From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
「自分の細かいミスが気になってしまい、英会話の途中で何度も詰まってしまう」
という性格のAさん。
「細かいことを気にせずに、ブロークンでもいいからとにかく口に出して楽しくコミュニケーションを取るのがモットー」
という性格のBさん。
この2人が同じクラスでネイティブの先生の英会話レッスンを受けた場合、レッスン時間はBさんのペースで進むことになる確率が高い、というお話を前回の記事でお伝えしました。
AさんとBさんのスタート時の英語レベルが同じだった場合、英会話レッスンは性格的にはBさんの土俵寄りです。
同じレッスン時間でも、発話量はどうしてもBさんの方が多くなります。
もちろん、ネイティブの先生がベテランであれば、うまくAさんにも話題を振って話す時間を増やすように工夫してくれるでしょう。
ただ、Aさん自身が自分の話す英語とBさんの話す英語を比べて、ヘコむ可能性はあります。
僕のこれまでの経験上、Aさんタイプの人に「細かいことを気にせずに、とにかくスピーディーに話してみましょう!」というアドバイスをしても、あまり有効ではありませんでした。
「頭では分かってるけど、いざとなると自分のミスが気になってしまって、言葉に詰まっちゃうんです・・・」
というのが、Aさんタイプの人の本音です。
Aさんタイプの人は、あえて英会話をしばらく捨てて、自分が得意なルートで英語山を登った方が良い場合があります。
英語山のルートは、1つではありません。
・テストルート
・リーディングルート
・ライティングルート
・リスニングルート
など、たくさんあります。
Aさんタイプの人の場合は、あえてTOEICなどのテストルートから登ってみるのもアリです。
(逆にBさんタイプの人は、テストルートからは登らない方が良いです)
テストルートから登った人の体験談
以前、こんなことがありました。
Aさんタイプの性格の生徒の方に、あえてTOEIC受験をオススメしました。
Aさんは仕事でTOEICの点数が必要ないので、最初はあまり乗り気ではありませんでした。
でも試しに、一度受けてみることにしたのです。
最初の点数は400点台でした。初回としてはかなり良い方です。
Aさんは大学受験もしっかり経験していたので、その頃の知識が活かされたようでした。
Aさんは、「TOEICの問題を解くこと自体がおもしろく感じました」と僕に報告してくれました。
その後Aさんは、しばらくTOEICにハマって問題集を解くことに時間を費やしていました。
英会話レッスンには週1で通い続けていましたが、最低限の予習以外の時間は、TOEICの問題集を解いていました。
ふつう英会話の先生だったら、「TOEIC問題集だけ解いていても英語は話せるようになりませんよ!もっとバランス良く学習しましょう!」と言うところです。
でも僕は、あえてAさんのTOEIC学習を応援してみました。
Aさんがテストルートで英語山をある程度の高さまで登ったら、何が起こるか?
を実験してみたかったです。
AさんのTOEIC点数は着実に伸びていきました。
そしてなんと1年たたないうちに、AさんはTOEIC750点を取ってしまいました!
その後、何が起こったか?
Aさんの英会話レッスンでの姿勢は、「静かに他のクラスメイトの話すのを聞いている」という感じでした。
でも、TOEICで750点を取った後、Aさんの英会話レッスン中の姿勢が大きく変わりました。
積極的に自分から発言したり、分からない部分を英語で質問をするようになったのです!
次に僕が学習カウンセリングをした時に、Aさんはこんなことを言っていました。
Aさん:「TOEIC750点を取ったら、急に周りの人達の自分を見る目が変わったんですよね。上司も同僚も僕のことを『英語がデキる人』だと思うようになったんです。」
僕:「それはいいですね!」
Aさん:「それで今、海外からメールが来たり、電話が来ると、僕が頼られるようになりました。
メールならまだゆっくり返せるからいいんですが、電話ではすぐに返せないとマズいじゃないですか。」
僕:「たしかに!電話で声だけの英会話は、対面より難しいですよね。」
Aさん:「そうなんです。それに自分ではまだ会話力がTOEICの点数に見合ってないと感じているんで、何とか会話のレスポンスを上げたいなと。それで気合いが入りました。」
僕:「そうだったんですね!たしかに、もうやるしかありませんね!」
Aさん:「しかも来月は、海外出張のメンバーに入れられちゃったんです。もう、なりふり構っていられません!」
僕:「スゴいじゃないですか!生活が激変したんですね!」
Aさん:「そうなんです。こんなに変わるとは思っていませんでした。TOEICの影響力ってスゴいんですね(笑)」
その後Aさんは、人が変わったように英語を積極的に話すようになりました。
ロビーでもネイティブの先生に自分から話しかけるようになり、以前の寡黙なイメージからは想像もできないぐらい変化しました。
もし僕が最初の頃のAさんに「もっと積極的に英語を口に出しましょう!」なんてアドバイスしていたとしても、おそらくこんなに変化はしなかったでしょう。
Aさん自身が自分で「変わろう!」と思ったからこそ、変われたです。
そして、その変化のきっかけを作ったのは、TOEICだったのです。
・・・つづく。
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