From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、街ですれ違う外国人の会話が聞き取れない理由のひとつ、「いいかげん発音」を詳しく検証しました。
今回は、「③話の流れ」を見ていきましょう。
話の流れ
街ですれ違う人たちの会話は、ほとんどが「断片的」です。
話の途中から耳に入ってきます。
当然、最初から聞くのに比べると難しく感じます。これまでの流れを推測しながら、今の会話を理解する必要があるのです。
それはまるで、映画やテレビドラマを途中から見るようなものです。
映画やドラマが始まってから半分ぐらい過ぎたあたりで、登場人物のセリフだけを聞き取っても、前後の文脈が分からないと意味が取れません。
これは、リスニング力の問題ではないのです。
まとめ
以上、トータル3回に渡って、「街ですれ違う外国人の会話が聞き取りづらい理由」をお伝えしてきました。
もう一度まとめると、
「①内輪ネタ&スラング」が連発される会話は、本人達しにしか分からない内容になっていることが多いので、たとえその会話をネイティブが聞いたとしても、理解できないかもしれません。
「②いいかげん発音」で話される会話は、その人たちの話し方や発音のクセを理解している家族や友人以外の人たちには聞き取りづらいかもしれません。
「③話の流れ」が分からないまま断片的にセリフだけを聞き取ろうとしても、何を言っているのか理解できないことがあります。
ためしに、①と③を「すれ違った人でも聞き取りやすいように」修正したら、どうなるでしょうか?
すれ違った人が聞いても分かるセリフ
このトピックの記事の1話目で、僕の妻との会話の例を出しました。
その時の僕のセリフはこんな感じでした。
↓↓↓
「今日のコウちゃんの出版記念講演でさ、お忍びでお客さんとして来てたジンさんがステージに登場して、すごい盛り上がったよ。俺もいつかパーシモンホールでセミナーやってみたいなぁ・・・」
このセリフの中の、「①内輪ネタ&スラング」と「③話の流れ」を修正して、すれ違った外国人の日本語学習者にも聞き取れるようにしてみましょう。
↓↓↓
「今日、作家で講演家の本田晃一さんが、新しい本を出すのを記念するイベントに行ったよ。
そこにこっそりお客さんとして来てた、心理カウンセラーの心屋仁之助さんがステージに登場したんだ。
心屋さんがステージに来た瞬間、お客さんはすごい盛り上がったよ。
俺もいつか同じ会場のパーシモンホールでセミナーをやってみたいなぁ・・・」
いかがでしょうか?
このセリフを電車の中ですごく滑舌良くゆっくりしゃべったら、きっと隣の席に座っている外国人の日本語学習者にも、僕らの会話内容が聞き取れる確率がアップするでしょう。
でも、僕がこのセリフをそのまま妻に言ったら、聞いた妻は「不自然」だと感じるはずです。
「そんな説明しなくても分かってるよ」
と思うでしょう。
話す相手が初対面か?顔なじみか?は、発音やセリフ回しに決定的な違いを生みます。
外国人の顔なじみ同士が話している内容を、隣の席に座った僕らが聞き取ろうとするのは、かなり難しいのです。
街ですれ違う外国人の会話を聞き取ろうとしてはいけない理由
正確に言うと、「聞き取ろうとしてはいけない」というより、「聞き取れるかどうか?を自分の英語力と結びつけない方が良い」ということです。
やっぱり英語学習者としては、街ですれ違う外国人たちの会話は気になってしまいます。
無視しようとしても、耳に入ってきてしまうでしょう。
僕の提案は、
「自分の英語力ジャッジに使おうとせずに、ただ純粋に好奇心から聞き取ろうとしてみる」
ことです。すると、10回に1回ぐらいの確率で100%聞き取れることがあります。
その時の喜びは、計り知れません!
「やったー!!」
と叫びたくなります。
そして、彼らの中に飛び込んでいきたくなります。(実際にやったことはありませんが)
以上、3回に渡って、「街ですれ違う外国人の会話を聞き取ろうとしてはいけない理由」をお伝えしてきました。
自分の英語の上達を測る基準は、他人の会話のような「生モノ」ではなく、あくまで「過去の自分を少しでも超えているか?」を基準にすることをオススメします。
昨日の自分が知らなかった英単語を、今日新しくひとつ覚えたら、それが進歩です。
過去の自分を少しずつ超えていった先に、あなたの望む英語力を手に入れている未来があるのです。
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