From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕が英会話スクール講師に転職してからの体験談です)
(→前回のつづき)
TOEIC900点を超えた後、英検1級にチャレンジしてみよう!と決めた僕は、さっそく英検1級の過去問題集を買ってみました。
いきなり問題集で練習するというより、まずは相手がどれ程の強さか知りたい!と思ったからです。
まだ十分にレベルを上げる前からラスボスに挑むような気分でしたが、全滅覚悟で戦ってみることにしました。
英検とTOEICの違い
英検とTOEICは、問題の構成がまったく違います。
TOEICは前半でリスニング、後半でリーディングがあります。
英検は、前半でリーディング、後半でリスニングがあります。
この時点で、まったくペースが違ってきます。
TOEICは、一番最初のパート1では一番カンタンな写真描写問題から始まります。
英検は、一番最初に一番難しいボキャブラリー問題から始まります。
ここで闘志をくじかれる人が多いです。
次元の違う戦い
僕は英検1級の過去問題集を開いて、最初に、ボキャブラリーパートをサラッと読んでみました。
・・・まったく分かりません。
並んでいる選択肢の英単語4つのうち、3つ~4つ知らないものがあります。
例文の意味も取れません。
TOEICのように、「空欄の前後だけ見て解く」といったことはできません。
そもそもまったく読めないので、「全体の文脈から判断する」ということもできません。
とりあえず、ボキャブラリー問題は一問も分かるものがなかったので、全部飛ばしてどんどん進んでいきました。
長文読解パートも驚くほど長く、内容が難しいです。
TOEICで出てくる長文読解パートの英文は、
・Eメール
・広告
・チャット
・手紙
など、日常で目にする英文が多く、当然、内容も変に難しいものはありません。
でも、英検1級の長文問題には、そんなレベルの英文がはありません。
英字新聞か専門誌から持ってきた、学術的な内容ばかりです。
歴史、科学、地理、社会問題など、取り上げらているトピックもTOEICとはまったく違います。
長文なのに、知らない英単語が多すぎて、まったく読めません・・・
僕は長文問題でひとつも正解を選べませんでした・・・
リスニングの容赦ない長さ
次に、リスニング問題になりました。もうすでに半分以上、意思の力を持って行かれています。
でも、リスニングはさすがにリーディングよりも簡単なはずです!
気合いを入れて挑みました。
ところが・・・・
聞き取れない英単語がけっこうあるのです!!
何を言っているのか?トピックすら分からないものもありました。
英検のリスニングは、問題文が印刷されていません。
なので、TOEICのように問題文を先読みしてトピックを予測することもできません。
驚いたことに、リスニングですら学術的な内容でした。
そして、最後のリスニングでは、3分以上の超長いインタビューを聞いてから、質問文に答えるタイプでした。
TOEICのリスニングでは、最後のパート4でさえも30秒程度の長さです。
軽く6倍以上の長さがあります。
しかも、問題文は印刷されていません。
内容を記憶するしかありません。
英検ではメモを取ってもOKです。TOEICみたく禁止されていません。
でも、ネイティブの本気スピードで話される英語を聞きながら、内容を書き取る事なんて、とてもできませんでした・・・
すべてが終わったとき、僕は失意のどん底にいました。
一問も正解できていない気がしました。たとえ当たったとしても、まぐれ当たりに過ぎません。
そんなのは嬉しくありません。
僕は結果を自己採点をすることをやめました。
もう十分に相手の強さは分かりました。
僕は予想通り強すぎるボスにコテンパンに叩きのめされ、HPがゼロになりました。
そして、教会で生き返り、再出発することにしました。
とんでもない差
それにしても・・・こんなに差があるものなのか・・・
この差は想像以上でした。きっと、TOEIC満点になっても、この差が埋まるとは思えません。
TOEICで僕の知らない英単語はかなり少なくなっていました。
あと90点上げるためには、細かいミスを減らすしかありません。
でも、英検1級は違います。ミスを減らすとは、そんなレベルではありません。
まったく太刀打ちできません・・・・
1点を取ることすらできないのです。
ここまで聞こえない、読めないという経験は、久しぶりでした。
ちょうどTOEIC問題を初めてやった時のような感覚でした。
ちょうど、孫悟空が初めてピッコロ大魔王と戦った時と同じくらいの戦闘力の差を感じました。まるで歯が立ちません・・・
と同時に、僕の中にあるサイヤ人の血が熱くなってくるのを感じました。
これから1年くらいかけて修行したら、どこまで互角に戦える自分になれるのか?
自分の戦闘力には、まだ伸びしろがあるのか?
それを見てみたくなりました。
・・・つづく。
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