From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回までの記事では、
「リスニングが伸びていると感じる度合いが人によって大きく違う2つの理由」
として、
①英語ストックの量
②リスニングの成果を測る場所の違い
をお伝えしました。
加えて、自分の中で築き上げた「1年後にはこうなったらいいなぁ~」という期待値と、現実とのギャップに悩みやすいことをお伝えしました。
この期待値が大きければ大きいほど、「こんなはずじゃなかったのに~!」という落胆が大きくなります。
そこで今回からは、僕の体験談を踏まえながら「リスニングの伸びる率」のリアルなペースをお伝えしていきます。
あなたが今自分の中に設定している「期待値」によっては、僕のストーリーを聞いて落胆したり、安心したり、希望を取り戻すきっかけになるかもしれません。
僕のペース:最初の1年目
僕が英語学習を始めて最初の1年目は、「ネイティブ信仰」にハマっていました。また、「英語のシャワーを浴びていれば、自然に聞けて話せるようになる」という広告のキャッチコピーを信じていました。
・週1回英会話スクールでネイティブの先生のグループレッスンを受ける(生徒数8人ぐらい)
・週3回ぐらい外国人の集まるバーに行く(1回の滞在時間2時間ぐらい)
・ネイティブの先生や外国人バーで知り合ったネイティブたちと、夜にカラオケやビリヤードに行く
・聞き流し教材のCDを通勤の運転中に聞く(片道1時間)
・職場(ジーンズショップ)の店内BGMの洋楽を、できるだけ意識を向けながら聞く(1日約10時間)
・それ以外の時間には、アメリカのホームドラマ「フレンズ」のDVDを「日本語字幕→英語字幕」の順で見る(週2~3話分)
という感じで、英語のシャワーを浴びまくっていました。
常に自分の耳に英語が耳に入っている状態にしていたのです。
この話を聞くと、「え?最初のうちからネイティブと遊びに行ったりしてたの?よく初心者なのに相手の言うことが聞き取れましたね!」と驚かれるのですが、実は聞き取れていません。
相手の言っていることの理解度は日によって違いますが、平均で20%以下でした。
では、どうやって会話を成り立たせていたか?というと、
①英会話スクールで作った友達(留学経験者やTOEIC行くの点数が高い人たち)を誘って一緒にネイティブとの会話に行く。
②得意のマジックのセリフを英語で丸暗記して、相手の前で披露する。(会話のキャッチボールではなく、一方的に話して終わる)
という作戦で、なんとかごまかしていました。つまり、ほとんどリスニングはできていませんでした。
英語ができる友達の助けを借りている時には、
①ネイティブが話す
↓↓↓
②僕は理解できず、友達がネイティブの英語を聞き取る
↓↓↓
③聞き取った英語を日本語で僕に伝えてくれる
↓↓↓
④僕が短い英語フレーズでネイティブに直接返す。
(英語フレーズが出てこない時には、僕が日本語で友達に伝えて、それを英語に訳してもらう)
というサイクルを繰り返していました。同時通訳を入れているのと同じです。
でも、相手の英語が聞き取れないので仕方ありません。
僕は高卒で大学受験を経験したこともないし、自分がゼロからスタートだと分かっていたので、
「まあ、最初はこんなもんだろう。1年ぐらい続ければ、きっと聞き取れるようになるんじゃない?」
と何となく淡い期待を抱いていました。
とにかく僕は、自分1人でネイティブと話さなければならない状況を避けつつ、1人で乗り込むときにはマジックを見せることで場の空気を持たせていました。
そうやって自分のリスニングの低さをカバーしていました。
自分だけ会話に参加できない虚しさ
この頃の僕は、英語ができる友達2人とネイティブが話しているのを横で聞いている時間が多くありました。
ネイティブが何かを言うと、僕以外の2人はすぐに反応して笑ったりしています。
でも僕は、何が起こったのか分かりません。とりあえず周りに合わせて笑ってみたりするのですが、心の中では「自分だけ聞き取れない虚しさ」を感じています。
笑っている僕を見たネイティブが、僕が英語を理解したと勘違いして、僕の方を見ながらまた何か言ってきます。
すると、一気に緊張して変な汗が出てきます。
「あぁ・・・実は俺、本当は聞き取れてないんだよ・・・理解できなくてゴメンね・・・」
という心の声を込めて相手を見返すと、相手は何となく気付いて、僕から目をそらして英語が聞き取れる2人に向かってまた話し始めます。
バーでのカジュアルな会話だけではなく、英会話スクールでもネイティブの先生が言ったことが聞き取れず、同じ思いをすることがたまにありました。
こういう「自分だけ聞き取れなくてくやしい思い」を、僕は最初の1年間でたくさん経験しました。
・・・つづく。
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