From 師範代Shinya(新村真也)
※僕が英検1級にトライした時のストーリーの続きです。
(→前回のつづき)
英検1級の2次試験の面接を何としてでも1発合格したかった僕は、本番の戦場に繰り出す前に、仲間の助けを借りることにしました。
僕が助けを求めたのは、2人のサムライでした。
1人目は、僕が知る中で唯一の男性で英検1級ホルダーのダイスケさん。
2人目は、僕が英会話スクールに入学してすぐに友達になったケイタ。(TOEIC875点)
この2人とは、たまに集まってダイスケさんの家で一緒に音読トレーニングをしたり、近況報告をし合ったりしていました。
そこで今回、僕の英検1級2次試験対策として、ダイスケさんの家に集まって僕をトレーニングして欲しいと頼みました。
2人とも、快くOKしてくれました。
やっぱり、英検1級に受かりたければ、英検1級を持っている人に聞くのが一番です。
ダイスケさんの本
ダイスケさんの家に入ると、本棚に色んな専門書が並んでいるのが見えました。
相変わらず、難しそうなジャンルの本ばかり並んでいます。
ダイスケさんの仕事は、地元ではかなり有名な工業製品メーカーの「技術翻訳」です。
英語力だけではなく、エンジニアリング領域の専門知識が要求されます。
僕:「ちょっと読んでみても良いですか?」
ダイスケさん:「もちろん!いいよ。」
本棚の中の1冊を手に取ってパラパラと眺めてみました。
・・・わからない
・・・知らない英単語ばかりです。
ケイタにも見せてみました。
ケイタはけっこう知っている英単語があるらしく、
「あ、これは知ってる!これも知ってる!」
と反応しています。
ケイタは理系が専門なので、TOEICに出ないようなハイレベルの英単語でも、自分の領域であればマニアックな英単語は知っているようです。
う~ん・・・自分も英検1級の筆記試験に受かる過程で、かなりマニアックな英単語を覚えてきたつもりでしたが・・・
でも、ダイスケさんの本はさっぱり読めません・・・
俺もまだまだだな・・・
そう思いながら、本をそっと本棚に戻しました。
すると、ダイスケさんが言いました。
ダイスケさん:「シンちゃんもやっとこっち側に来たね。まあ、あともう一踏ん張りだけど。まあ、面接は楽勝で受かるっしょ?」
僕:「なんとか1発で受かりたいですね!そのために今日はトレーニングしてもらいに来ましたから!それにしても、この本、今の自分にもまったく読めませんでした。」
ダイスケさん:「英検1級に受かるのは、スタート地点だよ。そこからどれだけ自分の専門領域のボキャブラリーを増やせるかが勝負だね。」
僕:「マジですか?!分かりました!ここがスタート地点ですね。」
ここがスタート地点かぁ・・・やっぱ英語を使うプロは知識量がハンパないな!
そう思いながら、ダイスケさんの話を聞いていました。
英検の面接
英検の面接では、「アドリブで話す力」が必要とされます。
合格しやすくなるための戦略はある程度のはあるのですが、それでも1次試験の紙のテストに比べると、対策が練りづらいのが特徴です。
1次試験の作文パートもそうだったのですが、
「自分でゼロから文章を作り、それをモデル解答と照らし合わせてジャッジする」
というのは、かなり対策が練りづらいです。
そもそも合格点に達しているのか?
が分かりません。
でも、ダイスケさんとケイタの2人がいれば、本格的なスパーリングができます。
「ダイスケさんなら、僕のスピーキングで本番に受かるかどうか?をかなり正確にジャッジできるのでは?」
と思いました。
また、英検の面接員は、準1級までは教室内に1人です。1対1で英語でトークをします。
でも、英検1級は違います。
受験者1人に対して、面接員が2人いるのです。
その2人が、矢継ぎ早に受験者に戦いを挑んできます。
2人の面接員の役割
1人目は、「突っ込み担当」です。僕が言った意見を、さらに掘り下げて質問してきます。
「今、あなたが言った○○ですが、もし○○が○○だったらどうなるか、詳しく説明してください。」
みたいな感じです。
もし自分が中途半端な意見を言った場合、この1人目の質問に答えられなくなります。
2人目は、「反論担当」です。僕が言った意見に対して、ガンガン反論してきます。
これが一番怖いです!反論されたら、すぐに切り返しトークで反撃しなければなりません。
欧米では、子供の頃から学校でこういう「debate(ディベート)」と呼ばれる意見交換の訓練を受けます。
でも、日本人の僕はそういうのにまったく慣れていません。
僕が今までいた会社では、会議中に反論なんて許されない雰囲気でした。
「会議ってのは、決められたシナリオ通りに進んでいくのを、ただ黙って聞くものだ。余計な意見を言うな。」
と教え込まれてきました。
そんな考え方を、ここでは真逆に転換しなければなりません!
そのために、僕はダイスケさん&ケイタの2人にお願いしたのです。
僕らはさっそく、「僕をボコボコにするためのスパーリング」を始めました。
・・・つづく。
コメントを残す