From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、あなたの性格パターンに応じた「文法学習用」のテキストを選ぶときの基準をお伝えしました。
今回は、英単語帳の選び方をお伝えします。
まず、そもそも英単語帳を使った学習が向く人と向かない人がいます。
英単語帳を使った学習が向いている人は、ウェルスダイナミクスで言うと、コツコツ型の「テンポ」&「スチール」寄りの人です。
この性格タイプの人は、地味な作業を積み上げることを苦しく感じません。
なので、英単語帳で地道に手持ちの英単語を増やしていくことも楽しみながらできます。
一方で、ウェルスダイナミクスの「ダイナモ」や「ブレイズ」寄りの性格の人(情熱型&創造型)には、英単語帳を使った学習はあまり相性が良くありません。
続けるためには、工夫が必要になります。
あまりムリをしていると、英語の学習自体がイヤになってしまう危険があります。
僕は、この性格タイプの人には英単語帳をあまり勧めません。
かなりのレベル(TOEIC700点台後半~6800点台前半)になるまでは、積極的に英単語帳をやらない方が良いと思います。
以上を踏まえた上で、それぞれのタイプに向いている英単語学習法をお伝えしていきます。
始める時期に注意!
これは、どの性格タイプの人にも言えるのですが、
「まずは英単語!」
とばかりに、最初に英単語帳を買ってしまう人が多いです。
英語学習=英単語帳
という図式が、学生時代に刷り込まれているため、どうしてもそうなってしまうんだと思います。
でも、この図式は危険です!
もしあなたが、
「紙の上のテストで正解を選ぶスキル」
ではなく、
「実際の会話で使える英語スキル」
を身につけたいなら、英単語帳を使い始める時期に慎重になった方が良いです。
英単語帳は、「種まき」に似ています。
どんなに良い種をまいても、土が硬くて栄養分がなかったら、芽は出てきません。
もし出てきたとしても、弱々しいので、すぐに枯れてしまいます。
英単語帳で種をまく前に、しなければいけないことがあります。
それは、「土を耕す」ことです。
土を耕してから、種まきをする
英語学習で土を耕すとは、どういうことでしょうか?
英語学習の世界での「土」は、「文法」です。
まずは英単語をやる前に、文法ルールをしっかり身体に入れることが先決です。
なぜなら、英語を聞いたりしゃべったりする行為は、
「知っている英単語を、知っている順番で並べる」
ことだからです。
英語は、並べる順番が全てです。
並べる順番を間違えると、残念ながらまったく通じなくなります。
たとえば、
I gave my dog a cookie.
(私は犬にクッキーをあげた)
という文章があります。
これは、SVOOという順番で並んでいる、「第4文型」と呼ばれる、文の「型」です。
この文型では、
○○が → あげた → 誰に → 何を
という順番が決められています。
私が → あげた → 犬に → クッキーを
という順番です。
I → gave → my dog → a cookie
です。
この順番を入れ替えると、意味がまったく通じなくなります。
たとえば、こんな感じです。
I → gave → a cookie → my dog
と言ったら、本当に意味が通じなくなります。
ネイティブの耳には、「クッキーに犬をあげた」と聞こえるからです。
これがもし日本語だったら、順番を入れ替えても意味は通じます。
私が → あげた → クッキーを → 犬に
通じますよね?
これは、日本語には、「が」「を」「に」という言葉があるからです。
日本語にはこういった「て」「を」「に」「は」があるおかげで、順番が入れ替わっても意味が通じます。
だから、僕ら日本人は、「単語を並べる順番」に敏感ではありません。
だから、「知っている単語を並べれば、なんとか通じるだろう」と思っています。
でも、実際は、それで通用するケースはあまり多くありません。
これは、僕自身が初心者の頃に「イングリッシュ・バー」でさんざん経験したことです。
旅先の店員さんとの会話なら、なんとか向こうが意味を推測してくれますが、バーで知り合った相手との会話では、そんなに気を利かせてくれません。
順番がめちゃくちゃになったらアウトです。相手は苦笑いして去って行ってしまいます。
英語には、「て」「を」「に」「は」に相当する便利な言葉がありません。
並べる順番で意味が決まります。
それがルールです。
どんなに知っている英単語がたくさんあっても、並べる順番を間違えたら、通じなくなります。
だから、まずは「文法」なのです。
英単語の話をするとか言いながら、ついつい文法の話になってしまいました。
でも、英単語を勉強したい人のほとんどが、このワナにハマってしまい、文法が固まらないうちに英単語帳に手を出しているのを何度も見てきました。
その結果、覚えた英単語がぜんぜん通じなくなって挫折している姿も見てきました。
なので、このブログでは先に、この「誰もがハマる危険のある落とし穴」についてお伝えしておこうと思いました。
次回は、ガッツリ英単語の話に入ります。
・・・つづく。
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