※2021年11月5日発売の新刊本、「英語の前置詞使い分け図鑑」のレビューの続きです。
前回までの記事では、僕が読んでみて感じた、この本の魅力トップ5のうち、
①イラストを使った「イメージ」で、前置詞を学べる。(日本語訳を介さずに、前置詞が理解できる)
②会話でよく使われる「熟語」も一緒に覚えられる。
③例文がシンプルで、イメージが湧きやすい。
までを詳しく解説しました。
今回は、4つ目を詳しく深掘りしていきます。
④1つの前置詞が持つ何種類かの「派生イメージ」も、1つずつイラストで丁寧に解説している。
前置詞の基本イメージは1つですが、そこから派生するイメージもあります。
たとえば、in という前置詞の基本イメージは、「囲まれ感」です。
箱の中にすっぽり囲まれて、いるような状況です。
前置詞のイメージはシンプルなので、そこから広がるイメージもバリエーションが豊かになります。
たとえば、このinが持つ「すっぽり囲まれた感覚」は時間表現にも使われます。
in the morning =午前中
・午前という幅のある時間帯の中に包まれている感覚。
in January = 1月に
・1ヶ月分の幅のある期間の中に包まれている感覚。
in (the) summer = 夏に
・夏という幅のある期間の季節に包まれている感覚。
という感じです。
ネイティブはこういった「時間や期間の幅」を感じながら、in を使っています。
手段・方法にも in が使える
手段・方法を表す前置詞と言えば、おそらく日本では by が一番有名でしょう。
学校英語では、受け身表現と一緒に「by = ~によって」という表現を授業で多く教わります。
さらに、受け身とbyのセットはテストにもよく出ます。
その結果、英会話の最中にも、日本語の「~によって」「~で」に相当するところを、すべて by で表現したくなってしまうのです。
でも実は、手段&方法は by の専売特許ではありません。
in にも同じイメージがあるのです。
「英語の前置詞使い分け図鑑」のテキストの中から引用します。
↓↓↓
(引用:38ページ)
speak in English(英語で話す)は、英語という空間の中で話をすること、go there in a taxi(タクシーでそこに行く)はタクシーに乗って行くことですが、この場合の in は手段や方法を表します。
Write your name in pencil / pen.(鉛筆 / ペンで名前を書きなさい)の in pencil や in pen も手段を表しますが、どちらも冠詞の a を付けずに、不可算名詞扱いにしていることに注意してください。
with a pen と in pen との違いについては、P.175を参照してください。
(引用終わり)
というような解説があります。
これは、中上級者でも「へぇ~!」と新しい気付きがある部分ではないでしょうか?
特に with と in の違いは気になりますよね?
詳しい解説のある175ページは、テキストを買って読むか、本屋さんで立ち読みしてチェックしてみてください。
ちなみに、この先のページでは、実戦的な例文が出てきます。
たとえば、
How much is it in dollars?
「ドルでいくらですか?」
(ドルという「手段」で)
Don’t talk in a loud voice.
「大きな声でしゃべらないこと」
(大きな声という「手段」で)
など、英会話ですぐ使えそうな例文が4本並んでいます。
in = 囲まれ感、包まれ感
という基本イメージを知るだけでは、自力でここまで派生イメージを広げるのは難しいでしょう。
でも、こうして派生イメージの詳しい解説を聞けば、「あ~!なるほどね!」と納得できます。
そして、基本イメージと派生イメージのつながりが意識できるようになって、
「なぜ、この文脈で in が使われるのか?」
という謎が解けるようになってくるのです。
イメージで覚えることで、記憶のフックに引っかかりやすくなり、忘れにくくなります。
このテキスト「英語の前置詞使い分け図鑑」には、こういった前置詞の派生イメージが、1つ1つ丁寧に解説されています。
派生イメージのバリエーションは前置詞によって変わりますが、この本では前置詞1つにつき3個~7個の派生イメージ解説があります。
そのすべてにイラストと詳しい解説、そして実戦的な例文付きです。
次回は、最後の5つ目の項目、
⑤1つのイメージにつき、同じ3ステップで解説してるので、すべての前置詞を同じ流れで身に付けられる。
を深掘りしていきます。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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