From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、
「リスニングが伸びていると感じる度合いが人によって大きく違う2つの理由」
として、「英語ストックの量」をお伝えしました。英語ストックの量とは、
①文法力
②発音スキル
③英単語力
の3つです。大人のやり直し英語学習を始めた時点での英語ストックには個人差があります。
大学受験で英語をガンバった経験のある人は、①文法力と②英単語力が高いところからスタートする人が多いです。
逆に英語を避けてきた人は、3つとも低いところからスタートすることが多いです。
最初の英語ストックがどのぐらいあるかによって、リスニングの伸びを実感するスピードも変わってきます。
これが理由の1つ目です。
今日は理由の2つ目をお伝えします。
理由②リスニングの成果を測る場所の違い
実は、これもかなり大きな理由になると僕は思っています。
リスニングが伸びたと感じやすい人は、自分のリスニングの成果を測る場所がある程度共通しています。
僕の経験上では、この3つで測っている人はリスニングの伸びを感じやすいです。
↓↓↓
①自分の好きな海外ドラマや映画
②仕事上のやりとり
③趣味の世界でのやりとり
この3つに共通していることが2つあります。
何だと思いますか?
1つ目は、「下地知識」
2つ目は、「話題の範囲」
です。
①大好きな海外ドラマの場合は、出てくるキャラクターやストーリーがよく分かった状態で聞いています。ストーリーが分かった状態で聞く英語は、脳の負担が減るので聞き取りやすくなります。
また、同じドラマであれば、話題の範囲もある程度決まっています。その結果、同じような英単語が繰り返し使われることが多くなります。
②仕事上のやりとりも同じです。仕事は自分の専門領域なので、下地知識の土台があります。
また、同じ業種であれば、使われる英単語はある程度決まっています。
③趣味の世界でのやりとりも同じです。仕事と同じように趣味の世界も下地知識がある人同士が集まります。
また、使われる英単語も限定されるので、聞き取りやすくなります。僕は趣味&仕事でマジシャンをしていますが、マジックの専門用語は海外から輸入されたカタカナ語が多いので、そのまま使えてラクです。
僕はやり直し英語を始めて1年未満の頃でも、海外マジシャンのレクチャー内容はかなり聞き取れました。
このように、下地知識と話題の範囲が決まっている中でリスニングの成果を測ろうとした場合、割と短期間で「聞き取れるようになってきたぞ!」と実感する機会が多くなってきます。
リスニングが伸びないと感じる人の場合
逆に、リスニングがなかなか伸びないと感じている人が自分の英語力を測る場所は、次の3つの状況が多いです。
①ネイティブとのフリートーク
②海外旅行先での会話
③ジャンルを決めないで手当たり次第に見る海外ドラマや映画、YouTube動画など
①ネイティブとのフリートークは、たとえ相手が英会話スクールの先生であったとしても、けっこうしんどいです。
むしろ英会話スクールの先生は毎週話題を変えて生徒を飽きさせないように努力するので、僕ら日本人にとってはリスニングが難しくなってしまうことがあります。
どんな話題を振られるか?まったく分からない状態で始める英会話ほど、リスニングのハードルが高いものはありません。
「何でもアリ」だと、すべての攻撃に備えなければならないからです。
「パンチだけで戦う」と決まっていれば、相手の両手だけに目を向ければいいので、脳の負担が減って攻撃をかわせる確率が上がります。
でも、「パンチもキックも投げも関節技もアリ」という戦いでは、相手は何をしてくるか分かりません。
その結果、脳の負担は上がり、心臓がバクバクして、相手と向き合っているだけでも激しく消耗します。
これと同じ状態が、ネイティブとのフリートークです。
よく、仕事でバリバリ英語を使っているビジネスマンの方が、
「仕事終わりの会食の時間だけは今でも苦手ですよ。相手の言っていることが全然聞き取れなくなっちゃうんです。」
と言っているのを聞きます。この言葉が、フリートークの難しさを表している気がします。
②海外旅行先での会話リスニングは、さらに難易度が上がります。
相手は初対面な上に、滑舌の良くない人、やる気のない若い店員さん、英語のネイティブではない人たちなど、発音が聞き取りづらい人たちを相手にしなければなりません。
僕もいまだに海外旅行で「この人の英語はぜんぜん聞き取れない・・・」と感じることがしょっちゅうあります。
③ジャンルを決めないで見る動画も同じです。僕の場合はよく海外のYouTube動画を見るのですが、ジャンルを絞っています。
カメラなどのガジェット系ユーチューバーの英語は90%以上聞き取れます。
背景知識があるので、めちゃくちゃ早口で話される英語でもしっかり聞き取れます。
(※僕が今まで見ているガジェット系ユーチューバーの中で、一番早口の英語を話す人は、「iJustine」というアメリ人女性です。
↓↓↓
この動画のオープニングの10秒間のしゃべりのスピードは、めちゃくちゃ速いです。
でも、僕には知識のバックグラウンドがあるので聞き取れます。
でも、たまにバラエティー系の海外ユーチューバーの動画を見ると、まったくと言っていいほどリスニングできません。
バラエティー系ユーチューバーは話すスピードも速いのですが、何より「ジョーク英語」を織り交ぜてきます。
ジョークをリスニングして理解するのは至難の業です。
また、ゆっくり話しているユーチューバーでも、自分が詳しくないジャンルの動画はほとんどリスニングできません。
リスニングが伸びたと感じづらい人は、このように自分の苦手な分野の動画や映画を見てヘコんでいる可能性があります。
どこで自分のリスニングの伸びをジャッジするか?
以上が、リスニングの伸びを実感しやすい人と、なかなか伸びづらいと感じる人の違いです。
自分のリスニングの伸びをジャッジする場所の選び方も、実は大事なのです。
次回は、「リスニング力が伸びていく仕組み」と、「現実的な伸びのペース」をお伝えします。
・・・つづく。
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