From 師範代Shinya(新村真也)
※僕が英検1級にトライした時のストーリーの続きです。
(→前回のつづき)
「これで完璧 英検1級二次対策」
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この本の著者は、僕が1次試験の作文対策用に買った本と同じ、小林蕗子先生です。
小林先生の本は、1つ1つの例文が「現実的」です。
現実的というのは、「自分もマネできそう」という意味です。
旺文社が出している英検の過去問のモデル例文は、ぶっちゃけ難しすぎます。
「こんなこと英語で言える人いるの?日本でも無理だよ!」
と突っ込みたくなるほど難しい内容や言い回しが載っています。
過去問で面接練習をしても、模範解答と自分の答えとのギャップにヘコむばかりで、あまり効率的な「対策」にはなりません。
その点、小林先生の著書は、シンプルで等身大の言い回しで構成されています。
「このレベルの文章が書ければ、ちゃんと合格できるんだ!」
と思うと、気持ちがラクになってきます。
小林先生の本には、とにかく例文がたくさん載っていて、淡々と「成功パターン」を身体に刷り込むトレーニングをするには最高の教材です。
僕がこの本をどう使ったか?
この本は、1次試験の作文パートの対策とは違って、電車の中でやるわけにはいきませんでした。
その場で即興でスピーチをする練習をしなければならないので、声が出せる環境が必要です。
なので僕は、いつもの朝一の音読トレーニング時間に、この本を使った練習メニューを持ってきました。
手順は、こんな感じです。
↓↓↓
①本を開いて、「お題」を選ぶ。
②本番と同じように、1分間の準備時間をキッチンタイマーをセットして、その時間内にスピーチを考える。
③タイマーが鳴ったら、すぐに2分にセットし直して、スタートを押すと同時にスピーチをスタートする。
④スピーチの途中でタイマーが鳴っても、とりあえず最後まで言い切る。
⑤すぐに本でモデルの答えを確認する。
⑥モデルの答えを繰り返し音読する。
という6ステップです。
ちなみに、2日目以降は、ステップ①の前の準備運動として、前日のモデル例文の音読を3回連続でやるというウォームアップメニューを取り入れました。
これをやることで、「英検に受かりやすいスピーチのパターンとリズム」を身体に入れた状態になるので、心身の準備が整います。
モデル例文は、毎日3回~6回くらいやって、トータル音読回数が1文につき30回になるまで音読し続けました。
効果のほどは?
これを1週間くらい続けたあたりから、自分が即興で作ったスピーチと、モデルの例文との差が少しずつ縮まってくるのを感じ始めました。
やはり、この手のアウトプット練習の成果は、「正しい型」と「反復練習の回数」である程度決まるな!と改めて実感しました。
毎回、2分間測ってしゃべっていると、2分間の感覚もだんだん身体で感じられるようになってきました。
最初はタイマーをチラチラ見ながらしゃべっていて、それでもタイムオーバーしたり、逆に1分くらいで終わってしまったりしていました。
でも今は、1分40秒~2分ジャストまでの間で着地できるようになってきました。
改めて、人間の「慣れ」のパワーはスゴいと感じます。
脳がいつでも「英検スピーチ脳」に!
このトレーニングを始めてから、僕は自分の脳内が常に「英検スピーチ脳」になっていることに気付きました。
英検スピーチでは、必ず決まった「型」に沿ってしゃべります。
①自分の意見を言う。
②その根拠を3つ言う。
③最後にもう一度、自分の意見を言う。
この「型」を使ってしゃべるクセがついたおかげで、会社の会議でも、無意識レベルで同じようなしゃべりをしてしまうようになりました。
僕が当時勤めていた英会話スクールでは、週に2回、会議がありました。
日本人スタッフとネイティブ講師の合同で行われるため、会議は基本的に英語のみで行われます。
そこで、スタッフは自分の意見を求められることが多いのですが、ほとんどみんな「自分の意見を伝えて終わり」です。
「私はこう思います。」
みたいな感じです。それに、日本人スタッフはネイティブ講師に比べてあまり自分の意見をストレートに言いません。
でも僕は、自分が意見を求められると、すぐに自分の立場を決めてハッキリ発言するようになりました。しかも、理由を3つ付けるクセがつきました。
「僕は○○だと思います。それには3つの理由があります。まず1つ目は・・・2つ目は・・・3つ目は・・・以上の点から、僕は○○だと思います。」
という「型」でしゃべるようになったのです。
これは、自分でも驚きでした!今までは他の人たちと同じように、自分の意見だけをボソッと言うだけでした。
でも、英検の二次対策を練習することで、「自分の意見を論理的にビシッと説明」できるようになったのです!
ひとつだけ困ったことは、「議論する程ではないすごく小さなこと」でも、3つの根拠を挙げたくなる衝動に駆られることでした。
ただ、このスピーチ練習を通じて、自分の中のプレゼン力が一段上がったと感じたことは、英検二次対策の思わぬ副産物でした。
・・・つづく。
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