From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回のまでの記事では、英語学習8つのステージのうち、最後の「ステージ⑧落ち着き期」の中のさらに細かいステージ1~2までを解説しました。
今回は、僕がこれまで出会った「達人タイプ」の中で、おそらく日本人が行き着ける最高ステージの8-3をご紹介します。
ステージ8-3 同時通訳レベル
このステージ8-3は、これまでの8-1、8-2とは「別格」と言っていいかもしれません。
8-1、8-2は、あくまで「ネイティブ相手に英語を使う」というシチュエーションでのレベル分けでした。
つまり、「英語だけで話す」という状況でどれだけ力を発揮できるか?です。
頭の中を英語モードに切り替えて、スーパーサイヤ人状態を維持しながら話していきます。
対して、僕が考えるステージ8-3の人は、「同時通訳者」です。
同時通訳者の人は、英語と日本語を瞬間的に行ったり来たりする能力が必要です。
これは、同時通訳の経験をしたことがある人なら分かると思いますが、
「日本語と英語の両方を話せること」
と、
「日本語と英語を同時に通訳しながら話すこと」
は、まったくの別物です。
頭の中のCPUにかかる負荷が全然違うのです。おそらく普通に英語だけを話す時の3倍以上の処理速度が必要です。
そもそも、英語と日本語は文法が真逆と言っていいほど違います。
結論を先に言う英語と、結論を最後に持ってくる日本語。
この2つの言語を同時通訳するためには、相手の話を聞きながら、何を言おうとしているのか?を先回りして通訳する必要があります。
これは、単に「英語が話せる」のとは別物のスキルです。
僕の体験談
僕も一時、同時通訳の仕事で苦労したことがあります。
英会話スクールで働いていたとき、週2回あるミーティングはすべて「同時通訳」で行われていました。
「日本語が分からないネイティブの先生」と、「英語が話せない日本人のスクールマネージャー」が参加するミーティングでは、唯一のバイリンガルである「日本人講師」が頼みの綱になります。
そのため、僕ら日本人講師が持ち回りで会議の同時通訳をしていました。
「え?英会話スクールで働いている人はマネージャーも含めてみんな英語が堪能なんじゃないの?」
と思われるかも知れませんが、実はそうではありません。講師ならある程度の英語力は必要ですが、マネージャーに必要なのは「マネジメント力」です。
もし、マネージャーの採用枠にまで高い英語力を求めた場合、人が全然集まらなくなって人材不足になってしまうでしょう。
英語で会議をするために必要な最低限の英語力は、TOEIC730点以上と言われていますが、その点数を取れる人は受験者全体の中でたったの23%です。
TOEIC受験者のうちで上位2割の人の中で、「外資系ではなく英会話スクールで働こう」と思う人の割合、そして「英語の先生ではなくマネージャーとして働こう」と思う人の割合は、どのぐらいでしょうか?
もし、英語力で足切りしてしまったら、まったく人が集まらなくなってしまうでしょう。
そんな理由で、多くの英会話スクールでは日本人の先生が同時通訳をしているケースが多いのです。
「英語を話すスキル」と「同時通訳のスキル」と「英語を教えるスキル」はまったくの別物
僕が会議の同時通訳を経験して感じたことは、
・英語を話すスキル
・英語を教えるスキル
・同時通訳のスキル
はそれぞれまったくの別物だということです。必要とされる要素が違います。
・英語を話す時には、相手のネイティブの話す英語と自分のスピーキングだけにグッと集中する感じです。
・英語を教える時には、自分の話を聞いている人の今の英語レベルと理解度をチェックしながら、相手に合わせた言葉を慎重に選んでレッスンを進めていく感じです。
・同時通訳をする時には、話している人の口ぐせや話し方のパターンを読み取って、常に先回りしながら
英語→日本語、日本語→英語、という感じで話していきます。その先読みを「2人分同時に行う」のです。
この3つを経験した僕の感想としては、「言語能力の高さ」という点では、英語と日本語の間を瞬時に行ったり来たりする同時通訳の作業が、最も脳内の負荷が高いと感じました。
・・・つづく。
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