まるで、アメリカのスラム街に迷い込んでしまったような状況に、僕は焦りました。
きっと海外旅行で「旅行者が行ってはいけない危険地帯」みたいな場所に行くと、こういう目に遭うのでしょう。
海外だったら、多くの場合は金銭目的です。
サイフを渡せば、助かる確率も上がります。
でも、ここは日本です。
そして、相手の要求は金銭ではなく、「プライド」でした。
お好み焼き屋さんの中の窓から、ウッチー&Y君にガンをつけられて、「ナメられた」と思ったヤンキー3人組が、仲間を呼んで9人で取り囲み、「俺たちをナメんじゃねーぞ!」とスゴんできているわけです。
この場を丸く収めるためには、相手に「ナメてないですよ」と伝えることです。
さらに細かく言えば、「最初はナメてたけど、こんなに人数呼ばれるとは思ってなかった。今はナメてないですよ。」と伝えることです。
ところが、当時は高校生で強気だったウッチーは引き下がりませんでした。
ウッチー:「おめー何年だよ?」
不良リーダー:「は?何年だっていいだろ?」
ウッチー:「だから年何だよ?俺は高2だ!」
という、「年齢マウント」を取るための押し問答が続きました。
ウッチーは、自分が年上だと推測して、強気な姿勢を貫こうとしているようです。
一方でY君は高校1年生なので、不良グループ少年たちと同い年か年下だと思われます。
Y君は、固まった表情で静かにしていました。
僕はここで年長者として、何とかこの場をとりまとめなければならない!と思いました。
怒っている相手をなだめるコツ2点
僕は、高校時代にヤンキーのクラスメイトたちがどんな行動をしてきたか?を高速で思い出そうと必死になりました。
今のような一触即発状態から、
A:実際に殴り合いのケンカになった時のパターン
B:何とか話し合いで丸く収まった時のパーターン
の2点の違いを思い返してみました。
身の安全を最優先にしている場合、当然Bの方が良いです。
Bの状況になるためには、怒っている相手に対して、ひたすら謝るのがベストだと思われがちです。
でも、謝り方にもコツがあります。
やってしまいがちで逆効果なパターンは、おどおどしながら、ひたすら平謝りすることです。
「す、す、す、すいませんでした~」
「た、た、た、助けてください~」
というように、あまりに弱気な姿勢を見せると、逆に相手の怒りに油を注ぐことにもなることもあります。
これは、攻撃性の高いイジメっ子相手の時だけではありません。
あまりにオドオドした態度を取る人を見続けたり、接し続けていると、なぜか分からずイラッとして、自分の心の中に攻撃性が芽生えるのを感じたことはありませんか?
これは心理学的にも証明されていて、わざと弱気な態度を取り続けると、人間の心の中にある怒りや攻撃性を増幅させて引き出すことになるそうです。
だから、怒っているヤンキー達に対して、オドオド系の平謝りは逆効果です。
平謝りがダメなもう1つの理由
もうひとつ、平謝りがダメな理由があります。
それは相手が、「自分の気持ちを理解していない」と思うからです。
いくら表面上で「すいません、すいません!」とペコペコされても、
(どうせこの場を丸く収めたくて、ただ「すいません」を連発してるだけだろうな。俺が怒っている理由なんて、まったく理解していないに違いない)
と思ったら、許す気にはなれません。
だから、平謝りはNGなのです。(ちなみに夫婦ゲンカでも、同じ心理が働きます)
ということは、相手の怒りを収めようと思ったら、この逆をやれば良い、ということになります。
相手の怒りを丸く収める2ステップ
怒っている相手をなだめて、その場を丸く収めるために必要なことは、
①おどおどした態度を見せない。
②すぐ謝らず、まずは相手の話を聞く。
という2点です。
相手が怒りのパワーで押してきた時には、毅然とした態度でいったん押し返してから、相手の気持ちに心を向けることが必要なのです。
もちろん、僕がこの心理学的な法則を本で読んで知ったのは、ずっと後になってからでした。
ただ、自分が高校時代にヤンキー生徒たちが一触即発状態から殴り合いになるか?ならないか?を分けていた理由は、何となく感覚的に分かっていました。
お互いに胸ぐらをつかみ合って、至近距離で威嚇し合っている状態でも、本人達がしっかり言葉を交わして長めの会話が続いた場合は、誤解が解けてスーッと離れていくことがありました。(レアなケースではありましたが)
そこで僕は、この場で一番の年長者として、この2つのステップを実行してみることにしました。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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