【有名マジシャンとプライベートで対談⑥】

 from 師範代Shinya

(→前回の続き)

※僕が子どもの頃、弟と一緒にテレビで見て憧れたマジシャンの前田知洋さんとお会いできた体験談の続きです。

海外と日本を行き来して、世界中で知名度の高い前田さんに、僕が聞いてみたかった質問は2つ。

①どうやって今の地位を獲得したのか?

②海外でマジックを演じるためにやった英語の勉強法

です。

前田さんは、僕の質問に対して、快く答えてくれました。

まず、②の方から。

大学卒業後に海外留学を経験している前田さんですが、それでもアドリブで英語のマジックショーをやるのは大変だったそうです。

そのため、事前に日本語のセリフを英語に翻訳した台本を用意して、中身を暗記してから、ショーをやっていたとおっしゃっていました。

毎回少しずつセリフを微調整しながら、お客さんにウケるポイントを探っていたそうです。

特に海外では、マジメに演じるだけではなく、お客さんからクスツと笑いを取れるかどうかが大事になってきます。

それをアドリブで行うのはかなりハードルが高いでしょう。

お客さんを選ばず共通する「台本英会話」戦術

それを聞いて、僕は思わず「自分もそうです!」と叫んでしまいました。

この「英語台本を用意してセリフを覚える手法」は、僕が外国人バーに通ってそこにいるお客さんに英語でマジックを見せていた時期に、やっていたことです。

当時の僕の英語力はかなり低くて、アドリブで話すことはまったくできませんでした。

そのため最初の頃は、

「台本にないことを聞かれたり、話がそれたらどうしよう?」

とドキドキしていました。

でも実際にやってみると、ショーの最中に話がそれることは、ほとんどありませんでした。(ショーが終わったら早めに離脱しないと、あれこれ質問が来てフリートークに突入してしまうので、すぐに引き上げていました)

たまにショーの最中に、お客さんのリアクションの中でひと言ぐらい予想外のことを言われることもあるのですが、基本的には今演じているマジックの内容に関するコメントなので、聞き取れます。

この「台本英会話」の戦術は、相手が誰であれ有効なんだということを、前田さんのお話を聞いて改めて感じました。

・僕が外国人バーで相手にしていたお客さんたちは、日本に住んでいる外国人で、職業も英会話スクールの先生や、学校の先生がメインでした。
・前田さんがこれまで相手にしてきたお客さんたちは、日本に住んでいる外国人ではありません。前田さん自身が海外に行って、現地の超お金持ちや有名人たちに、英語でマジックを見せていました。

まったく客層が違うけれども、英語に関しては「台本を準備して、できるだけそこから逸脱しないようにしゃべる」という点では、共通していることが分かりました。

準備が9割

やはり英語でのプレゼンは、「準備が9割」です。

日本では、

英語が話せる=アドリブでペラペラ

みたいなイメージがあります。

逆に言えば、アドリブで話せないと、本物の英語力ではない、みたいな風潮すらある気がします。

台本を用意していることが分かると、

「な~んだ!暗記した英文を読み上げていただけなのか!」

みたいなリアクションをもらうこともあるのです。

でも、実際に大事なシーンではそんなプライドは捨てて、台本を用意した方がうまくいきます。

というか、ネイティブでさえもプレゼンの時には台本を用意するのが普通だそうです。

むしろビジネスでは、「台本を用意していない=準備ができていない=やる気が無い」とさえ受け取られることもあると、アメリカ人の先生から聞きました。

世界のセレブを相手に英語でマジックをしている前田さんでさえも台本を用意しているんだから、僕らも台本を用意して英会話にのぞむ方が良いと思います。

台本があるから、アドリブができる

これはとても不思議なのですが、英会話では台本を用意した方が、「アドリブで話せる率」が上がることがあります。

つまり、事前に用意した台本に沿って話すことで、逆にアドリブを入れやすくなるのです。

たとえば、自己紹介の英語台本を用意したとします。

①Hi, I’m Shinya.

②I live in Tokyo but I’m originally from Shizuoka.

③Shizuoka is known for its green tea leaves.

④Also, it has a famous peninsula called “Izu”.

みたいな感じで、ある程度の長さの英文を暗記しておきます。

すると、余裕が出るので、真ん中にちょっとしたアドリブを入れることができるようになるのです。

たとえば、②と③の間に、相手に質問を組み込んでみるとか。

②I live in Tokyo but I’m originally from Shizuoka.

Have you ever heard of it?
(静岡って聞いたことありますか?)

すると、相手は Yes か No かで答えてきます。

知っていれば、「お茶で有名なんだよね?」とか、「富士山があるって聞いたよ」など、何かしらリアクションが来ます。

こういうリアクションは、フリートークでも内容が予測できるため、聞き取りやすいです。

そしたら、それに答えてから、④以降のセリフに移っていけば良いのです。

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次回は、僕が前田さんに聞いたもう1つの質問の答えをシェアしますね。

 

・・・つづく

 

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From  師範代Shinya(新村真也)

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