From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
1年ぶりに受けたアクション俳優養成コースは、僕の目には去年とはまったく違って見えました。
去年受けた時は、まだスクールに入って半年ぐらい経った頃でした。
希望に燃えて、キラキラした未来を夢見ていました。
当時の僕はアクション俳優になる気満々でした。
芸能界には人生を逆転させるチャンスにあふれているように見えました。
でも、今は何だかどんよりした気分でした。
理由は2つありました。
1.日本のアクション俳優業界は需要が少ない(アクション映画が作られる本数自体が少ない)
2.何年通ってもデビューできない人もいる現実(演技コースの最上級クラスのメンバー)
1.は去年、アクションの先生から現実を聞かされて夢が一気にしぼみました。
2.は最近感じ始めているモヤモヤ感でした。
もちろん僕は、最初から「スクールに入った人達すべてがデビューできる」なんて思っていませんでした。
でも、僕が最初に抱いていた流れはこんな感じでした。
↓↓↓
①たくさんの生徒が入る
②途中で脱落者が出る
③どんどん人数が減っていく
④少数精鋭だけ残る
⑤上に行けば行くほど、デビューできる率が上がる
⑥もし最上級クラスまで行ったら、後はデビューは秒読み状態
というステップです。
そして僕は、ヒゲ先生の厳しいクラスを卒業することで一気に飛び級して、⑥の最上級クラスまで行きました。
この時が、一番希望に満ちあふれていました。
見せつけられた現実
でも、最上級クラスで僕を待っていたのは厳しい現実でした。
クラス自体はユルい雰囲気なのですが、それが逆に僕にはキツく感じました。
なぜなら、最上級クラスには「馴れ合いになったたくさんの生徒と先生」がいたからです。
最上級クラスは、それ以上のレベルのクラスがありません。
最上級クラスは、行き場を失った「在籍期間の長い生徒たち」のたまり場だったのです。
スクール側としても、何か特別なことがない限りは生徒を下のクラスに降格させることはできません。
かといって、半年ごとに新しく上のクラスを作り続けることもできません。
だからある意味、最上級クラスは「ほったらかし状態」だったのです。
担任の先生もずっと同じ人に任せ続けているようでした。
「長くいる生徒たち」と「長くいる先生」で作り上げられたクラスの中に放り込まれた僕は、なんだかモヤモヤしていました。
最初の頃はこのモヤモヤ感の正体が何なのか分かりませんでしたが、だんだん見えてきました。
よどんだ空気
モヤモヤの正体は「よどんだ空気」です。
クラス全体の空気がよどんでいる気がするのです。
最上級クラスの「和気あいあいとした楽しい雰囲気」のウラには、「自分の夢から目をそらして、なんとなく惰性でスクールに通い続けている人達」の空気感が漂っていました。
先生の方も、表面上は声が大きくて熱血先生っぽいのですが、何となく「今日のレッスンをこなすこと」が仕事になっているような気がしました。
これは僕の個人的な感覚ですが、
「舞台のワンシーンを切り取った台本を使って『それっぽいレッスン』をして、長く通っている生徒たちを満足させる」
ことが、最上級クラスの先生の役割になっているように感じました。
長期的な視点
でも僕が以前習っていたヒゲ先生は、もっと長期的な視点でレッスン全体を組み立てているように感じました。
僕らにとって今後ずっと必要になるであろう、
・長く芸能界で生きていくための心の持ち方
・渡された台本を読み込んで音読して、自分の身体に落とし込むための具体的な方法
を教えてくれました。
ヒゲ先生は「自分のクラスを卒業するまでに、生徒にどうなっていて欲しいのか?」をイメージしながらレッスンを組み立てていました。
ヒゲ先生と僕らが一緒にいられる期間は、3ヶ月~長くて半年です。
その間に「自力でトレーニングをしてスキルアップし続けられる人間」になるように、僕らを鍛えてくれました。
おかげで僕は今、
「渡された台本をどうやって練習して自分の中に落とし込むか?」
が、感覚的に分かるようになりました。
(ヒゲ先生のこの教え方のコンセプトは、今の僕の英語の達人養成ジムのレッスンに活かされています)
でも、今の最上級クラスのレッスンは「単発」で生徒を満足させるような感じでした。
宿題も出ないし、クラスメイト達もふだん家で何かトレーニングをしている感じでもありませんでした。
「流れが止まってよどんでいる空気」
それが、僕が最上級クラスに感じたモヤモヤ感の正体でした。
・・・つづく。
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