【クラスメイトの「速い英語のベール」がはがれた瞬間】

 
From  師範代Shinya(新村真也)
 
僕のカナダ留学の最初の1週間はボロボロでした。
 
ヨーロッパ&南米系の生徒たちに混じって、彼らのしゃべる速い英語についていけず、自分だけ置いてけぼりを食らっている感がありました。
 
でも、そんな状況を「ルパン作戦」で打開して、仲のいい友達を作ってからは、「うまくできない自分」がイヤじゃなくなりました。
 
そして、最初の頃に自分の中にあった
 
「何としてでも、このクラスの速いペースについて行くぞ!!」
 
という気負いを捨てて、ピンチの自分を一歩引いたところで客観的に見ながら、リラックスするようになりました。
 
すると、今までできなかったことができるようになってきました。
 
「すべてを聞き取ろう」とせずに、分かった単語だけで意味を予測しながら、分からない部分は想像で補うという技術を「推測聞き」といいます。
 
これはカナダに来る前に、日本でさんざん練習してきたはずでしたが、最初の1週間はまったくできていなかったことに気づきました。
 
「推測聞き」はテクニックですが、自分の「心理状態」が大きく影響します。どんなにやり方が分かっていても、「リラックスした心境」でなければできません。
 
僕は心が落ち着いてきたことで、クラスの中でも「推測聞き」が徐々にできるようになってきました。
 
 
 

クラスメイトの「速い英語のベール」がはがれた瞬間

「推測聞き」ができるようになってくると、だんだんクラスメイトの話す英語を冷静にジャッジする余裕が出てきました。
 
それまでは、速くてぜんぜん聞き取れていなかった彼らの英語が、ある日、急に聞こえるようになった瞬間がありました。
 
それは、5人で1チームに分かれてプレゼンをしていた時のこと。
 
僕のいるクラスは、1クラス20人くらいです。その中で4チームに分かれて、「世界で成功した企業」のリサーチをして、資料にまとめました。
 
その資料の内容を、チームごとに順番に全員の前でプレゼンする、というアクティビティーがありました。
 
プレゼンなので、自分のチームが発表するとき以外は、基本的にひたすら聞くだけです。
 
このとき、僕は初めて「聞くことだけ」に専念できました。
 
それまでは、クラスの中では「ディスカッション」ばかりやっていたので、「聞くこと」と「言うこと」の両方を意識しなければならず、負荷が高かったのです。
 
でも今は、精神的にもリラックスして落ち着いています。「推測聞き」のテクニックも取り戻し、以前よりずっと聞けるようになっていました。
 
その状態で彼らのプレゼンを聞いたとき、僕は驚くべき発見をしました!!
 
それまで「自分より上」だと思っていた彼らの英語の「秘密のベール」が、ゆっくりとはがれていく瞬間を見たのです!!
 
 
 

めちゃくちゃな文法

そのときプレゼンしていたチームは、スペインとブラジルの生徒の混合チームでした。
 
特にスペイン系の生徒の話す英語は速く、僕が今までディスカッションクラスで組んだ中では、一番しんどいと感じました。
 
僕はそれ以来、自分と彼らの英語力には、雲泥の差があると思っていました。
 
でも今、冷静に彼らの話す英語を聞いていると・・・
 
文法ミスがたくさんあることに気が付いたのです!!しかも、かなり初歩的なところです。
 
たとえば・・・
 
He doesn’t like ~
 
と言わなければならないところを、
 
He don’t like ~
 
と言っていたり。(doesは「3単現のS」と呼ばれる中1レベルの文法です)
 
She is happy ~
 
と言うところを、
 
She happy ~
 
と言ってみたり。(be動詞も中1レベルです)
 
他にも、本来ならば、
 
He will go to ~(未来形)
 
He went to ~ (過去形)
 
と言うところを、ごっちゃになって、
 
He will went to ~
 
になっていたり。
 
(どっちだ?「これから行く」のか?それとも「もう行った」のか?この違いはけっこうデカいぞ!)
 
と思っていたら、さすがにここは先生が途中で止めて確認して直していました。
 
 
他にも、単語を並べる順番がかなりメチャクチャな時があります。
 
「言いたい単語を先に言って、文法的に順番を間違えてもいちいち言い直さない」
 
と表現した方がいいのかもしれません。
 
どちらにしても、僕は彼らの話す「英単語」が聞き取れるようになったおかげで、文法が崩れていることに気づくようになりました。
 
そして、先生がミスを直しているポイントは、ほとんどが日本の中学レベルの英文法だったのです!!
 
 
 

強い「なまり」

もうひとつ気づいたこと。それは、発音の「なまり」です。
 
彼らの話す英語が聞き取れるようになるにつれて、「英単語」の発音がかなり独特なことに気づきました。
 
途中でものすごい巻き舌になって、
 
really =「リアリー」を、「ゥゥゥゥルルリアリー」と発音したり・・・
 
単語のうしろの音を伸ばして、「like=ライク」を、「ライケィア~」みたいに発音したり。
 
しかも、さっきみたく「3単現のS」を抜かしたりするので、
 
本当は
 
He likes ~ (ヒー・ライクス)
 
という発音を、
 
He like ~ (ヒー・ライケィア~)
 
みたいに発音するのです。
 
ネイティブの発音とぜんぜん違います!!
 
 
 

僕が聞き取れなかった理由

僕がそれまでクラスメイトの英語を聞き取れなかった理由。それは、
 
「強いなまり+文法の崩れ」
 
という、「話すスピード」や「英語の底力」とは関係のないところで、僕の脳が彼らの英語を理解できていなかったことに気づきました。
 
そして、僕の脳裏には、ホストマザーのフローレンスの言葉がよみがえりました。
 
「私は、今までラテン系の生徒も受け入れてきたけど、彼らの話す英語が上手だとは思わなかった。私から見れば、シンヤの話す英語の方がずっと上手だ。」
 
あのときは、落ち込んでいる僕をなぐさめるために言ってくれているのだと思っていました。
 
でも今、それが真実だと気づいたのです!!
 
そう思ったら、急にラテン系のクラスメイトに親近感を感じるようになりました。
 
今までは、僕の頭の中では「自分が下で、彼らが上」という構図がありましたが、今は、
 
「な~んだ、みんな完璧じゃないじゃん!」
 
と気づいたことで、彼らと話すことが怖くなくなったのです。
 
 
 

なぜ、先生は大丈夫なのか?

それにしても、先生はいくらネイティブとはいえ、なまりが強く文法がめちゃくちゃな彼らの英語を一字一句聞き取れているとは、スゴいな!と思いました。
 
でも、後になってよく考えたら、先生の仕事は、「留学生を相手にすること」です。つまり、「いろんな国の留学生の話す英語のクセを知り尽くしたエキスパート」なのです。
 
だから、どんなにいい加減に話されても、言おうとしていることが分かるのです。
 
言い換えれば、「先生だからこそ、彼らの話す英語を理解できる」ということになります。
 
「先生に通じる=他のネイティブにも通じる」とは限りません。
 
(実際、それを証明するような出来事が、僕がカナダに滞在中にありました。それはまたの機会にご紹介します)
 
こういうことが分かるようになったことで、僕は焦りと恐怖がなくなっていくのを感じました。
 
そして、次第に「自分らしさ」を取り戻していきました。
 
・・・つづく。
 
 

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From  師範代Shinya(新村真也)

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