From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕がカラーコーディネーター1級の試験に再チャレンジしながら、ジーンズショップに転職した時の体験談の続きです。
職場の人間関係で最初にいきなりつまずいた僕は、仕事に関しては半分あきらめモードになっていました。
最初は無視されることがツラかったのですが、鉄工場時代の過酷な労働環境を思い出したら、
・空調があるだけマシ
・鉄粉で肺がやられないだけマシ
・仕事中に大ケガや死ぬ危険がないだけマシ
という結論に達しました。
肉体的なツラさは、転職しない限り避けるのが難しいです。
でも精神的なツラさは、自分の考え方&とらえ方を変えることで改善することができます。
ヤンキーよりマシ
影のボスの女性Sさんは恐いですが、高校時代のヤンキークラスメイト達の壮絶な戦いの姿を思い出したら、
・怒鳴りつけてこないだけマシ
・殴りかかってこないだけマシ
・真正面からケンカを売ってこないだけマシ
という結論に達しました。
無視されても、僕が気にしなければ何も起こりません。
逆に誰も話しかけてこないので、静かな1日を過ごすことができるのです。
もちろん「スタッフの誰とも話さず1日を終える」というのは業務上むずかしいです。
でも、さすがにお客さんが多くて忙しい時に、僕が「○○お願いします」と言って、「イヤです!」と正面切って戦いを挑むスタッフはいませんでした。(Sさん含め)
せいぜい「返事をしない」とか「小さくうなずくだけ」ぐらいです。
もちろん、僕も最初の頃は「Sさんには笑顔で元気よく返事をするのに、自分には返事すらしてくれない」というみんなの態度がイヤで仕方ありませんでした。
でも、だんだんそれがデフォルトになってくると、感覚がマヒしてきて「ま、いっか!」と思えるようになってきました。
戦わない
僕はSさんに対して「戦わない姿勢」を貫くことにしました。
もし僕がSさんに対して攻撃的な態度を取れば、Sさんはスタッフ全員を巻き込んで「1対多数」の戦争状態になるでしょう。
そうなれば、無視以上の攻撃が来るかもしれないし、それに対抗するために僕が大きなエネルギーを取られることになります。
新入りペーペーの僕が、ベテランSさんとその取り巻きスタッフを相手に職場で戦っても、仕事上で勝てるわけがありません。
おそらく戦うことで一番損をするのは、僕自身でしょう。
それに、僕もこのお店に何年もいるわけではありません。
早ければ3ヶ月で正社員に登用されて、それと同時に他のお店に店長として配属されることになるでしょう。
このお店ではもう、Sさんと「根くらべ」をする覚悟で、「戦わずに勝つ」方法を探ることにしました。
怒りのパワーを勉強に向ける
その一方で、仕事中にイヤな態度を取られて僕の中に怒りの感情がわかないわけではありません。
Sさんが僕に理不尽な態度を取るたびに、僕の中で「チッ!クソっ!」という小さな怒りがたまっていきました。
そのエネルギーを、カラーの勉強に向けるようにしました。
よくマンガやドラマの世界でも、「俺をバカにしたやつらを見返してやる!」と猛勉強をして、主人公が有名大学に受かったり出世してお金持ちになったりするシーンが描かれます。
怒りや不満というのは、人間に備わった「自分の命を守ろうとする本能」とつながっているので、うまく使えば大きな行動力を生み出すのです。
僕が鉄工場を辞めてアクション俳優の道を目指したのも、この「思い通りにならない日常をどうにかしたい!」という強い不満からでした。
その結果、東京の演技スクールに通い始めて、日本全国から集まる同志の仲間とつながることができました。
一気に視野が広がりました。
さらに、つなぎのバイト感覚で入ったイトーヨーカドーの職場が天国のような良い環境で、「楽しみながらお金がもらえる」という仕事があることを初めて知りました。
おそらく今回のジーンズショップの苦境も、まだ見えていないけど「次の素晴らしい世界」へつながるためのステップに違いない!
という気がしていました。
・・・つづく。
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