From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
1年間、十分なトレーニングを積んだ僕は、いよいよ本番のテストを受けることにしました。
英検は、受験級が上がるごとに値段が上がっていきます。
一番上の英検1級は、受験料が最も高くて、8,400円もします。TOEICの約2倍です。
それだけに、「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」的な作戦は取りたくありませんでした。
それに、難易度から考えても、がむしゃらに受けまくりながら「まぐれ当たり」を狙って受かるようなテストではありません。
マシンガンを乱射するような戦い方ではなく、スナイパーライフルで急所を狙い撃ちするような戦い方でなければ、勝てないと思いました。
なので、この1年間、僕は「スナイパー」としての腕を磨いてきました。
・コーパスデータを使って「英検1級に出る英単語だけ」を集めた英単語帳、「キクタン英検1級」を3周回しました。
・社会問題の時事ネタに強くなるために、英字新聞を2誌、定期購読してきました。
・長くて複雑な構文も理解できるようになるために、「速読速聴英単語 Advanced 1000」も2周回しました。
そして、これらの作戦がどれくらい通用するのか?を試すために、英検1級の過去問題集を解いてみました。
過去問で合格点に達しなければ、本番を受けても「ムダ死に」する可能性が高いと思ったからです。
過去問
英検1級の過去問は、本番と同じ難易度を体験するのに最も良いテキストです。
僕は、過去問が6回収録されているものを買いました。
CDと別売りでかなり高くてビックリしました。
テキストとCDを両方合わせて、6,000円近いコストです。
でも、これ以外に選択肢はないので、しぶしぶ買いました。
解いてみた結果
過去問は、最初の3回分は時間を測ってやるのではなく、電車の中やすきま時間で、ちょこちょこ解くスタイルでやりました。
1問あたりの負荷が高いので、その方が無理せず進められると思ったからです。
ものすごく難しくて撃沈しても、すきま時間なら、精神的なダメージが少なくて済みます。
仕事帰りの電車の中で一問解いてみてショックを受けても、帰って夕飯を食べれば、気持ちは復活します。
そんな感じで、おそるおそる少しずつ解いてみた結果、自分の力がかなり上がっていることに驚きました!
・最初のボキャ問題パートはほとんど正解できました。
・リーディング問題は、かなり読めるようになっていて、分からない部分も前後の文脈で意味を推測できるようになっていました。
・リスニングは、イギリスなどの慣れない発音の人はいるものの、ギリギリ正解を選べるくらいの理解度でした。
・最後の作文は、もともと英会話力(発信力)を磨いてきた僕にとっては、やりやすい部分でした。
という感じでした。
ギリギリのライン
過去問を解いた後に答え合わせをしてみると、
1回目:ギリギリ合格
2回目:不合格A
3回目:余裕で合格
4回目:不合格C
みたいな感じで、回によってかなりのバラつきがあることが分かりました。
その理由を探ってみると・・・
できる時とできない時の違い
①長文のトピックが、自分がまったく知らないジャンルだったり、興味の無いジャンルの場合、ほとんど理解できない。
②リスニングの問題が、たまにものすごくマニアックで専門的なトピック問題が出ると、まったく聞き取れない。
ということが分かりました。
特に配点が高い「大問」を落とすと、全体の点数に大きく影響します。
リスニング問題で「カメの甲羅に含まれる成分」について語られた時には、まったく理解できずにお手上げ状態でした。
これとは逆に、自分が得意なトピックの場合は、長文でもリスニングでも驚異の理解力と集中力を発揮して、正解を選ぶことができました。
たとえば、ある回の長文問題は、
「マジシャンが演技中に使っている心理テクニック」
に関する研究文書でした。
これを読むのは、マジシャンの僕にとっては朝飯前です。
試しに本文を読む前に質問文だけを読んで、どれだけ正解できるか試してみましたが、案の定、2問は正解できました。
本文を読むスピードも、かなり早く、理解度も他の文章に比べて圧倒的に高くなりました。
僕はこのとき、「背景知識」がいかに英文の理解度に影響を与えるか?を改めて思い知りました。
とはいえ、ここはもう、運もあります。
本番テストで自分の得意なトピックが出るかどうか?
それはやってみなければ分かりません。
合格率が50%なら、本番を受けてみる価値はありそうです。
僕は思いきって、次回の英検1級本番テストに申し込みました。
・・・つづく。
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