
from 師範代Shinya
ファッション系YouTuberのMBさんのチャンネルです。
なぜよく見るかというと、解説がとても「論理的」だからです。
MBさんの動画を見ていると、僕は過去の仕事を思い出します。
それは、昔ジーンズショップで店長をしていた頃のことです。
オシャレは「センス」という空気があった
当時からファッション業界には、ある空気がありました。
それは
「オシャレはセンス」
という考え方です。
例えばお客さんから
「どうやったらオシャレになりますか?」
と聞かれても、当時の答えはかなり曖昧でした。
・この色がいいと思います
・この雰囲気がいいですね
・バランスがいいです
今振り返ると、かなり感覚的です。
店長が集まる月イチ会議でも、
「○○店長はファッションセンスが良いですね!」
「この業界で働いている以上、常にセンスを磨かないと!」
みたいなセリフが飛び出しました。
でも、僕にはこのセンスという言葉が、どうもしっくり来なかったのです。
誰もセンスのある無しをハッキリ言語化できないし、「理論」として説明することはできませんでした。
だから、どこかモヤっとしていたのです。
ちなみに、僕は店長仲間の間では「センスがない部類」に属していました。
先輩店長に「センスって何ですか?どうやって磨くんですか?」と聞いたら、
「センスなんて、服が好きなら自然に身につくもんだ!おまえはまだ修行が足りん!」
と言われました。
これは、英語学習の世界で言えば、
「ネイティブ相手に話しまくっていれば、ある日突然、自然に英語が聞き取れるようになり、口から英語が飛び出すようになる。そうなるまでガンバれ!」
と言われているようなものです。
僕はこういう感覚的な世界というか、根性論のようなものが昔からすごく苦手でした。
最初に就職した鉄工場でも、親方は口では何も説明しくれず、ただ黙々と作業する姿を僕に見せて、
「見て盗め」
と言われました。
そして、いざ僕がやってみると全然できずに、親方からヒザ蹴りが飛んできました。
僕は、この「説明なんてしなくても、感覚で理解しろ」的な世界が理不尽に思えて、すごく嫌いでした。
日本文化の「一を聞いて十を知る」的な価値観も、どうしても受け入れられなかったのです。
これは今振り返れば分かるのですが、「見て盗める人」は、ある程度の基礎知識やスキルが固まっている人だけです。
基礎があるから、熟練者がやっていることを見た時に、「あっ!これは○○と○○を組み合わせた応用だな!」と分かるわけです。
そうでなければ、何をしているのかまったく分かりません。
僕が鉄工場で親方のやっていることを見て理解できるようになったのも、1年後に自分で本を買って読んで基礎知識を頭に入れた後でした。
当時は親方から「最初から本買って勉強しろよ!」と言われたのですが、そもそもこの業界に本があって、勉強できることを僕は知りませんでした。
これと同じことが、ファッション業界でも行われていたのです。
ただ、ファッションの場合は雑誌を読んでも僕にはセンスは身につきませんでした。
なぜなら、ファッション雑誌の中には、ただのコーディネート例や服の値段ばかりが載っていて、
「何をどうしたら、オシャレ認定されるのか?」
「オシャレの定義は何か?」
という答えは何も載っていなかったのです。
ただ新しい服を買い揃えても、オシャレ認定されないことだけは分かりました。
でも、そのロジックが分からなかったのです。
カラーコーディネートの知識を入れたものの・・・
実は僕は、服飾業界に転職すると決めてから、「基礎理論を学ぶ」ことを始めました。
具体的には、カラーコーディネートの知識を身につけるために、資格の専門学校に通って、配色の勉強をしたのです。
最終的には、ファッションカラーコーディネーター検定の最上級レベルである、1級の資格を取りました。
この経験のおかげで、それまでセンスだと思われていた色の組み合わせ方に、ちゃんとしたロジックやルールがあることが分かりました。
知識さえあれば、センスなどに頼らなくても、「誰が見ても調和している色合わせ」を実現できることを、僕は実感したのです。
でも、問題がありました。
カラーコーディネートの知識はメンズファッションには、あまり役立ちませんでした。
なぜなら、メンズ服は黒やグレーなどのモノトーン中心で、そもそも派手な色を着る人が少ないです。
そのため、どちらかというと配色よりも、服のシルエットや素材などの要素の方が、印象を大きく左右すると分かったのです。
でも、服のシルエットや素材の検定試験はありませんでした。
勉強法もよく分かりません。
結局、そのあたりは曖昧なまま、僕は服飾業界から英語講師に転職しました。
あれから17年経って見た動画が、ユーチューバーのMBさんでした。
MBさんは、僕が当時欲しかった答えを持っていたのです。
・・・つづく。
P.S.
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