From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
同じシリーズの旧版比較すると、進化ポイントが3つあります。
①イラストが圧倒的に増えて見やすくなった。
②語源を覚える順番がうまくまとまっていて、スッキリ分かりやすくなった
③英単語のセレクト&語源の切り口が、より分かりやすくシャープになっている
今回は、②と③について詳しく見ていきましょう。
②語源を覚える順番がわかりやすい
まず、旧版の方では、もくじを見るとこんな感じでした。
↓↓↓
語源がAからアルファベット順に並んでいます。
実は語源パーツは、2種類あります。
英単語の前の方につく「接頭辞」というものと、後ろの方につく「接尾辞」というものです。
頭=前、尾=後ろ、なので分かりやすいですね。
contract という英単語を分解すると、
con 接頭辞(共に)tract 接尾辞(引く)
という2つに分けられます。
旧版では、この接頭辞も接尾辞も全部一緒に混じった状態で、アルファベット順に学んでいくスタイルでした。辞書と同じ発想です。
一方、今回の進化版のもくじを見てみると、こんな感じです。
↓↓↓
1つの同じ接頭辞で、1つのチャプターにまとめられています。
チャプター1には、「ad」 という接頭辞を持つ英単語が13個入っています。
そして、「ad」 と結びつく接尾辞が、13種類解説されています。
このページでは、「ad(~の方へ向かって)」という接頭辞と、「mini(小さい)」という接尾辞を組み合わせた、「administer(仕える、執行する)」という英単語をメインの見出し語にしています。
一方で、右側ページには、「mini(小さい」の接頭辞を使った他の英単語のバリエーションが4つ紹介されています。
minister(大臣)は、英語では「国民に仕える小さな人」という語源です。
一方、日本語の「大臣」という漢字からは、なんとなく「大きくてスゴい人」というニュアンスを感じます。
真逆の発想で、面白いですね!
繰り返しのパワー
このページの作りは、すごく計算されて作られている!と気付きました。
それは、「繰り返しのパワー」です。
英語学習は、何だかんだで「反復すること」でのみ上達するジャンルです。どんなに効率的な学習法でも、反復することなしに上達はあり得ません。
この本には、「繰り返し効果」が自然に起こる仕組みが施されています。
まず、チャプター①-1をやると、さっきの「mini」を違う英単語の中で4回反復することになります。
そして、次のページではまた「ad(~の方に向ける」を使った英単語が出てきます。
つまり、チャプター①を終わらせる頃には、「ad」を使った英単語に13回出会うことになるのです。
チャプター①を終わらせることで、「ad」を13回、その他の接尾辞を4回ずつ反復することになります。
繰り返し出会うことで、1回さらっと読んだ時よりも、ずっと定着しやすくなります。
③英単語のセレクトが分かりやい
次は、見出し単語のセレクトです。
もう一度、もくじを見てみましょう。
↓↓↓
ある程度の英語力がある人が見れば分かるかもしれませんが、見出しの英単語のセレクトが実によく考えられています。
・TOEICテストによく出る英単語
・ビジネスでよく使う英単語
・英字新聞でよく見かける英単語
が厳選されているのが分かります。
しかも、「よく出るけど、覚えるのに苦労しやすい英単語」ばかりです。
これはきっと、著者の清水健二先生の40年に渡る英語指導と、これまで何冊もの語源学習法の本を執筆してきた経験から来ていると思います。
詳しく見れば見るほど、鳥肌ものの素晴らしさです!!
どうやって使うのか?
とはいえ、この手の辞書的な位置づけの本は、
「具体的にどうやって使うのか?」
が明確でないことが多いです。
ただマンガを読むようにパラパラとめくりながら1周するだけでも、ある程度は覚えることはできるでしょう。
でも、そこで終わりにしたら時間と共にすぐに忘れてしまいます。
次回は、この本をフル活用するために、僕が語源学習法をどうやってふだんの英語トレーニングの中に取り入れたか?その具体的な手法をお伝えします。
・・・つづく。
動画レビューもご覧ください。
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