From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
僕が一番最初に英語学習のメンターにしたのは、歌手のMelody(メロディー)さんでした。(上の写真)
メロディーさんは、僕が英語学習を始めた頃にミュージックステーションなどの音楽番組によく出ていました。
メロディーさんはご両親が日本人なので、見た目は日本人ですが、生まれも育ちもハワイです。
なので、第一言語は英語です。そして、家では日本語で話しているそうなので、第二言語は日本語です。
とはいえ、ミュージックステーションなどの音楽番組に出ているときには、メロディーさんは英語は一切話していませんでした。
日本の音楽番組に出ている時には、ふつうに日本語だけを話していました。
よく英語圏で生まれ育ったバイリンガルの人は、日本語の発音や言葉のチョイスが怪しいことがあるのですが、メロディーさんの日本語は上手で、まったく不自然さはありませんでした。
なので、僕はメロディーさんが英語をしゃべれるということをすっかり忘れていました。
英語でしゃべらナイト
当時、もうひとつ僕がよく見ていた番組がありました。
それは、NHKの「英語でしゃべらナイト」という英語教育番組です。
英語教育といっても、ガッツリ英語レッスンではなく、エンターテイメントの要素が強い内容でした。
国際的に活躍する俳優やミュージシャンなどをゲストに招いてインタビューしたり、英語学習に関して議論したり、おもしろい実験をしたりしていました。
あるとき、英語でしゃべらナイトの番組の中で、海外の音楽番組のMTVのイベントが日本で行われた時の取材映像が流れていました。
たしか、「MTV Japan」 というタイトルのイベントだったと思います。
通路にはレッドカーペットが敷かれていて、周りにはたくさんのファンが詰めかけています。
そのレッドカーペットを、歌手の倖田來未さんや、Aiさんなどの日本人ミュージシャンと、海外からの大物ミュージシャンたちが順番に歩いていました。
その中のひとりにメロディーさんがいました。
初めて聞いたメロディーさんの英語
そこでは、英語でしゃべらナイトの番組を代表して、アメリカ人女性のレポーターがマイクを持って、英語でインタビューをするというシーンがありました。
海外アーティスト、日本人アーティスト問わずに、ひとりずつ短いインタビューをしていました。
倖田來未さんもAiさんも、流ちょうな英語でインタビューに対応していました。
「へぇ~!やっぱり大物アーティストになると、英語は普通に使えるんだなぁ!」
と思いながら聞いていました。
日本人アーティスト3人目のインタビューの時に、メロディーさんが出てきました。
僕はこの時、メロディーさんがハワイ育ちだということをすっかり忘れていました。
そして、英語のインタビューが始まり、メロディーさんが英語で答え始めました。
僕にとっては、この時初めてメロディーさんの話す英語を聞きました。
鳥肌モンの英語!
メロディーさんが口を開くと、僕は驚きのあまり、TV画面に目と耳が釘付けになりました!
メロディーさんは、水を得た魚のように英語をしゃべり始めました。
メロディーさんの話す英語は、僕にはひとつも聞き取れませんでした。
あまりにスピードが速すぎ&発音が良すぎて、まったく聞き取れませんでした。
その前の倖田來未さんやAiさんの話す英語は、僕の耳にも割と聞き取れていました。
でも、メロディーさんは別格でした!ネイティブ発音のあまりの違いにショックを受けました!!
何度も巻き戻し
わずか数秒のインタビューでしたが、その衝撃は今でも覚えています。
ビデオに録画していたので、同じシーンを何度も巻き戻して聞き直しました。
メロディーさんは、英語を話しているときには、明らかに声のトーンが違いました。
日本語を話している時とはまるで別人のような声になっています。
おそらく、声を出す場所が違うんだと思います。
日本語発音 VS 英語発音
日本語はすべての単語の発音が「前に出る」ので、ずっと口の中だけでしゃべっている感じです。
でも、英語は口の中だけでなく、腹の底やノドの奥の方から声を出す単語が多くあります。
なので、英語は音が前に出たり、うしろに引っ込んだりして、「立体的」に聞こえます。
これが、全体的な違いを生み出しているのです。
メロディーさんの話す英語からは、この「立体感」を強く感じました。
あこがれ
この時、僕は初めて「真のバイリンガル」とはどういうものかを思い知りました!
それまでの人生で、本当の意味でのバイリンガルの人を見たことがなかったので、衝撃的でした!
メロディーさんのシーンを何度も見返しながら、
「こんなに自在に日本語と英語を使いこなせるなんて、カッコいい!!」
と感じました。そして、
「いつか、自分もこんな風にネイティブっぽくしゃべれるようになりたい!こんなキレイな発音ができるようになりたい!」
と強く思うようになりました。
それまでは僕にとってメロディーさんは「日本の歌手のひとり」でしたが、この日から、あこがれの対象になりました。
そして、僕の「英語学習のメンター」になったのです。
その先も、僕はこのインタビュービデオを何度も見返して、英語学習のモチベーションアップしていました。
そのビデオをネイティブの先生に見せて、メロディーさんが英語で何て言っているのかを書き取ってもらい、そのセリフをマネしながら言ってみたりもしました。
それから1年後・・・僕は新しく2人目のメンターに出会うことになりました。
・・・つづく。
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