【中南米のダンス・サルサの世界22ダンス編157】

 
From  師範代Shinya(新村真也)
 
 
※僕が20代の頃、初めてサルサダンスを経験した時の体験談の続きです。ダンス編は毎週日曜日に更新中。

 

サルサダンス習得へのモチベーションが大きく上がらなかった僕は、おそらく他の男性がやっていないことを試してみました。

それは、「女性役をやって、女性がサルサを踊っている時の気分を味わう」というものです。

この逆パターンはよく見かけました。

僕が通っていたスクールでは女性の比率が高かったので、女性同士で組んで、片方が男性役をするケースが多くありました。

でも、逆パターンは見たことがありませんでした。

そこで僕は、クラスメイトの男性Dさんにお願いしてみました。

Dさんは僕より2才年上で、サルサ歴が長く、スクール内でもトップクラスの上級者でした。

Dさんは英語の上級者でもあり、TOEIC900点&英検1級ホルダーで、大企業で英語を使う専門職をしていました。

英語も上級、サルサダンスも上級、さらに背が高くてスラッとしているDさんは、僕が憧れるものを何でも持っていたのです。

僕は、サルサレッスンの休憩時間にDさんに声をかけてみました。

Dさんのリアクション

僕:「Dさん、ちょっとお願いがあるんですけど・・・」

Dさん:「おっ!なんだい、シンちゃん!」

僕:「女性がサルサを踊っている時にどんな感じか味わいたいんですけど、俺と踊ってくれませんか?」

Dさん:「え~、男と手をつないで踊るの?イヤだよ~」

僕:「そう言わずに願いしますよ~。俺、サルサ踊ってる女性がうらやましいんですよ。動きが派手だし、男性に身体を預けて気持ちよさそうだし。」

Dさん:「確かに、それは聞いたことあるな。重力に逆らうような動きがあるから、ジェットコースターみたいで気持ちいいらしいよ。」

僕:「そうなんですか!それは味わってみたいです!」

Dさん:「でも、俺は男とは踊らんよ!」

僕:「お願いしますよ~!俺、最近モチベーションが落ち気味なんで、ここで女性の気持ちを味わって、サルサの魅力を再確認したいんですよ。」

Dさん:「男にとってのサルサの魅力はそこじゃないでしょ!女性をリードすることに幸せを感じないと!」

僕:「俺は自分が回りたいんですよ。」

先生のヘルプ

そのやりとりを見ていた先生が、僕のヘルプに入ってくれました。

先生:「何よD君~!そう言わずにやってあげれば?」

Dさん:「え~マジで?イヤだよ~!」

先生:「本当は私が男性役をやってあげたいけど、筋力はD君の方が強いから、うまくいくと思うんだよね。男性同士で踊ってるの見たことないから、私も見てみたいし!」

先生はDさんと同い年ぐらいの女性で、いつも元気で声が大きく、ストレートにものを言う性格タイプです。

先生が大きな声でDさんとやりとりしているのを聞いて、クラスメイトたちも気になったらしく、集まってきました。

みんなニコニコしながら、

「Dさん、私も見てみたいです!」

「Dさん、お願いしますよ~!」

と言い始めました。

それを見たDさんは、みんなの期待にプレッシャーを感じたようです。

Dさん:「え~なんだよもう~みんなまで。しょうがないな~。じゃあ、ちょっとだけね。」

そう言いながらも、Dさんは注目を浴びてちょっと嬉し恥ずかしな表情をしていました。

僕:「ありがとうございます!」

先生:「よっ!さすがD君!!」

そう言いながら先生は拍手しました。

すると、クラスメイトも全員、拍手を始めました。

こうして、僕の実験は大ごとになりました。

大々的な実験

最初は休憩時間に個人的にDさんに声をかけて、スタジオの片隅でちょっとやってもらう予定でした。

でも今は、スタジオの中央で、先生とクラスメイト全員が見守る中で、Dさんと踊ることになったのです。

ここまで来たら逆に、色んな技を試してもらうことができそうな雰囲気です。

僕が以前からサルサパーティーで見たことがあった、「上級者だけが使っているアクロバティックな動き」を受けてみるチャンスかもしれません!

思いがけず巡ってきたチャンスに、僕はワクワクしてきました。

 

・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む

 

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