただ聞いて正解をマークすればいいだけです。
最低限の機能のイヤホンと、音声データを再生する本体さえあれば問題ありません。
でも、スピーキングテストとなると、音声まわりに関する問題を解決するために、莫大な予算が必要になります。
おそらく、「そもそもの予算の見積もりが甘かったのではないか?」というのが、僕の予想です。
スピーキングテストを実施するための機材に、どのぐらいのコストをかければいいのか?その基準が低すぎたのも原因としてある気がします。
大きな変革には、大きな予算と労力が必要
今回の「中学英語スピーキングテスト」は、日本の英語教育の歴史の中で、発の試みだと思います。
これまで読み書きとリスニングだけやってきた学校英語が、ついにスピーキングに着手したのです。
当然、これまでのやり方の延長線上ではスピーキングテストの実施は難しいでしょう。
・今までの予算感覚(リスニング用機材)
・今までの試験会場(教室に多人数)
・今までのスケジュール(みんなで一斉に同じ日に同じテストを受ける)
といった感覚を捨てないと、スピーキングテストの実施&継続は難しいと思います。
大きな変革には、大きな予算と労力が必要だということを、今回改めて学んだ気がします。
もしこれ以上予算がかけられないのであれば、労力の方でカバーするしかないと思います。
次回は、この「スピーキングテスト考察シリーズ記事」の最終回として、「予算不足を労力でカバーするパターン」を考えてみましょう。
・・・つづく。
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