From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
英語が自由にしゃべれるようになるまでに誰もが通る5つのステージをお伝えするシリーズ記事です。
前回の記事では、
「スーパーサイヤ人(TOEIC900点以上)になっても、日本語をしゃべっているときと同じ感覚で英語をしゃべれるようになるわけではない」
という、「不都合な真実」をお伝えしました。
とはいえ、このレベルになれば、英語初心者~中級者の人から見たら、「めっちゃペラペラだ!」という状態に見えます。
実際、英語でコミュニケーションを取るのに苦労することはほとんどなくなってきます。
2~3時間くらいの長さの会話であれば、フルパワーを出しながら、社会問題~恋バナまで、幅広いトピックでネイティブと会話できるようになります。
ただし、それでも英語をしゃべっている時は日本語をしゃべっている時とは感覚が違います。
やっぱり、日本語よりも英語をしゃべる時の方が脳内に高い負荷がかかっています。
ちなみに、TOEIC900点以上を取っていても、会話となるとさっぱり・・・という人も多くいますが、そのタイプの人は、単に「瞬間英作文」のトレーニングをやったことがなかったり、途中で辞めてしまったりしているだけなことが多いです。
元の力はかなりあるので、瞬間英作文トレーニングをすれば、割と短期間で会話力をアップできます。
3つのトレーニングメニュー
僕自身は、この3つのトレーニングをやりました。
①「イメージ英文法」を使って文法や英単語の知識をネイティブ感覚でインストール
②音読トレーニングで「知識」を「技術」に変えながら、せっせと脳内に英語ストックを仕込み続ける
③瞬間英作文トレーニングで、脳内の英語ストックを瞬時に引き出す筋肉を鍛える
というメニューでした。
①&②は、主にリスニングに力を発揮します。
③は、自分の言葉で話す力=スピーキング力に力を発揮します。
この3つの方法を使ったトレーニングで、実際に僕がどんな感じで英会話力が伸びていったのか?
僕の脳内はどうなっていったのか?
それを、言葉にしてお伝えします。
まず、全部で5つのステージを通りました。
ステージ①超ゆっくり&不正確
この時期は、まだ脳内に英語ストックが十分に蓄えられておらず、中身がスカスカの状態でした。
相手の言っていることもあまり理解できませんが、自分で話すとなると、もっとキツかったです。
いざしゃべろうと思っても、カンタンな英単語すらなかなか出てこなくて、言われると「あー!その単語知ってたのに!」と叫びたくなる気持ちでした。
ステージ①では、頑張ってしゃべってみるものの、文法的なミスが目立ちます。すごくカンタンな英文法でさえも、よく間違えました。
たとえば、
Where are you from?
と言いたいのに、
Where do you from?
と言ってしまったり・・・
このステージでは、たいしてしゃべれない割に、精神力はものすごく消耗します。わずか5分の英会話でも、汗びっしょりになりました。
この頃の僕の脳内は、こんな感じです。
①相手の言葉を聞く
↓↓↓
②自分が言いたいことが日本語で頭の中に出てくる
↓↓↓
③脳内で全文を瞬間英作文する(所要時間:10秒以上)
↓↓↓
④出来上がった全文を口から出す(文法メチャクチャ)
ステージ②超ゆっくり&正確
この時期になると、瞬間英作文トレーニングでやった文法の型に関しては、正しい文法が作れるようになります。
音読トレーニングの成果も徐々に出始めてくるので、リスニング力が上がってきます。
ただし、反応するには時間がかかります。
聞き取れるけど、しゃべるのにはすごく時間がかかります。
ふだんの瞬間英作文の練習ではすぐに出てくるフレーズも、実際にネイティブと対面で話すときには、なかなか出てきません。
頭をフル回転させても、反応スピードは練習の時の5分の一くらいです。秒数で言うと、練習の時には1~3秒以内でできるのに対して、会話では5~10秒かかります。
この時の僕の脳内は、こんな感じでした。
①相手の言葉を聞く
↓↓↓
②自分が言いたいことが日本語で頭の中に出てくる
↓↓↓
③脳内で全文を瞬間英作文する(所要時間:5~10秒)
↓↓↓
④出来上がった全文を口から出す
という感じです。ステップ③で時間がかかるので、止まっている時間がけっこう長いです。
ステージ③早い&正確
この時期になると、脳内の瞬間英作文の速度が上がってきます。ただし、脳内でやっていることはステージ②と同じです。
ステップ③の瞬間英作文のスピードが、練習時の50%以上(1~3秒)にまで上がってくるので、会話のキャッチボールがスムーズに流れ始めます。
①相手の言葉を聞く
↓↓↓
②自分が言いたいことが日本語で頭の中に出てくる
↓↓↓
③脳内で全文を瞬間英作文する(所要時間:1~3秒)
↓↓↓
④出来上がった全文を口から出す
このあたりから、僕とネイティブの会話を聞いた他の日本人から、「スゴい!ペラペラですね!」
と言われる機会が増えてきました。
そう言われて気分が良くなるのですが、自分の中では「まだまだだな・・・」と感じていました。
この時期になると、「聞ける内容」と「しゃべれる内容」のギャップを強く感じるようになります。
けっこう複雑な内容の文章を聞けるようになってくるのに、いざ自分がしゃべる時には、短い文章を並べるだけです。
それでも十分に会話は成り立つのですが、内心では「もう少し洗練された会話をしてみたい!」という欲求が生まれ始めます。
次回は、ステージ④&⑤の「脳内の世界」をお伝えします。
・・・つづく。
コメントを残す