From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が20才の頃、「鉄工場の作業員」から、「アクション俳優」に転職しようと決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
午前中のHIPHOPダンスクラスがとても楽しくて、すっかり気分が良くなった僕は、
「この夏期集中ゼミに申し込んで本当に良かった!」
と感じ始めていました。
それまでの僕の人生は、「家と鉄工場と空手道場」が自分の住む世界のすべてでした。
でも、このタレント養成所に入ってからは、一気に世界が広がりました。
そして今、HIPHIOPダンスという、まったく新しい世界を体験することができました。
今でこそ、HIPHOPダンススクールは地方でもよく見かけるようになりましたが、当時はとても珍しい存在でした。
SPEED
ちょうどこの頃は、SPEED(スピード)というダンスグループが出てきて、人気が急上昇し始めていました。
SPEEDは小学生~中学生の女の子のグループで、HIPHOPダンスを踊りながら元気に歌うスタイルは、同世代の女子たちの憧れの対象になっていました。
また、僕の働いていた鉄工場でも、僕と年の近い先輩
たちが昼休みによくSPEEDの話をしていました。
「中学生とは思えないほど大人っぽいよな~!」
「俺、CD買っちゃったよ!」
「俺なんて、ミュージックビデオも買っちゃったよ!」
と盛り上がっていました。
当時は、今のAKB48のような、「大人も盛り上がるようなアイドル」がいなかったので、SPEEDの存在は新鮮でした。
硬派な男
一方で、僕は武道が好きで、ジャッキー・チェンの長年のファンだということが、会社の同僚や先輩達に知れ渡っていました。
そのため、みんなから「硬派なやつ」というイメージを持たれていました。
なのでよく、
「おまえはSPEEDとか興味なさそうだなぁ~」
と言われていました。
でも、そんな僕が今はこうして、東京でこっそりHIPHOPのダンスレッスンを受けて、SPEEDと同世代の女の子と一緒に踊っているのです・・・
しかも、それが予想以上に楽しくて、すっかりハマりそうになっているのです・・・
「会社の人たちには絶対に言えない!」
と心の底から思いました。
念願のアクションコース!
午前のダンスクラスが終わって、いよいよ午後のアクションコースの時間がやってきました。
僕が東京に通い始めた最大の理由は、「アクション俳優になること」です。
その目的に一番役立ちそうなコースが、今回のアクションコースなのです。
レッスンスタジオに入ると、すでに何人かの生徒が来ていました。
けっこう人数が多いです。トータル10人ぐらいいます。
ちなみに、みんな僕(当時20才)と同い年か、ちょっと年上ぐらいの男性です。
しばらくすると、先生が入ってきました。
先生は、40代ぐらいで、無精ひげを生やしていて、ガッチリした体型で、いかにも「殺陣師(たてし)」という雰囲気でした。
僕が働いている鉄工場の中で、すぐ隣の部署の親方にそっくりな見た目だったので、僕は一瞬、驚いてしまいました。
でも、先生は見た目の無骨さとは裏腹に、話し方や声はとても柔らかくて、優しそうでジェントルマンな感じでした。
アクションの種類
レッスンが始まると、先生はまず最初に、アクションの種類を教えてくれました。
・素手の殴り合いアクション
・時代劇のチャンバラアクション
・刑事ドラマによくある銃撃戦
・高いところや階段から落ちたりするスタント
・車を高速で走らせながらドリフトしたりするカースタント
言われてみれば、「あ~なるほど!見たことある!」と納得です。
先生:「この5つの中で、日本で一番需要があるのは何だと思いますか?」
生徒の1人が答えました。
「チャンバラですか?」
先生:「正解!その通り!チャンバラのアクションは、日本では最も需要があります。
時代劇は、常にTVシリーズものが毎週放送されるので、アクション俳優の出番が多いんです。
『暴れん坊将軍』が暴れられるのは、敵役のアクション俳優たちがたくさんいるからです。」
みんなから大きな笑いが起こりました。
先生:「チャンバラアクションができれば、安定して仕事を得られます。日本でアクション俳優の道を目指すなら、まずはチャンバラアクションができるようになっておくことです。」
そう言いながら、先生は教室の片隅から、何本もの木刀を取り出しました。
おぉ~!なつかしい!!木刀!!
中学校の修学旅行では、男子生徒はみんなこぞって買う木刀。
高校時代に入っていた剣道部で、素振りの練習で使った木刀。
まさか、木刀をまた手にする日が来るとは・・・
僕は懐かしい気分になりました。
・・・つづく。
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