from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
英語の絵本が全然読めずに撃沈した僕は、この本をオススメしてくれたアメリカ人男性の先生のレッスンをもう一度予約して、分からない部分を聞いてみることにしました。
僕:「この間、オススメしてくれた絵本が届いたよ!」
先生:「ついに届いたんだ!どうだった?娘さんにも読み聞かせてみた?大人にもためになる内容でしょ?」
僕:「それが・・・実は知らない英単語が多すぎて・・・読み聞かせがうまくできなかった。全体の意味もまだ取れてなくてさ・・・ショック!!」
先生:「え~!マジ?!」
僕:「マジ。子供向けの絵本が読めないのは、ヘコむわ~」
先生:「え?どの辺が読めないの?」
僕:「半分以上!辞書で調べても出て来ない英単語もけっこう入ってて、ビックリした。一応、自力で調べられる部分は意味が取れたんだけど、どうしても分からない部分があるから、教えてもらえる?」
先生:「もちろん!俺、この本大好きだから、どのページでも詳しく解説できるよ!」
僕:「ありがとう!まずはこのページのbuglyっていう英単語。これは辞書にもネットにも載ってなくて・・・」
先生:「あーこれね!これは、ugly の派生語で、very ugly (とても醜い)って意味だよ。」
僕:「えーそうなの!!その直前にuglyってあったから、また違う意味なのかと思った。」
先生:「あ、これは、韻を踏んでいる感じで、同じ意味の言葉を並べてるんだよね。ugly,
bugly で、確かに同じ意味になっちゃうんだけど、醜い、超醜い、みたいな。」
僕:「ちなみに、後ろにfearって付いてるけど、超醜い恐怖って何?」
先生:「あ~!これはね、どっちかっていうと、不快でイヤな恐怖って感じ。」
僕:「なるほど!自分でも見たくないほど不快な恐怖ってことか!」
先生:「そうそう!!」
聞かないと分からない表現
こんな感じで、僕は先生に1つ1つ聞いていきました。
先生は、さすがにこの本を読み込んでいるだけあって、すぐに意味を詳しく解説してくれました。
僕が分からなかった表現は、
①幼児語のバリエーション(辞書に載っていないもの)
②知っている英単語同士の、見たことのない組み合わせ(意味が取れない)
③シンプル過ぎて、何を言っているのか分からない部分(韻を踏む英単語を並べているだけの部分)
の3パターンでした。
先生は、これらをすごく分かりやすく解説してくれました。
たとえば、幼児語の中の動物の鳴き声の擬音語(ガルル~、キーキーなど)なら、モンスターの鳴き声をリアルに実演してくれたりしました。
おかげで、すべての疑問が解決して、この本が何を言おうとしているのかが分かりました。
ネイティブの領域
一通り先生の解説を聞いた後、思ったことは、
「こりゃ、ネイティブじゃないと分からんわ!」
ということです。
ネイティブは、赤ちゃんの頃からこういった幼児語を使って育っています。
幼児語から覚え初めて、徐々に大人用の英単語を覚えていくのです。
でも、僕たち日本人は中学生(最近は小学生も)になってから第2言語として英語を学び始めます。
第2言語を学ぶのに、わざわざ幼児語から覚える理由はありません。
逆パターンで考えても、たとえば日本に移住した外国人の大人を相手に、日本人教師が、「何事も基礎が大事だから」という理由で、
「マンマ、あんよ、ねんね、ニャンニャン、ポッポ」
などの幼児語から教えても、日常生活で使う場面がありません。
いくら「基礎から教える」と言っても、大人にとっての基礎は、幼児にとっての基礎とは違うのです。
大人にとっての基礎は、「大人の言葉遣い」で教えるのが実用的です。
日常生活の用語を身に付けたら、次はビジネス表現を覚えて、ニュースで使われる表現を覚えて、さらに若者が使う俗語を覚えて・・・というような流れが多いでしょう。
日本語も英語も、第2言語として学ぶ場合は、「幼児語を学ぶ機会はない」ということです。
それが、第一言語で学ぶネイティブとの決定的な違いです。
余談ですが、今回自分の手持ちの電子辞書で幼児語を調べてみて気付いたことがあります。
英語の幼児語は、あまりヒットしませんでした。
ジーニアスの英和大辞典でも、オックスフォード英英辞典でも、幼児語の収録語数は少なめな印象です。(今回の絵本の収録英単語のケースでは)
一方で、広辞苑などの日本語辞典では、日本語の幼児語はかなりのバリエーションが収録されていました。
もしかして、西洋人に比べて日本人は、「幼児語を大事にする文化」を持つ民族なのかも?!と思いました。
ジャンルが違うから、ゼロから学ぶ必要がある
今回、僕が感じたことは、英単語の種類は単に「レベルが高い、低い」で表すことができない、ということです。
・暫定、批准、籠城、などの難しい英単語を知っている=ボキャレベルが高い
・マンマ、あんよ、ねんね、などの幼児語を知っている=ボキャレベルが低い
とも言い切れないのではないか?と。
ジャンルが違えば、ゼロから学び直す必要があります。
英字新聞は読めるけど、英語の絵本は読めない、ということは普通に起こります。
海外映画やドラマでも、「刑事モノは理解できるけど、医療モノはさっぱり。」「ホームコメディーは理解できるけど、SFの宇宙系はまったく理解できない」ということが起こるのが普通です。
大事なのは、自分が今、何に興味があるか?です。
そして、どんなにTOEICの点数が高くても、知らないジャンルの英単語は、ゼロから学び直す必要があります。
僕は今、せっかく絵本の読み聞かせをする立場になったので、娘が小さいうちは、英語の幼児語を学んでみようと思います。
といっても、「幼児語辞典」のようなものを買って覚えるのではなく、あくまで読み聞かせ(音読)の中で出てきた英単語を、文章の中で覚えるスタイルで行こうと思います。
これまで僕が英単語を身に付けてきたのと同じように。
(完)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
P.S.
今回の絵本「Talk about the monster」は、本当に大人にとっても学びのある内容です。
大人の心にもある恐怖や不安(心に巣くうモンスター)を、ステップバイステップで小さくしていく方法が載っています。
最初は手に負えないほどの恐怖でも、ページをめくるごとに恐怖の正体を明らかにしていき、絵本を読み終わる頃には、自分でコントロールできると感じられるようになるまで小さくしてしまう、という内容です。
子供に読み聞かせながら、大人も勇気をもらえる絵本です。オススメです!
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
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