from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
前回の記事では、「聞き流し英語はスポーツ中継を見るのと似ている効果」ということをお伝えしました。
サッカー中継を見続けることで、初心者がルールを覚えるのには役立ちます。
でも、ある日突然、ボールが上手に蹴れる日が来ることはありません。
ボールが蹴れるようになりたければ、ボールを毎日蹴って、正しいフォームを身体に染みこませる必要があります。
英語も同じです。
初心者が英語を聞き流すだけでは、「何となく分かった気になった状態」から上に行くことはできません。
口から突然英語が出てくることはないのです。
なぜなら、舌の筋肉が、英語の発音に慣れていないからです。
英語を話すトレーニングを経験したことがないのに、ある日突然舌が新しい動きをして、英語のネイティブ発音ができるようになる、というのは、あまり現実的ではありません。
でも、スポーツ観戦するだけでも、見た技を盗める人がいます。
それは、上級者です。
上級者は、見るだけで技を再現できる
たとえば、サッカーのワールドカップに出場するようなレベルの選手であれば、他のチームの試合中継を見ただけで、同じような戦略を再現することができるようになるでしょう。
すでに身体の中に大量の技のストックがあり、それを実行するだけの体力も備わっています。
見ただけですぐ実行できる人は、すでに相当なレベルにある人です。
英語も同じです。
僕はTOEIC900点を超えてからリスニングを始めました。
すると、リスニングの理解度が高いので、聞いた内容が耳に残るようになりました。
さらに、文法力の下地があるので、聞き取れた内容を正確にリピーティングしたり、初見の英文をシャドーイングしたりもできるようになりました。(自分のレベルを越えた英文はムリですが)
ここ1年ぐらいは、YouTubeの好きなジャンルの動画を聞き流しています。
僕はカメラやパソコンなどのガジェット(電子機器)が好きなので、ガジェットをレビューする海外ユーチューバーの動画をスマホにオフライン保存して、散歩中や家事の最中によく聞き流しています。
最初は、ある程度の業界用語(カメラ用語)を発音できるようになるために、音読で新しい発音を自分の舌に仕込んでおきました。
(20分前後の動画を30回音読&シャドーイング×8本分)
そして、その後はリスニングだけに切り替えてみました。
すると、聞き流しの英語がよく耳に残るようになり、一度聞いたフレーズが脳裏に焼き付いて、英会話の中でポン!と出てくるようになりました。
オンライン英会話の先生で、元カメラマン、現役カメラマンの人達との会話を楽しめるようになったのです。
今になってやっと、聞き流し英語が効果を発揮するレベルになれたと感じています。
聞き流した英語が突然口から出てくる感覚
僕が初心者の頃に抱いていた幻想、
「ふだん聞き流している英語が、英会話の中で口からポン!と出てくるようになる」
という状況は、今になってやっと実現しました。
でも、今は魔法には感じません。
「まあ、これだけストックを積み上げれば、そうなるよな。」
という感覚です。
ここまで来るのに、16年かかりました。
英語の聞き流しが効果を発揮する3つの条件
英語の聞き流しが効果を発揮する条件は3つあります。
①ほぼ100%聞き取れる素材を使い、同じトピックで話されている英文を何種類も聞き流す。
②発音したことがない英単語があれば、音読を繰り返して舌に動きを覚えさせておく。
③聞き流したトピックで試合(英会話)をする機会を定期的に持つ。
この3つの条件が揃った時に、初めて聞き流しが効果を発揮します。
僕はそれを、最近になって身をもって実感しました。
そして、スピードラーニングのCMに出演していた石川遼選手は、もしかしてこの状態だったのでは?ということが分かりました。
・・・つづく。
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