【僕が「習い事」に感じた夢と希望:ダンス編44】

 
From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が24才の時にHIPHOPダンススクールに通い始めた頃の体験談の続きです。
 
 
ホールでの発表会が決まってからは、毎週のレッスン中の振り付けのやり方が変わりました。
 
 
それまでは、1レッスンにつき1つの曲に合わせて1つの振り(30秒~1分ぐらい)を覚える感じでした。
 
 
来週はまた違う曲でぜんぜん違う振りをやる、という流れでした。
 
 
でも発表会が決まってからは、ずっと同じ曲で毎週練習する形式になりました。
 
 
1レッスンで30秒~1分ぐらいの振り付けをして、次の週のレッスンでは、同じ曲で続きの振り付けをします。
 
 
何週間かかけて1曲を最初から最後まで踊れるようにする、という流れです。
 
 
発表会に出るのは強制参加ではありませんが、発表会に出るか出ないかに関わらず、クラスでは全員同じ振りを練習します。
 
 
ところが、しばらくして事件が起こりました。
 
 
 

先生がお休み

 
ある日、先生がレッスンをお休みしました。
 
 
今までにも何度か急用でお休みする日があったので、そんなに気にしていませんでした。
 
 
ダンサーの先生の多くは、教えることが専業ではありません。
 
 
現役でダンサーとして活動しつつ、教えているケースがほとんどです。
 
 
ダンサーとしての仕事の多くは、歌手のコンサートのバックダンサーや、ミュージックビデオの撮影です。
 
 
そして、芸能界はスケジュールが突然決まります。
 
 
「明日、撮影が決まったんですが来れますか?」
 
 
とか、
 
 
「今夜の○○のコンサートのバックダンサーに欠員が出たんだけど、来れますか?」
 
 
というような、急な依頼が来ることが多いそうです。
 
 
そんな時のために、ダンサーの先生たちは代打の先生を用意しています。
 
 
ダンサー仲間同士で、お互いのレッスン代打をし合っているのです。
 
 
その場合、代打の先生は別のジャンルのダンサーになることが多いです。
 
 
同じジャンルのダンサーや同じチームメンバーの間で代打を組むと、「みんな同時にチーム出演!」となった時に、誰もレッスン代打ができなくて困るからです。
 
 
僕らのHIPHOPクラスのY先生も、ジャズダンスが専門のH先生を代打にしていました。
 
 

ジャズダンサーのH先生

 
H先生は、これまでにもたまに来ていたので、馴染みがありました。
 
 
これまでの代打レッスンでは、ジャズっぽい振り付けをすることもありましたが、今は発表会の練習です。
 
 
今回は僕らに振り付けをするのではなく、すでにY先生が振り付けた僕らのダンスを見て、細かいアドバイスをする感じのレッスンスタイルでした。
 
 
ただ、今回はH先生の雰囲気がちょっと違っていました。
 
 
ちょっと緊張気味というか、今までよりも表情が堅めでした。
 
 
しばらくして、その理由が分かりました。
 
 

Y先生がケガ!

 
その理由は「Y先生が本番中にケガをした」ということでした。
 
 
これまでもY先生は腰を痛めていました。
 
 
慢性的な腰の不調は、プロダンサーあるあるだそうです。
 
 
Y先生も長いキャリアの中で腰痛がクセになっていて、今回はステージ本番中に腰に大きなダメージを負ってしまい、本番の日は何とか切り抜けたものの、その後は動けなくなってしまったとのことでした。
 
 
腰は一度ひどく痛めると、しばらく身動きが取れなくなります。
 
 
痛みが引いて日常生活が送れるようになるまでも時間がかかりますが、ダンスを踊れるようになるまでには、さらに時間がかかります。
 
 
長期離脱をしなければならなくなります。
 
 
今回のY先生のケガは、長期離脱の理由になるには十分なダメージだそうです。
 
 
つまり、発表会までには戻って来れない可能性が高くなってしまいました。
 
 
これは、僕らにとって大事件でした!
 
 
・・・つづく。
 
 
 
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