【日本で覚えたスキルが海外で使える喜び】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
カナダの現地企業のマーケティング部で、僕が最初に与えられたタスクは、「競合のリサーチ」でした。
 
僕が働いていたのはできたばかりの民間のカレッジ。海外からの留学生を受け入れて2年間教育したあと、就職するか4年制大学に編入するかの選択肢を用意するというプログラムでした。
 
就職する人向けには、日本の専門学校のような「職業訓練コース」がありました。
 
4年制大学に編入する人向けには、目指す大学別&専攻科目別のコースがありました。
 
できたばかりなので、まだ卒業生はいません。生徒は全員1年生でした。
 
生徒はどうやって集めてきたのか、中国からの留学生がたくさんいました。
 
大学は、卒業すると「diploma(ディプロマ)と呼ばれる「学位」をゲットできます。
 
どんな学位をゲットできるか?で、卒業生の進路にも影響が出ます。
 
大学にとってのウリになる商品は、その「ディプロマ」と、ディプロマを取るまでのふだんの授業です。
 
卒業までにかかる学費が、商品の売値になります。
 
僕に与えられた最初のタスクは、
 
「バンクーバー周辺のライバル校が、どんなディプロマと授業を提供していて、その価格帯はどのくらいか?」
 
という情報を調査することでした。
 
 

細かく読んでたら間に合わない

僕に与えられた期間は1週間でした。その間に、できるだけたくさんの競合他社情報を集める必要があります。
 
しかも、僕はその情報収集作業に1日中没頭できるわけではなく、受付業務を手伝いながら進めなければなりません。
 
僕は、複数のことを同時に行う「マルチタスク」が苦手です。気が散ると、集中力が保てなくなって、作業効率が極端に落ちます。
 
それは、日本でジーンズショップの店長をしていた頃から自覚していました。そして、これが訓練でどうにかなるものでもないことに気づいていました。
 
なので、この「受付係兼マーケティング担当」という兼任ポジションに不安がありました。
 
でも、実際に始まってみると、それほど頻繁に電話が鳴るわけでもないし、来客もたまにちらほら来るくらいです。
 
なので、割とパソコンを使ったリサーチ作業に没頭できました。
 
ただし、その作業はすべて「英語」でした。
 
 

パソコンソフトは世界共通

パソコンの表作成ソフトはエクセルが入っていましたが、すべて表記は英語です。
 
僕は、日本での仕事でこれまでずっとエクセルを使ってきたので、その記憶を頼りにアイコンの位置を探っていきました。
 
すると、けっこう分かるのです!文字は読めなくても、操作アイコンの位置を身体が覚えていました。
 
「へー!英語ではこう言うんだ!」という発見を楽しみながら進めていくことができました。
 
パソコンソフトが世界共通で助かった!と思いました。いくら日本で英語力を上げたといっても、さすがにパソコンで使われるような専門用語は知りません。
 
でも、使い方を日本で分かっていれば、それが英語になったとこで、大きなマイナスにはならないと気づきました。
 
と当時に、とりあえずワードとエクセルが使えれば、世界中のオフィスで働けるのでは?ということに気づきました。
 
僕は、日本で覚えたちょっとしたパソコンスキルが、意外なタイミングで海外で役に立ったことに、嬉しくなりました。
 
もちろん、僕はウィンドウズしか使ったことがないので、マックのパソコンをメインで使っている会社では働けないかもしれません。
 
でも、それでも自分が「世界共通のスキルを持っている」ということが嬉しくなりました。
 
そして改めて、「コンピューターが世界をつないで国同士の境目をなくす方向に向かっている」ことを実感しました。
 
・・・つづく。
 
 
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