From 師範代Shinya(新村真也)
※僕が英検1級にトライした時のストーリーの続きです。
(→前回のつづき)
いよいよ本番の日がやってきました。
音読トレーニングで十分な面接練習を積んだという気持ちはありましたが、それでもやっぱり、本番と練習は違います。
緊張度も違うだろうし、どんなトピックが渡されるか?も、運が関係してきます。
練習の時に、「どうしてもしゃべりづらいトピック」がいくつかありました。
そんなトピックばかりが選択肢に出てきたら、かなりキツいです。
それでもなんとかスピーチを続けるために、練習ではかなり強引に自分の得意領域に引き込む作戦も練っていました。
英検1級の2次試験は、そもそも受験者数が少ないせいか、会場の選択肢がものすごく限られています。
その頃僕の住んでいた静岡から一番近い会場は、東京でした。
いくら近いとはいえ、三島駅から新幹線で1時間、そこから乗り換えて、駅から会場までの徒歩時間も入れると、トータル2時間くらいかかりました。
幸い、面接は13時集合だったので、早起きする必要はありませんでしたが、それでも片道2時間は長いです。
僕は、駅を降りて会場へ向かいながら思いました。
「絶対今回で受かってやる!たった10分の面接を受けるためだけに、また2時間もかけて東京まで来るのはゴメンだ!」
・・・と。
門の前にネイティブが?!
会場は都内の高校でした。英検の会場は、基本的に中学校か高校が多いです。
僕の前を歩いている2~3人くらいの大人の人たちが、パラパラと学校の門に入っていきます。
これは間違いなく、英検の受験者でしょう。
すると、学校の門の前で、30代くらいの背の高い金髪の白人男性が立っているのに気付きました。
入ってくる人たちに、何やら話しかけながら紙を渡しています。
(おぉ!あの人はたぶんネイティブだろうな。面接官かな??英検1級ともなると、面接官が門で出迎えるとか?
いや、そんなバカな!きっとスタッフに違いない。
スタッフにネイティブを雇うとは!さすが東京!さすが英検1級!
もしかして、俺たち受験者をリラックスさせるための粋な計らいなのか?)
そんなことを考えてドキドキしながら、僕は門に向かっていきました。
#ネイティブの正体
僕が門に近づくと、そのネイティブ男性は、僕ににっこりほほえみながら、
「Hello! How are you?」
と声をかけてきました。
もう面接は始まっているのかも知れない!!
と思い、僕は元気よく返しました。
「I’m good thank you! How are you?」
すると、その男性はまた返してきました。
「Pretty good! Thank you! 」
そして、紙を渡しながら言いました。
「Here! This is the information of our school. Good luck!」
(ほら、これが僕らの学校の情報だよ。頑張って!)
紙を見てみると、なんと!!
「英検二次対策専門スクール」
と書いてありました!
彼は英検のスタッフではなく、英検1級の2次対策スクールの講師だったのです!!
なーんだ!!緊張して損したぁ~!!
それにしても、英検1級の2次対策の専門スクールとは・・・なんともニッチなマーケットを狙っているもんだな・・・
と思いながら、そのチラシを眺めました。
基本はネイティブ講師とのプライベートレッスンらしく、受講料もけっこう高めの設定です。
これがビジネスとして成り立つということは、それだけ受験者からのニーズがあるということでしょう。
2次試験のハードル
英検1級の2次試験になかなか受からずに困っている人が多いからこそ、このスクールの需要があるんだと思います。
これは後から知ったのですが、ある人のブログ記事で、
「英検1級の2次試験に10回以上挑戦しているけれども、まだ受からない」
と書いてありました。
1次試験が免除になるのは、1年間で3回までなので、3回連続で落ちたら、また翌年に1次試験から受け直さなければなりません。
これはキツいです!!
このブログ読んだのは後日だったので、試験当日の心理状態には影響されませんでしたが、それでもこの「英検1級2次試験対策専門スクールのチラシ」をもらった時点で、自分がやろうとしていることがとてつもない難関に見えてきました。
「世の中には、これだけの授業料を払ってでも英検1級2次に受かりたい人がいるんだな・・・それだけ難関てことかな・・・」
そんなことを考えながら弱気になった状態で、僕は校舎内に入っていきました。
・・・つづく。
P.S.
ちなみに、これも後から知ったのですが、この時に渡されたチラシの英検1級2次試験専門校、「テソーラスハウス」の創業者は、なんと僕が1次対策&2次対策の両方でお世話になった本の著者、「小林蕗子」先生でした!
やっぱり、小林先生は英検1級対策のプロ中のプロのようです。
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