From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕がジーンズショップで働いていた頃、初めて英語のテキストを買って外国人のお客さん相手の英会話を経験した時のエピソードの続きです。
アグレッシブな黒人男性にガンガン話しかけられて、分からずにボロボロになる経験をしてから、僕の中にあった緊張感は一気にゆるんでいきました。
今思い返せば、ですが、実戦で英会話をしようと思った場合、「相手の言っていることが聞き取れないかもしれない」という恐怖は常につきまといます。
これは、自分の英語レベルが上がっても、変わりません。なぜなら、自分の英語レベルが上がると、相手のネイティブもしゃべる内容のレベルを上げてくるからです。
「聞き取れないかもしれない」という恐怖を克服する方法
恐怖を克服する方法はただひとつ、「恐れていることを経験してみる」ことです。
「相手の言っていることが聞き取れないのではないか?」
という恐怖を克服するには、
「相手の言っていることが聞き取れない状況を経験してみる」
しかありません。そもそも、聞き取れないのが恐いという気持ちは、自分のプライドから来ていることが多いです。
聞き取れない自分=カッコ悪い
という図式です。でも、一度プライドを捨ててカッコ悪い自分を経験すれば、開き直れます。
一度「ぜんぜん聞き取れない状態」を経験してしまうと、そんなに恐れるほどでもないことに気付いたりするのです。
たしかに、今回の僕のように、相手のネイティブに「ハァ~!」とか大きなため息をつかれたら、恥はかくかも知れません。
でも、そんなこと相手はすぐに忘れてしまうだろうし、僕のそんな姿を見ているスタッフだって、僕が思うほど気にしていないかもしれません。
むしろスタッフは、「外国人にからまれて新村さん可哀想」と思ったり、「あんなに話しかけられても新村さん耐えててスゲー!」と思ってもらえるかもしれません。
僕は、アグレッシブな黒人男性に恥もプライドもこっぱみじんに打ち砕かれたことで、肩の力が抜けて、店内にいる他の外国人客に対して話しかけるのが恐くなくなってきました。
初めてこっちから声をかける!
僕は、商品整理をしながら、店内を少しずつ移動して、米軍のお客さん軍団に近づいていきました。
他のスタッフや店長は、米軍兵士のお客さんを恐れて、最も遠いレジカウンターに移動して動こうとしません。
どうやらレジカウンターから僕の動きを見守っているようでした。
僕は、思いきって彼らに近づき、一番最初に目が合った白人の背の高い男性に笑顔であいさつしていみました。
「いらっしゃいませ = May I help you?」と接客フレーズブックには書いてあったのですが、同じように、「Hello!」でも良いとも書いてありました。
そこで僕は、よりハードルの低い方を使ってみることにしました。
僕:「Hello!」
その男性はにっこりと笑って、静かな声で
「Hello!」
と返してくれました。
あいさつはそれだけで終わったのですが、僕の中では大きな一歩でした!
セリフは同じでも、心の状態はぜんぜん違う!
過去2回は完全に受身だったのに、今回は初めて、「自分から声をかける」ことができたのです!!
やってみて分かったのですが、この差は想像以上に大きいです。
・むこうから、「Hello!」 と言われて、焦って「Hello!」と返す。
・こっちから笑顔で「Hello!」と声をかけて、むこうが「Hello!」と返してくる。
この2つは、かける言葉の内容は同じで、順番が違うだけです。
でも、この順番がすごい影響力を持つのです!こちらの精神的な余裕が大きく変わってくるのです!
自分から声をかけた時には、なんというか、緊張があまりありません。
しかも、気のせいかもしれませんが、自分が会話の主導権ををコントロールできるような気持ちになってくるのです。
これは、今回初めてトライしたことで分かった、貴重な体験でした。
調子に乗った僕は、グイグイと米軍兵士のグループのいるエリアに入っていきました。
まずは相手を見て、目を合わせること自体に慣れよう!と思ったのです。
・・・つづく。
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