【僕の「精読」体験談⑤最終回】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※英語の音読トレーニングをする時に必要な、「精読」を僕が始めたばかりの頃の体験談の続きです。(本日が最終回)
 
 
僕が精読をしていて驚いたことがあります。それは、「音読トレーニングの意外な効果」です。
 
 
本来、音読トレーニングは「精読で100%理解した英文を何度も声に出す」ことで、その例文の中で使われている文法や英単語を自分のなかに沈み込ませていく作業です。
 
 
でも、独学でやっていると、精読した時点で100%理解できない部分が出てくることがあります。
 
 
僕は、音読トレーニングを始めた最初の頃は、「すべての疑問が解消してから音読トレーニングに入る」という流れにしていました。
 
 
でも、途中から精読が進むペースと音読トレーニングが進むペースが合わなくなってしまい、音読トレーニングに追いつかれてしまうことが多くなってきました。
 
そこで、僕はそれまでのこだわりを手放しました。
 
 
精読していて分からない部分があっても、気にせずそのまま音読トレーニングを進めるようにしたのです。
 
 
そしたら、30回ぐらい音読した頃に、急に
 
 
「あ!!!分かった!!」
 
 
と思う瞬間が訪れました。これにはとても驚きました!
 
 
自分のなかでそれまでモヤモヤしていた部分が、急に「腑に落ちる」という感じです。
 
 
それまで、「どこまで主語なんだろう?」と思いながら音読していた例文でも、急に主語の区切りが分かったりするのです。
 
 
そういう現象が起こるのは、「例文が口に馴染んで言いやすくなってきたタイミング」でした。
 
 
「来週のレッスンで先生に質問しよう」と思っていたことが、聞く前に自力で解決できてしまった・・・という体験を何度もしました。
 
 
分かった瞬間は、「うぉーーー!!分かったぞぉーーー!!」と叫びたくなるぐらい、嬉しくなりました。
 
 
これが、同じ英文を何度も繰り返し声に出して読み上げる「音読トレーニング」の効果のひとつです。
 
 
もちろん、どうしても自力で解決できないこともありました。その場合は、周りにいる自分より英語力が高い人たちに質問して解決してきました。
 
 
僕は今でも、精読はこの流れで続けています。
 
 
「今のシンヤ先生でも、精読していて分からない英文があったりするんですか?」
 
 
とたまに聞かれますが、あります。
 
 
僕は今、ネイティブ向けのビジネス書や自己啓発本などを自分の音読用教材に使っています。
 
 
ネイティブ向けの本は、日本の英語テキストにはない表現がたくさん出てきます。中には、
 
 
「えー!!これ文法的にアリなの?日本のテストだったら絶対NGでしょ?」
 
 
と叫びたくなるような文章もあります。
 
 
それがミスプリントなのか?それともネイティブはそう言うことがあるのか?
 
 
というのは、自力では分かりません。
 
 
そういう時には、以前同じ英会話スクールで一緒に働いていたネイティブ講師仲間や、日本人の先生仲間にメールで質問したりしています。
 
 
 

質問があなたの英語力を伸ばす

僕は精読していて文法に疑問がわくたびに、なんとかその疑問を解決してきました。
 
 
周りにいる「自分よりも英語ができる人たち」に質問しまくってきました。
 
 
そしたら、いつの間にか「英語を教える側」になっていました。
 
 
英語を教える側になると、毎日のように生徒の方々から質問をいただくようになりました。
 
 
その中には、自分が今まで疑問に思ったこともないような視点のものがありました。
 
 
そういう質問の答えは、昼休みに講師仲間の同僚に相談して、ご飯を食べながら「あーでもない、こーでもない」と議論を繰り返して、納得のいく答えを見つけて生徒の方に伝えるようにしてきました。
 
 
そんなことを8年間続けてきました。
 
 
すると、ほとんどの質問には答えられるようになりました。
 
 
初心者~上級者まで、いただく質問の95%ぐらいは即座に答えられるようになりました。
 
 
でも、残り5%はその場では分かりません。その場合は、先ほどのステップ①~④までを繰り返しています。
 
おそらく、この先も疑問がなくなることはないでしょう。
 
 
でも、それが楽しいのです。
 
 
もし、英語に関して分からないことが1つもなくなってしまったら、面白さもなくなってしまいます。
 
 
・分からないことが分かるようになる喜び
 
 
・できなかったことができるようになる喜び
 
 
を味わい続けられるのが、英語学習の醍醐味です。精読は、そんな楽しさを味わえる時間です。
 
 
「今すぐ100%理解できないとダメだ!」
 
 
という視点ではなく、
 
 
「100%理解できるまでこの例文を楽しもう!」
 
 
という視点で精読と音読トレーニングを進めてみてください。
 
 
「僕の精読体験談」:完
 
 
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