From 師範代Shinya(新村真也
(→前回のつづき)
前回までの記事では、「各ページを音読トレーニングで30回ずつやって仕上げた」とお伝えしました。
この「仕上がる」という状態がどういう状態か?を詳しくお伝えします。
理解度の3ステップ
英文を完全に理解できるようになるステップは、3つあります。
ステップ①読んで内容を理解できる
ステップ②聞いて内容を理解できる
ステップ③一字一句完璧に理解できる
この3ステップです。「仕上がる」とは、このステップ③になった状態を言います。
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ①読んで内容を理解できる
「精読で理解できる状態」がこのステップです。一字一句、ゆっくりと時間をかけて分析しながら、使われている文法や英単語を調べていきます。
1つずつの文章が文法的にすべて理解できる状態が、このステップ①です。ここがスタートラインになります。
学校の英語の授業では、「テスト上で正解の選択肢を選べるようになる」ことが最終ゴールなので、このステップで終了になることが多いです。
大学入試のセンター試験のリスニング問題は2回ずつ流れるので、「じっくり考えるスピード」でも間に合います。
ただし、英検やTOEICのように制限時間がシビアでリスニングも1回しか聞くチャンスがないようなテストでは、このレベルでは正直苦しいです。
ステップ②聞いて内容を理解できる
リスニングをして内容を90%以上理解できる状態です。部分的に前置詞や冠詞が聞き取れなくても、全体として伝えたいメッセージは100%分かります。
コミュニケーションにも困らないし、1回しかリスニングのチャンスがないテストで正解を選ぶことも楽勝です。
リスニングの場合は、ネイティブのCD読み上げ速度が平均で160WPM(1分間に話される語数が160語)くらいなので、このスピードで英語を理解していかなければ、間に合いません。
ステップ①では、時間をかけてでも理解できれば良かったですが、このステップ②では、最低スピードが160WPMは必要です。
ステップ③一字一句完璧に理解できる
この最終ステップでは、前置詞や冠詞をひとつも落とさずに聞き取り、理解することができます。
このステップ③になったかどうかを確認する方法はカンタンです。
テキストを見ない状態でCDを1文ずつ止めて、そのすぐ後に続けて声を出す「リピーティング」をしてみます。
この時、何も見ないでも一字一句正確にリピートできた場合、その英文の理解度は100%と言えます。
これはやってみると分かりますが、かなり難しいです!
音読やシャドーイングをしているときには100%理解できているつもりになっていた文章でも、実際にこの「テキストなしのリピーティング」をやってみると・・・
途中で前置詞や冠詞が抜けたり、文章の順番がめちゃくちゃになったりして、かなりヘコみます。
ちなみに、「1文」というのは、「息継ぎのタイミング」です。
ふつうの会話文なら、ピリオドで切ります。
英字新聞のような1文が異常に長いものは、カンマなどの息継ぎのタイミングで切ります。
もし、途中でカンマがあっても、CDの声優さんが息継ぎやポーズ無しで最後まで言っているパートは、分けずにやります。
このステップ③の段階では、文字通り一字一句聞き取れていて、しかも内容を頭の中で一定時間維持できるので、もしこの内容についてあれこれ聞かれても、カンタンに即答することができます。
次回は、僕がAdvanced 1000の記事をこのステップ③のレベルまでどうやって持って行ったか?を、順を追って詳しく解説します。
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