From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
英検1級対策のトレーニングを積みながら、英字新聞を読むことが僕の毎日の習慣になっていました。
速読速聴英単語Advanced 1000に入っているような高度な内容の英文を読めるようになると、自分が読める記事の種類の幅が一気に広がります。
インターネットなどで自分が興味のあるジャンルの記事は、ほぼ読めるようになります。
文字情報だけではありません。
YouTubeなどの動画も、自分の知っているジャンルのものであれば、早口の英語で話されていても80%以上は理解できるようになりました。
海外の大物マジシャンの出しているハウツーDVDを買う時も、「日本語字幕が付いているかどうか?」で悩む必要がなくなりました。
これは大きな衝撃でした!
英語で情報を取ることが、こんなに楽しいとは思っていませんでした。
「俺は今、日本語では手に入らない情報を世界中から取れるようになったんだ!」
という喜びは、言葉では伝えきれません。
身近な例では、僕は家電などを買おうと思ったときに、口コミレビュー記事やYouTubeの商品レビュー動画を見て参考にしています。
でも、日本ではあまり人気がなくて売れていないものは、記事も動画も少なくて、情報があまり取れなかったりします。
でも、試しに英語で検索してみると、海外で日本製品をレビューしている人がたくさんいます。
日本で人気がなくても、海外で大人気!なんて製品もよくあります。
日本人にはない視点から製品レビューしている動画を見ると、とても参考になります。
最初は日本では人気がなくても、海外でヒットしたのがきっかけで、後から日本で人気が出るアイテムもあったりします。
そういう情報を先取りするのは楽しいです。
日本語で調べても出てこない情報でも、英語で検索すれば、ほぼ100%出てきます。
英語初心者の頃には想像もしていなかった世界
それにしても、自分が28才の頃に英会話スクールに通い始めた頃は想像もしていなかったレベルの英文を、こうして読んでいる自分が不思議でした。
僕は、最初は完全に趣味で英語を始めました。メインの目的は、「英会話スクールで女性と出会う」ことでした。
男性ファッション誌の白黒ページに、「女性と出会える習い事ランキング」の2位に英会話スクールがあった、というのが理由です。(ちなみに、1位は料理教室でした)
そんなカジュアルな動機だったので、最初の頃は、
「外国人とこなれた会話ができるようになりたい」
「そんな自分の姿を見せて、女性からモテたい」
というのが希望でした。
もともとお勉強スタイルが嫌いだったので、新聞なんて日本語ですら読みませんでした。
それが、6年後には英字新聞を毎日読む生活になっているとは・・・
あの頃は想像もできなかった自分になっていることに気付きました。
欲が出てくる
よく、「私には人に言えるような立派な目標がないんです。やっぱり、そういうのがある人の方が上達が早いですよね?」というセリフを聞くことがあります。
でも、僕はそうは思いません。僕が英語を始めたきっかけなんて、とても人に誇れるようなものではありませんでした。
最初の頃は、会話さえできればいいと思っていました。
外国人の友達をいっぱい作って、
「Hey! What’s up man?」
みたいなヒップホップなノリで会話できたら十分だと感じていました。
英語の資格試験にも興味がありませんでした。
でも、音読トレーニングとイメージ英文法に出会った頃から、
「このメソッドを使って自分がどこまで行けるのか?」
に興味がシフトしていきました。
そして、自分の英語力がアップするにつれて、「もっと先はないものか?」と感じ、「欲」が出てくるようになったのです。
これは自分でも不思議でした。
目標が自然に生まれる
人間は、できなかったことがひとつできるようになると、大きな快感を感じます。
すると、「またあの感動を味わいたい!」と思って、また次のステップに挑戦したくなるようです。
その結果、少しずつ僕の欲は増えていき、最初の頃にはまったく想像もしていなかった、
「英字新聞を読めるようになりたい」
という新しい欲求が出てきました。
そして、
「その力を社会に証明する資格を取ってみたい」
という欲求が出てきました。
もし、最初からそんな高い目標を持っていなければ英語学習を始められないと感じていたら、いつまでたっても発車できないような気がします。
むしろ、欲求が高い方が、現状との長い距離を感じて、挫折しやすくなるのではないでしょうか。
もし、今は英語学習の目標が何もなくても、ひとつの階段を上がると、自然に自分の中からわき上がっていると思います。
・・・つづく。
質問があります。英語学校に行っておられた時、いかがでしたか?また、英語の講師をされていたときも、英語学校はいかがでしたか?私は、今仕事をしていなくて、お金がないにも関わらず、時間だけはあるので「試しに英語学校の説明を受けに行こう」と3社に行きました。ちなみに、私の英語レベルは中級の初級でした。
3年前にはTOEIC330レベルでしたが、しんや先生のブログ等で勧められていることを、この数ヶ月実行しています。現在は、DUOを始められるようにまでなりました。初級なので、延びやすい時期だと思います。
英語学校の授業料は、3社とも50万/年ほどになります。そのうちの1社は、ネイティブの先生との個別レッスンを全面に出しており、私にとってはあまり良いと思いませんでした。他の1社は、瞬間英作文などのような訓練と反復練習、そしてその実践の授業とに分けており、興味深かったです。でも、この程度でしたら、自己学習できるのではないか、とも思いましたが、体験授業では、私の瞬間英作文で用いた語を修正してくれるとき、その理由まで提示してくれて、それは自己学習では得られないな、とも感じました。しかし、テキスト等もその英語学校でコントロールされてしまうため、今継続していることができなくなるとも感じました。最後の1社ですが、とても親身でよかったです。けれども、前社のような明確なコンセプトがなく「個別対応」をモットーとしている様子でした。
いずれにせよ、高い出費です。もちろん、3社ともそれぞれ良いところがあるでしょうし、先生方も良い方々だと思います。無料でいろいろ相談させてもらっていて、3社には申し訳ないのですが、語学学校についてシンヤ先生のご意見があれば教えて下さい。よろしくお願い致します。
ちなみに、私は大阪人です。東京近郊に住んでいるのであれば、迷いなくシンヤ先生に習いたいのですが。そして、語学学校に行くとなると、語学学校に近い場所で働く予定にしています。では、図々しい質問でごめんなさい。
竹原さん
TOEIC330点レベルから始めて、今はDUOまでやっているなんて、スゴいですね!
ぜひ、このペースで進んで900点レベルまで到達してください!
これは面白い質問ですね!
確かに、英会話スクールに通うメリットとデメリットは、今の竹原さんが分析している通りだと思います。
僕も賛成です。
英会話スクールに通うメリットは、
①自分より英語ができる人(先生や上のクラスメイト)に質問することで、自力で調べるより早く疑問点が解消できる。
②同じ道を目指す仲間と触れ合うことで、モチベーションアップができる。
③ネイティブと定期的に会話することで、「英語を学ぶ醍醐味」を味わうことができる。
といったところです。
逆にデメリットは、
①テキストを自分で自由に選べない
②専門的なコーチングが受けられるとは限らない
③ネイティブの先生だからといって、文法的な質問に何でも答えられるわけではない
という感じです。これは、自分も英会話スクールで働く側になったことで、より明確に見えるようになりました。
「英会話スクールに英語力を伸ばしてもらおう!」と考えている人は、なかなか英語力は伸びません。
「こっちはお金を払っているんだから、向こうがプロとして何とかしてくれるはずだ」
という心理状態では、英語を身につけるのは難しいです。
じゃあ、僕自身は生徒の時、どうだったかというと・・・
最初の1年間は、「英会話スクールに自分の英語力を伸ばしてもらおう!」と考えていました(笑)
でも、思ったほど伸びませんでした。他力本願ではダメだと気付きました。
1年経って音読&イメージ英文法のメソッドに出会ったことで、「本当に英語力を伸ばす方法」が見えるようになりました。
そこで一度、スクールを辞めて独学だけで行こうと考えましたが、思いとどまって、その後2年間通いました。
トータル3年通って一番上のクラスまで受け終わってから卒業しました。
では、なぜスクールを辞めなかったのか?と言うと、自分の中での英会話スクールの役割が明確になったからです。
僕の中で英会話スクールの役割は、「モチベーションアップ」でした。
①先生に上達を褒めてもらうことで、モチベーションをキープできる。
②同じ道を目指す学習者仲間と話すことで、インスパイアされる。日常では知り合えないような、自分とはライフスタイルの違う友達が増える。
③ネイティブにしか分からない「英単語やフレーズの微妙なニュアンスの違い」などをその場で聞いて解決することができる。
この3点だけは、独学ではできない部分です。
③の部分は、バーで知り合ったネイティブの友達に聞いても良いのですが、彼らにとっては僕に英語を教えるのが仕事ではないので、さすがに質問を思いつく度に、何度も細かく聞くことはできません。
でも、お金を払っているスクールの先生相手なら、遠慮なくガンガン突っ込んだ質問ができます。
そこで僕は、年間24万円くらいで、週1回だけ通うスタイルのクラスを取りました。
ちなみに、クラスで使うテキストは、音読トレーニング素材のひとつとして、シャドーイングで仕上げました。(先生にそうするように言われたわけではありません)
1冊だけなら、宿題も大きな負担ではないし、他に自分で選んだテキストをやる時間も取れます。
なので、割り切って利用していました。
その結果、人間関係が広がって、後から色々と役立つことがありました。
たとえば、僕が教わっていたクラスの先生(オーストラリア人)が、カナダ人の友達を僕に紹介してくれて、留学したときに彼の家に数日間泊まらせてもらいました。
他にも、同じクラスで知り合った友達と一緒に、TOEICの点数を競い合ったり、お互いに情報交換し合ったり、一緒に外国人バーに行ったりして、ひとりではできないことができるようになりました。
そこで働いていた日本人の英語の先生たちとも仲良くなりました。今でも良い関係が続いている人たちもいます。
僕は、英会話スクールに通って本当に良かったと思っています。
3年間で払った授業料をはるかに上回るリターンがありました。
でも、それを感じたのは、けっこう後になってからです。
豊かな人間関係は、お金では買えない価値があります。
そういう経験があるので、僕は今の自分のスクールでは、できるだけ違うクラスの人同士をつなげるイベントを作っています。
クラスメイト同士が仲良くなって、プライベートで一緒に勉強したり情報交換し合ったりしているのを見るのは、本当に楽しいです。
とはいえ、ストイックに英語力のみを伸ばすことにフォーカスするのが好きな人もいます。
そういう場合は、ひたすら独学でやるのもひとつの手かと思います。
実際に、僕が英会話スクールに通ったのは、人生でその3年間だけです。そこから先は、ずっと独学です。
以上が、英会話スクールに対する僕の考えです。
竹原さんがどちらを選ぶにしても、英語力は上がると信じています。
Keep going!!