From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
「話せる実感」は、この3つの条件が大きく影響します。
・話の内容
・相手の話し方のクセ
・一緒にいる人(日本人)の英語力
です。
「ネイティブ男性2人+日本人帰国子女女性1人+長期海外滞在経験者女性1人」
のグループの中に入った状況で、この3つが僕にどう作用したのか?を、今回の記事で詳しくお伝えします。
まず、僕はこの4人の会話にまったくついていけませんでした。
トータル1時間の昼休みの中で、「話せた実感」はほぼゼロでした。
英検1級に合格したばかりで自信をつけていた僕にとって、この出来事はかなりヘコみました。
と同時に、改めて「話せる実感」が英語力のアップダウンに直接関係しないことを実感しました。
話の内容
僕が昼休みに一緒になったグループのメンバー構成は、
「大学を出たばかりの20代前半のネイティブのアメリカ人男性2人」
「アメリカからの帰国子女の日本人女性」
「アメリカの高校&大学を卒業している日本人女性」
という感じでした。当然、話のトピックは「アメリカの若者のトーク」になりました。
話の内容は、「アメリカで流行っているミュージシャンやドラマの話題」や、「アメリカあるあるネタ」などでした。
僕は、アメリカに住んだ経験もないし、旅行した経験すらありませんでした。
アメリカのドラマなんて、超有名で懐かしの「フレンド」ぐらいしか知りません。
僕には彼らのトーク内容がさっぱり分かりませんでした。
たまに話題を振られても、そもそも何を聞かれているのか分からないし、僕が好きな日本のミュージシャンの名前を出しても、日本人女性2人は知らないようで、まったく盛り上がりませんでした。
まだ世代が近ければ日本人女性との共通の話題が見つかったかも知れません。
でも、僕らは10才以上の年齢差がありました。僕の好きなミュージシャンが活躍していた頃には、2人はアメリカで現地の生活にどっぷり浸かっていたようで、僕の振った話題はまったく通じませんでした・・・
そういえば僕も、3ヶ月間カナダに滞在してから日本に帰ってきたら、新しい芸能人やミュージシャンが話題になっていて、日本人同士の会話についていけなくなったのを思い出しました。
相手の話し方のクセ
若いネイティブ男性2人は、かなりの早口で、しかもスラング(俗語)を連発してきました。
これは個人差があるとは思うのですが、ものすごく早口なのです。そして、しっかり発音しません。
もちろん、レッスンの時には話し方を変えていると言っていましたが、ふだんのしゃべりはいかにも「アメリカの若者」という雰囲気でした。
これは日本でもそうだと思いますが、若者の話し方は、
・言葉をはしょる
・俗語を入れる
・ハッキリ発音しない
という3拍子が揃っています。それが、「カッコいい」雰囲気を出すのです。
もちろん、若いネイティブがみんなそういう話し方をするわけではありませんが、少なくとも僕が一緒にいたメンバーはものすごく聞き取りづらいと感じました。
一緒にいる人(日本人)の英語力
僕と一緒にいた日本人女性2人は、ネイティブの若者のしゃべり方をマスターしていました。
ネイティブ男性2人の速いペースの会話に、完全に合わせられていました。
彼らの話す英語を完全に聞き取っていて、それに対する返しもスピーディーでした。
ひと言で言えば、女性2人とも「ネイティブレベル」の英語力だったのです。
そんな中に入ってしまった僕は当然、ついていけるわけがありませんでした。
この3つの条件を変えたら・・・
そんなツラい体験をした僕は、次の回の研修から、「昼休みを一緒に過ごす相手」を自分から選ぶようにしました。
たまたま研修中のテーブルで一緒になったグループのネイティブメンバーが20代前半の若者だった場合、彼らと一緒にランチに行かないことにしたのです。
代わりに僕は、他のテーブルにいる「年上のネイティブ男性」に声をかけてみました。
僕が当時35才で、彼は40才ぐらいでしたが、やはり20代前半の若者のノリについていけないと感じていたらしく、ひとりでランチに行こうとしていました。
僕が声をかけたら、スゴく嬉しそうにしてくれました。
そのネイティブ男性と2人でまったり話す昼休みは、前回とは全く違った雰囲気になりました。
僕らの話題は、
・これまでに経験してきた、英会話講師以外の仕事の話
・英会話講師に転職して感じた、他の仕事との違い
・人生このまま現状維持でいいのか?
などを話し合いました。その結果、とても濃い時間を過ごすことができました。
僕の中で「話せた実感」は200%でした。僕よりキャリアの長いその男性とのトークからは、とても貴重な学びをたくさんもらいました。
もし、僕が同じトピックを前回の20代前半の若者ネイティブに振っていたとしたら、たぶんここまで盛り上がらなかったでしょう。
「英語で話せる実感」というのが、話題に大きく影響されることを、この時僕は改めて実感しました。
・・・つづく。
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