From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※英語の音読トレーニングをする時に必要な、「精読」を僕が始めたばかりの頃の体験談の続きです。
中学校のテキストを読み始めた僕は、思った以上にスイスイ進んでいきました。
とりあえず基本の文法の知識やルールを頭に入れるだけなら、そんなに難しくないことが分かりました。
僕の遠い記憶の中では、英文法は「やたら難しい響きのする専門用語の連発」だという認識がありましたが、中学英文法に関して言えば、そこまでではありませんでした。
さすがに中3レベルになると、関係詞なども出てきて、難易度が上がってきました。
でも、正直やってみて思ったのは、
「中1レベルから少しずつステップアップしていけば、中3レベルの文法ルールもその流れで理解できる」
ということでした。
上のレベルが理解できないのは、単にその前の段階の基礎の部分がグラついているだけだと気付きました。
大人の勉強
僕はこの時、「大人になってからやり直す勉強は、意外に楽しいもんだな」と気付きました。
学生時代は、「勉強せねばらならい!」というプレッシャーの中で、無理矢理やらされている感があります。
でも、今は自由です。別に誰にも言われずに自分の意思で勉強しています。
それに、中学校の頃には難しく感じた内容も、今こうして読み返してみると、大人の自分にはけっこう理解できる部分が多いことに気付きました。
「英語の文法解説を読むことは、思ってたより楽しい」
と気付いたのが収穫でした。同時に、
「このルールを知らずに、ただ英文を声に出すだけじゃ、応用なんてできないな。自分の言葉で話せるようになるには、英単語を並べる順番のルールを覚えるのが一番の近道だ。」
と気付きました。
精読開始!
中学校の教科書3冊を読み終えた僕は、さっそく音読教材用に買ったテキストを精読し始めました。
僕が一番最初に買った音読用テキストは、当時NHKが出していた「What’s new?」という本でした。
内容は、ネイティブスピーカー(アメリカ人)の男性と女性が、自分の体験談や趣味、仕事など、毎回違うトピックでエッセイを書いたものをまとめた本です。
それを男性、女性それぞれがキレイな発音で読み上げているCDが付いていました。
この本は、森沢洋介先生の「英語完全上達マップ」の後ろの方で「オススメ本」として紹介されていたので、選びました。
けっこう難しい!
これは、後から気付いたのですが、どうやら僕が選んだ「What’s up?」のテキストは、初心者にはかなり難易度が高かったようです。
実はこの3年後に、TOEIC870点になったタイミングで森沢先生ご本人と対面してお話する機会があったのですが、そこで森沢先生は、
「え?最初のテキストで What’s new? を選んだんですか?あれはかなり難しかったでしょう?よく挫折しませんでしたね!」
と驚かれていました。僕が最初に選んだこのテキストは、そのぐらい難易度が高いものでした。
でも、当時の僕は、「いかにも教科書の例文っぽい内容」がイヤでした。
なので、自分が一番モチベーションが上がりそうなテキストの中から、一番興味のあるトピックのページを選んで、始めました。
その時、始めて音読した例文の内容は、今でもハッキリ覚えています。
そのページのトピックは、「社交ダンス」に関するエッセイでした。
僕は当時、ストリートダンスを練習していたので、自分が最も興味があって下地知識のあるダンスのページを選びました。
社交ダンスは、ストリートダンスとはだいぶ毛色が違いますが、実はなじみがありました。
当時僕が習っていたダンススクールの先生は、夕方のクラスで若者にストリートダンスを教えながら、次の夜のクラスでは大人の紳士&淑女たちに社交ダンスを教えていました。
なので、僕はストリートダンスのレッスンの後に、社交ダンスのレッスンを見学する機会が何度かありました。
What’s new? のテキストの中で、社交ダンスは僕にとって最も馴染みの深いトピックだったのです。
下地知識があればけっこうイケる
僕は当時、自分がそんなに高いレベルのテキストを選んでいたことに気付いていませんでした。
なぜなら、「英文の難易度」よりも、「中身の英文に対する興味」をベースに選んだからです。
ダンスに関しては下地知識があったので、文法的に難しめの英文でも、割とすんなり理解できました。
これは後になってから気付いたのですが、英文の理解度は、文法レベル以上に
「内容に対する下地知識があるかないか?」
に左右されます。
僕は、What’s new? のテキストを、ページの順番通りには進めずに、自分の興味のある内容&下地知識のある内容をベースに選んで精読していきました。
でも、だからといってすべての文法が100%理解できたわけではありませんでした。
・・・つづく。
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