from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
【ヤフーニュースの記事】
英語力の有無で年収差は1.8倍 働くエリア制限なく 「仕事できるが・・・」は時代遅れ
の考察の続きです。
※元の記事リンクはこちらをクリック
前回の記事では、
「いくら英語が話せても、仕事ができなければ仕方ない」
「英語ができなくても、仕事ができれば大丈夫」
といった従来の日本企業の風潮が変わってきている、というお話を元に、僕の考察をお伝えしました。
実はもうひとつ、この記事の中に気になるものを見付けました。
(以下、NIKKEI STYLE記事より引用)
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実際、筆者がクライアント企業の新卒採用で面接官をしていると、一部上場企業などでは「TOEIC700点、800点」といった学生もよく見かけます。
仮に英語を使わない職場でも、上司もそのくらいのスコアは持っていて当たり前、と思われていても不思議はありません。
こうした若手からは、「海外勤務は本社のある日本から離れるので、将来の出世において不利になるのか」といった相談を受けることもあります。
20年前なら「海外勤務したいという強い希望がないなら、企業成長を感じられる日本で目の前の仕事をして昇格し、好きなことに取り組むべきだ」とアドバイスしたでしょう。
しかし最近は、とにかく海外勤務を勧めています。
ITをはじめとした技術進化が著しい海外で勤務をして、日本に帰ってこないくらいの働き方のほうが、成長を感じられて楽しいのではと思うからです。
仮に他国のほうが急成長している分野で働くとしたら、日本にいることがリスクになることもあるかもしれません。
成長市場で自分のスキルを磨きつつ、外国語を使わざるを得ない状況に自分を追い込んで語学力を高めるチャンスがあれば、どんどんチャレンジしたほうがよいでしょう。
語学力があれば、自分の働くエリア(国、地域)の制限が取り払われます。同時に、マネジメントするメンバーの幅も広がります。
語学力は年収だけでなく、自分の成長に大きく関わるものなのです。年齢にかかわらず、積極的に挑戦することをお勧めします。
(引用終わり:ライター:人事コンサルタントの天笠敦さん)
僕はこれを読んで、自分が31歳でカナダに3ヶ月間ビジネス留学体験をした時のことを思い出しました。
たしかに、ここで天笠さんが書かれていることは、僕が留学した時に体験したことを言い当てていました。
留学生や海外勤務が不利だった頃
僕はカナダ留学をする3ヶ月の休みを取るために、仕事を辞めました。
日本企業では、3ヶ月も社員に休みを取れる仕事はほとんどありません。(よほど大きなホワイト企業でない限り)
それに、せっかく海外で働く経験をして帰ってきても、以前と同じ職場で同じ仕事をしたら、3ヶ月後にはまた日常の感覚に戻ってしまうでしょう。
それでは単なるリフレッシュ休暇みたいな位置づけになってしまう気がしました。
どうせなら、留学を期に大きな方向転換をして、これまでとはまったく違った方向に進みたいと思いました。
少なくとも、「一緒に働く仲間が日本人だけ」という職場は避けたいと思いました。
ところが、帰国してからの転職活動は思った以上に大変でした。
練りに練った履歴書とカバーレターを、海外と取引のある色んな企業に送りましたが、なかなか採用されませんでした。
僕は留学エージェントを通じて留学したので、帰国後の就職支援サービスも受けました。
その留学エージェントでは、留学生向けの就職セミナーや個別面談などが充実していました。
そこでは、留学経験を活かして働く方法を教えると同時に、現実の日本企業の風潮なども、包み隠さず教えてくれました。
僕がそこで学んだことは、「学生も社会人も、一度日本を出てから帰ってくると、なかなか働き口を見付けづらいんだな」ということでした。
学生であれば、日本の新卒採用のタイミングと海外の大学の卒業のタイミングがズレているので、とても不利だということでした。(海外にはそもそも、新卒採用という概念すらないようです)
僕のような途中転職組であれば、「日本での仕事のキャリアが途切れなく続いていること」が、採用基準に影響することが分かりました。僕の場合は前職を退職してから、3ヶ月の準備期間と3ヶ月の留学期間があったので、トータル半年のブランクがありました。
この半年が、ネガティブに評価されることがあると知りました。たとえ自己成長のための期間だったとしても、日本ではあまり高く評価されないんだなぁ~と思いました。
すごくぶっちゃけた話では、「海外生活経験のあるやつは、自己主張が強くて扱いづらいから、職場の和を乱すかもしれない。避けとこう。」ぐらいに思われることもあるそうです。
これはおそらく、同じ企業内で海外勤務を経験した人達にも言えることなのかもしれない、と思いました。
何年か日本を離れて海外勤務してから帰国すると、周りから厄介者扱いされるような風潮があったのかもしれません。(職場の文化によるとは思いますが)
それが、今回の天笠さんの記事の中にある、
・20年前なら「海外勤務したいという強い希望がないなら、企業成長を感じられる日本で目の前の仕事をして昇格し、好きなことに取り組むべきだ」とアドバイスしたでしょう。
という部分に繋がっているような気がします。
お金だけじゃない自己成長感
もう1つ、僕がカナダで経験したことは、「海外で働くこと自体で自己成長を感じることができた」ということです。
僕がインターン生として入社したのは、バンクーバーのメトロタウンという、商業施設が建ち並ぶエリアにある、新しい私立の大学のマーケティング部門でした。
社内では、僕が唯一の日本人でした。
その私立大学はできたばかりの創業2年目だったので、とにかく新規顧客(学生)への認知度を高めることを最優先していました。
しかも、僕の配属されたマーケティング部門は、集客方法を毎日考えて実行する場所です。
職場には、スタートアップ企業の持つエネルギッシュな雰囲気が漂っていました。
社員1人ひとりが、「私がこの会社を伸ばしてやるんだ!」という意気込みで働いているのがビリビリ伝わってきました。
社内会議には、インターン生の僕も参加させてもらえて、意見も求められました。
しかも、その意見が採用されて、僕がそのプロジェクトを担当することになったのです。
入社したばかりのインターン生の意見が通って、しかもその全権を本人に任せるなんて、日本企業ではまずあり得ないことだと思います。
バリバリ働くのに、残業ゼロ
そんなバリバリした職場の雰囲気にもかかわらず、5時になった途端に、みんな素早く帰るのです。
社長も副社長も、5時になったらすぐ帰ります。
5時10分頃には、もう事務所はガラガラでした。
僕が仕事をしていると、帰り支度を終えたマーケティング部長が、「シンヤ、何やってるの?早く帰ろうよ!」とエレベーターのドアを開けて待ってくれている・・・という、これまた日本ではあり得ない状況を経験しました。
こういう公私のメリハリがあるところも、スゴいと思いました。
「期間限定のインターン生なんて、どうせ毎日雑用だけで終わるんだろう」
なんて思っていた予想を、大きく裏切られました。
毎日の成長が感じられることが、こんなに楽しいのか!と驚きました。
ずっとこのまま、カナダで働き続けたい!とさえ思いました。
(帰国前には副社長から「うちで正社員にならないか?」というありがたいオファーをきただきました。でも当時、僕は婚約していたので、後ろ髪を引かれつつ、日本に帰る決断をしました・・・その婚約相手とは結局別れることになるとは、この時には想像していませんでしたが・・・)
かけがえのない経験
今回の記事の中にある、
・ITをはじめとした技術進化が著しい海外で勤務をして、日本に帰ってこないくらいの働き方のほうが、成長を感じられて楽しいのではと思うからです。
・語学力は年収だけでなく、自分の成長に大きく関わるものなのです。
という部分に、僕はすごく共感しました。
お金は使えばなくなりますが、経験は一生なくなりません。
・自分が海外で「外国人」として生活した経験。
・自己成長を感じられる職場で働いた経験。
これらは、年収や安定とは違った喜びを、僕の人生に与えてくれました。
カナダでの経験、その後、英会話スクールで外国人講師たちと一緒に働いた経験は、かけがえのないものでした。
外国人とコミュニケーションするスキルは、日本人同士でコミュニケーションする時にも役立ちます。
また、海外経験は、長い目で見れば年収アップにつながりました。
まいた種が成長して実るまでには、時間差があります。
僕はすべての英語学習者が英語を使って仕事をしたり、海外で働く経験をした方がいいとは思っていません。
英語の楽しみ方は、人それぞれだからです。
でも、もし海外で働くチャンスがあるなら、やってみることで一生に残る思い出ができることは間違いないと思います。
今の自分が想像できる範囲を超えた、新しい世界が待っているかもしれません。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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