From 師範代Shinya(新村真也)
※僕が「英語セミナー撮影用」のビデオカメラを買おうとした時の話の続きです。
(→前回のつづき)
先日、ヤマダ電気のビデオカメラ売り場に行きました。
自分の中で決めた「英語セミナー撮影用ビデオカメラの4つの条件」は、
①背景がボケず、全体にまんべんなくピントが合う
②良いマイクが付いていて、音声をクリアに録音できる。
③何時間でも連続撮影できる。
④軽くて小さくて、持ち運びが便利
です。この条件を満たすものは、きっと最新型の上位モデルに違いない!と思ったのです。
売り場に行くと、50代くらいの優しそうな雰囲気の男性店員さんが話しかけてきました。
僕は電器屋さんで接客されそうになった場合、ふだんは、「見てるだけなので・・・」と言って断るのですが、今回は色々と相談してみることにしました。
店員さんとの会話
僕:「僕は仕事でセミナー講師をしているのですが、自分のセミナーを撮影するのに使うビデオカメラを探しています。」
店員さん:「セミナーの撮影ですか。ということは、三脚に固定して撮るということでしょうか?」
僕:「そうです。手持ち撮影することはありません。」
店員さん:「なるほど。では、ソニーのビデオカメラではなさそうですね。」
僕:「ソニーはオススメじゃないんですか?」
店員さん:「ええ、ソニーの強みは、手ぶれ補正機能です。ソニーはどのメーカーよりも、手ぶれ補正に力を入れています。その分、値段も高くなっています。」
僕:「そうなんですか。」
店員さん:「逆に、三脚に固定して使うだけなら、同じ価格帯で他のメーカーから選んだ方が対費用効果が高い気がします。」
僕:「他のメーカーでオススメはどこですか?」
店員さん:「パナソニックですね。ビデオカメラは今は、ソニーとパナソニックがメインです。」
僕:「ちなみに、パナソニックのビデオカメラでオススメはありますか?」
超お買い得品!
店員さん:「パナソニックはちょうど来月、新しいモデルのラインナップが発売されるので、このあたりの現行モデルは半額以下になっていますよ。」
僕:「マジですか?!」
店員さん:「この最上級モデルは、定価は16万円ですが、今は7万円台まで落ちています。」
僕:「16万円が7万円!?」
僕の心は大きく動きました。
16万円もするモデルが7万円で買えるチャンス?!
店員さんが指さしたモデルは、これでした。
↓↓↓
Panasonic デジタル4Kビデオカメラ WXF990M 64GB ワイプ撮り あとから補正 ブラック HC-WXF990M-K
パナソニックの最上級モデルなら、間違いなさそうです。しかも、見た目のゴツさの割には、持ってみると意外に軽いのです!
これはいいかも!!
僕は嬉しくなってきました。
まさかの展開!
そこで僕は、バッグに中に入れてきた「自分が普段使っているワイヤレスピンマイク」を取り出して、尋ねました。
僕:「これをふだん仕事で使っているんですが、差して試し撮りしてみていいですか?」
店員さん:「もちろんですよ!じゃあ、私が撮りましょうか?」
僕:「お願いします。」
店員さんが僕のマイクをビデオカメラ本体の入力端子に差し込みました。
店員さん:「OKです。しゃべってみてください。」
僕:「はい!あー、あー、あー、ただいま、マイクのテスト中。ただいま、マイクのテスト中。」
店員さん:「ん??」
僕:「ん??」
僕らは、一瞬目を見合わせました。
液晶画面には、何も表示されていません。
僕の持っているCanonのハンディカムの場合は、マイクを差すと必ず画面に「音声ボリュームゲージ」が出てきます。
そのゲージは、マイクに向かって話すと、上がったり下がったりします。
それが動いているときには、マイクがしっかりつながっているという意味です。
マイク内の電池がなくなった場合も、そのゲージが反応しなくなるのですぐに分かります。
でも、この最新型の最上位モデルには、ゲージが見当たりません。
店員さんは、もう一度マイクを抜いて、差し直しました。
・・・画面上には何も起こりません。
僕:「接触が悪いんですかねぇ?」
店員さん:「いや、そんなはずは・・・ちょっと試し撮りしてみましょうか?もういちどしゃべってもらえますか?」
僕:「はい!あー、あー、あー、ただいま、マイクのテスト中。ただいま、マイクのテスト中。」
店員さんが、再生ボタンを押します。
すると・・・
「あー、あー、あー、ただいま、マイクのテスト中。ただいま、マイクのテスト中。」
スピーカーから僕の大きな声が聞こえてきました。
店員さん:「あ!入ってますね!」
僕:「ですね!でもこれ、入ってるかどうかを確認するゲージはないんですか?表示設定とかで変えられませんかね?」
店員さん:「やってみましょう!」
その後、10分くらいビデオカメラと格闘して、他の店員さんも呼んであれこれやっていましたが、結局、
「ゲージは出ない」
という結論に達しました。
新しくて値段の高いもの=一番良いとは限らない
(え~!!マジ?!)
僕は心の中で叫びました。最新モデルの最上位機種なのに・・・そんなことってあるの??
僕:「僕の持っているキャノンの一番安いエントリーモデルでさえ、マイクを差すとゲージが出てくるんですよ。モデルチェンジ前とはいえ、最新型で最上位モデルなのに、こんなことってあるんですね。」
店員さん:「そうねすね、実は、パナソニックさんのビデオカメラは、映像の方に力を入れていまして、外部マイク自体も今後はなくすかも?という方向に向かっているらしいんですよ。」
僕:「そうなんですか?」
店員さん:「とりあえず、来月出る新型には外部マイクは付いているらしいんですが、パナソニックさんは外部入力にはあまり力を入れていない気がしますね。そもそも使う人が少ないですからね。」
僕:「えー!そうなんですか・・・」
店員さん:「このあたりの高い上位モデルは、主に映像のキレイさとか、手ぶれ補正とかに力を入れているのが現状です。」
僕:「ちなみに、それはソニーでも同じですか?」
店員さん:「ソニーの方は、空間光学手ぶれ補正っていうスゴい機能があるんですけど、そっちに開発費をかけてるんで、価格が高いんですよ。このあたりのモデルでも10万円越えてきますからね。
もし手持ち撮影で屋外で使うのがメインなら、この価格に見合った投資になるんですが・・・お客さんの場合だとほとんど三脚固定で使うんですよね。正直、もったいない気がします。」
僕:「そうですか・・・ちなみに、どのモデルにも、4Kって書いてあるんですが、僕はネットに動画をアップして生徒さんに見てもらうのが目的なんで、4Kは必要ないんですよね。YouTubeにアップできる画質は、ふつうのフルHDが限界なんで。」
店員さん:「そうなんですね。そうなると、ますます選択肢が狭まりますね。
ビデオカメラを買う人たちは9割が「運動会」を撮る
今のビデオカメラの需要の9割以上が、運動会とかの学校行事用なんです。
お父さんが、いかに我が子の勇士をキレイに撮るか?っていう部分にフォーカスして、機能が進化してるんです。
撮影した運動会を、後からテレビの大画面で見るのが目的ですからね。
そうなると、画像のきめ細かさだったり、手ぶれ補正機能だったりっていうところでお客さんの満足度が決まるんで、メーカーも力を入れているんですよね。」
僕:「なるほど~!僕にとっては、手ぶれ補正もいらないし、4Kで撮れる必要はないんですよね。
センサーサイズが大きくて室内でも明るくクッキリ撮れるやつがあれば、ふつうのフルHDモデルでいいんですよね。」
店員さん:「う~ん・・・ふつうのフルHDモデルは、今は逆に数が減って、各メーカーとも2機種ぐらいしか出してないんですよね。しかも、そういうのはみんなエントリーモデルだから、センサーサイズは小さいし・・・」
僕:「もしかして、僕の仕事ような特殊な需要を満たすビデオカメラは、家庭用ハンディカムではないのかもしれませんね。」
店員さん:「そうですねぇ。少なくとも、この売り場にあるもので、お客さんの条件にマッチしたモデルはなさそうです。」
僕:「了解しました!勉強になりました!ありがとうございます!」
僕は、ある意味スッキリした気分で、お店を後にしました。
(無理に売りつけるのではなく、真実を伝えてくれる、良い店員さんに当たったな!)と僕は思いました。
それにしても、自分が今まで1年間使ってきたキャノンのハンディーカムのエントリーモデルが、今の自分の使い道にいかにマッチしているか?を改めて思い知る結果になりました。
「価格の高いモデルを買えば間違いない」と思っていましたが、僕のように「英語セミナーを三脚で撮影する」という特殊な目的の場合は、高いモデルの方が逆に使いづらいことが分かりました。
高い上位モデルに付いている新機能は、僕が使うときにはまったく力が発揮されないため、完全に「宝の持ち腐れ」になることがハッキリしました。
僕は家に帰った後、今回の学びをまとめるため、自分なりの「レポート」を作っておくことにしました。
実はそのレポートが、今回の僕のビデオカメラ探しの旅の中でまったく予想していなかった「究極の答え」を見つけるカギになるとは、この時には夢にも思っていませんでした・・・
・・・つづく。
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