From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が20才の頃、「鉄工場の作業員」から、「アクション俳優」に転職しようと決めて、「アクション俳優養成所」に入ろうとした時のストーリーの続きです。
日本を飛び出して香港でアクションスターを志している、「谷垣健治」さんの密着取材番組を見た僕は、感銘を受けました。
別に香港に知り合いがいるわけでもなく、英語も中国語も話せない状態で単身乗り込んで、今はスタントマンとして香港アクション映画に出演している谷垣さんを見て、
「あてがなくても、行動すればなんとかなるもんなんだな!」
ということを、気付かされました。
そして何より、僕が驚いたことがありました。
それは、その番組で谷垣さんの奥さんが登場したことです。
「えーー!!結婚してるの??」
これはすごく意外でした。
その番組の中で谷垣さんの奥さんは、「実は私たち結婚したばかりなんです。」と言っていました。
僕はこの時、「夢を追うことと、結婚することは、相反することではないのか!」と思いました。
それまでの結婚観
僕がそれまでに思っていたのは、「結婚=人生が落ち着いたらするもの」というイメージでした。
当時の僕の中での「人生が落ち着く」とは、
「やりたい夢に全部挑戦し尽くして、その道で成功している or していないに関わらず、現状維持のまま人生が終わっても、悔いが残らない状態」
という感じでした。
そういう状態になったら、「落ち着き人生最後の仕上げとして、結婚する」という流れを予想していました。
また、これまでに見たドラマや映画のシーンで、
「夢を追っている男は若いうちはモテるけど、結婚となった途端に彼女から、『いつまでも夢を追ってないで、現実を見てよ!』と言われる」
というパターンを、脳内に刷り込まれていました。
でも、テレビ画面の向こう側の谷垣さんは、「結婚」と「夢を追いかけること」を同時にやっていました。
しかもこれは、フィクションではなく現実の話です。
ちなみに奥さんは、とてもキレイな人でした。
合コンや婚活パーティーに行けば、きっとモテるに違いありません。
谷垣さん以外にも結婚相手の選択肢はいくらでもいそうです。
そんな人が、海外で不安定な生活をしながら夢を追っている谷垣さんを結婚相手に選んだ。
この事実は、当時20才そこそこだった僕にとって、かなり大きな衝撃でした。
谷垣さんの奥さんの言葉
番組の中ではその時、インタビュアーの中年男性が谷垣さんの奥さんに向かって、こんな質問をしていました。
インタビュアー:「旦那さんがスタントマンという特殊な職業で、しかも海外で生活していて、不安はないんですか?」
奥さん:「不安?ですか?」
インタビュアー:「はい。だって、ここでの生活には何の保証もないわけじゃないですか。もし明日、旦那さんがケガしたら、そこからは収入がゼロですよ?食いっぱぐれたらどうしよう?とか、不安にならないんですか?」
奥さん:「あぁ~そうですね、まぁ、そうなったらそなったで、私が働けばいいだけなんで。」
インタビュアー:「え~!でも、海外で働くって大変じゃないですか?不安はないんですか?」
奥さん:「私は、夢に向かっている彼のことが好きなんで・・・どっちにしても、この人を選んだのは私が自分で決めたことですし。」
僕はこのやりとりを見て、感動しました!!
インタビュアーの男性は、おそらく日本の「親世代の人たちの意見」を代表して、新婚の2人にぶつけたような感じでした。
それに対して、奥さんが軽く受け流しているのを見て、
「へぇ~!世の中にはこういう女性もいるんだ!夢を追うことを応援してくれる人と結婚すれば、その後の人生の挑戦をあきらめる必要もなくなるのか!」
と、気付きました。
何十回も見返す
僕は、この番組の中の谷垣夫妻を見ることで、「夢をあきらめる必要はないんだよ!」というメッセージを受け取ることが出来ました。
その後は、落ち込んだり不安になるたびに、この番組を見返しました。
気分がアップしている時も、この番組を見たくなりました。
その結果、何十回もこの番組を見返すことになりました。
テープがすり切れてきて、所々に白い線が入るようになってくるほどでした。
何度も見返すうちに、最初は気付かなかったことに気付くようになってきました。
この番組の中で谷垣さんが言っているセリフの中に、アクション俳優を目指す上でとても重要な「教え」が含まれていることに気付いたのです!
・・・つづく。
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