From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕がジーンズショップで働いていた頃、初めて英語のテキストを買って外国人のお客さん相手の英会話を経験した時のエピソードの続きです。
アグレッシブな黒人男性にガンガン話しかけられて全然聞き取れず、ボロボロになった僕は、逆に緊張が解けて積極的な気分になってきました。
そこで、まずは外国人そのものに慣れようと思い、自分から彼らが集まっているエリアに入っていきました。
そして、すれ違うたびに、目を合わせて「Hello!」と言ってみるようにしました。
すると、すごく優しい雰囲気の笑顔で向こうも「Hi!」とか、「Hello!」とか返してくれることが分かりました!
僕はとたんに自信が出てきました。
さすがに、さっきのアグレッシブな黒人男性からは僕はちょっと距離を置いていましたが、それ以外の人たちにはだいぶ親近感を感じ始めました。
一度軽く目を合わせておけば、その人達がレジに来たとしても、緊張感は少しほぐれます。
どっちみち、他のスタッフは外国人客から逃げて距離を置いているので、僕がレジを打つことになるのは間違いなさそうです。
僕は、さっきの落ち込みから一気に回復して、元気を取り戻しました。
新しいミッション
今回、僕は新しいミッションを自分に課していました。それは、「前回は使えなかった英語の接客セリフを使ってみる」ということです。
とりあえず、1つ、これだけは聞かれるのではないか?というセリフを自分の脳内に仕込んでいました。
それは、
「在庫はありません。」
というセリフです。
なぜこれを選んだかというと、初回と前回、両方とも聞かれた質問だったからです。
「このLサイズはあるか?」
「他の色はあるか?」
といった、在庫に関する質問は、店員の僕らが一番よく聞かれる質問です。
それは、日本人のお客さんでも外国人のお客さん相手でも、変わりません。
今回も間違いなく聞かれるだろう!ということで、僕は事前に自分の中に回答のセリフを仕込んでおいたのです。
必殺のセリフ
それは、
「We don’t have any stock right now.」
(今、在庫はありません。出ているだけです。)
というセリフです。(細かい言い回しは忘れましたが、たしかこんな感じでした)
このセリフの良いところは、
「それ以上は何も聞かれない」
ということです。その分、ハードルが下がります。
もちろん、ウソをついているわけではありません。実際、僕のお店は、ほとんど「バックルームに置いておく在庫」というものを持たない仕組みでした。
もちろん、季節外れの売れ残り在庫品はバックルームにたくさんありましたが、今の季節の在庫はすべて売り場に出すシステムになっていました。
でも、だからと言って、在庫を聞かれるたびに、
「NO!」
と言っていては、愛想が悪すぎます。
ちゃんと伝える英語を言えてこそ、プロの販売員です。
なので、僕が今回使うセリフはたったひとつ、
「在庫はありません!」
です。とりあえず、今回はこのセリフが言えたら成功!
ということで、使う機会を求めて、僕は米軍兵士たちのグループの中にさりげなく近づいていきました。
いざ、発動!
案の定、Tシャツを見ていた人の中で1人が、僕の方に近づいてきました。
(よし!来たぞ!)
僕は、胸の高鳴りを抑えきれずに、ドキドキしながら気付かないフリをしていました。
米軍兵士:「Excuse me?」
(すみません)
僕:「Yes, How may I help you?」
(はい、いらっしゃいませ)
米軍兵士:「○×△ size?」
速くて最初の方はぜんぜん聞き取れませんでしたが、最後の方で「サイズ」という言葉が確かに聞こえました。
ボクシングでも、「どんな種類のパンチが来るか」が最初から分かっていれば、スピードが速くても見切れるものです。
僕はすかさず答えました。
僕:「Sorry, we don’t have any stock right now.」
(すみません、在庫はありません)
米軍兵士:「Oh, OK. Thank you!」
(分かりました。ありがとう!)
僕:「You’re welcome!」
(どういたしまして!)
そして、彼は去って行きました。
やった!!
一連の流れが成功しました!!
僕の頭の中で思い描いた通りの展開でした!
相手の言っていることは完全には聞き取れなくても、きちんと意思疎通はできました。
僕は嬉しくなって、思わず心の中でガッツポーズを取りました!
・・・つづく。
いつも楽しく読んでいます。
タイトルの写真やイラスト凝っていますね。
What time is it now?
そうなんです、1つにかける
今何時を聞こうとしていた、中学生の自分がいました。
修学旅行で京都に行き、そこには沢山の外人が。
京極の土産物屋で外人に声を掛けたのが初の英会話でした。
今から思うと恥ずかしいのですが、当然、定型文の返しではなく
パニックになり聞き取れず、、、orz.
結果腕時計を見せてもらうだけに終わってしまいました。
でも、通じるんだという不思議な充実感があったことを思い出しました。
藤田さん、いつもありがとうございます。
そうでしたか!藤田さんの英会話初体験は、中学生の頃なんですね。
たしかに、京都は外国人観光客が多いから話すチャンスもありますね!
それにしても、中学生で自分から外国人に話しかけるとは、かなり度胸がありますね!
どんなにパニックになっても、その経験はきっと今に生きていると思います。