【ワナバって何?!:教科書英語と実戦英語の違い②】

From  師範代Shinya(新村真也)

前回の記事で、「実戦で使われるセリフの違い」についてお伝えしました。

 

日常会話では、ネイティブの人たちは省エネモードで話すため、僕らがテキストで習ったフレーズとはまったく違う短いフレーズで代用してくることがよくあるのです。

 

今回は、レストランとは別の状況で僕がカナダでピンチに陥った時のエピソードをシェアします。

 

スーパーでのできごと

僕がカナダでホストファミリーと一緒に大型スーパーに買い物に行ったときのこと。

 

僕らは超広い店内を歩き回り、どデカいショッピングカートに、これまたどデカい朝食用コーンフレークの箱やその他食材を積んで、レジに向かいました。

 

ホストファーザーのジョンが僕より一歩前にいて、レジでお金を支払っていました。

 

店員さんはやる気のない表情で、商品を荒々しい手つきでピッ!ピッ!っとスキャンしながらカゴにぶち込んでいきます。

 

その間、一言も発しません。

 

日本のスーパーだったら、

 

「○○が1点、○○が2点・・・」

 

とか、商品名と点数を読み上げながら確認していくのが普通です。

 

でもここカナダでは、「無言」が普通です。

 

なんて態度が悪いんだ!っと思うようなら、まだカナダのカルチャーに馴染んでない証拠だ!と自分に言い聞かせて、僕は店員さんの動きを観察していました。

 

すると、最後に店員さんが、超速いスピードで、

 

「ワナバ?」

 

と言いました。

 

え?何?と思っていると、ジョンが一言、

 

「No!」

 

と言いました。

 

今のやりとり、何だったんだろう??

 

後でジョンに聞こう!と思っていたのですが、カートを押して荷物積め終わる頃には、僕はそのことをすっかり忘れていました。

 

また同じセリフ!

それから1週間くらいして、僕はバンクーバーのダウンタウンの雑貨屋さんに行きました。

 

すると、店員さんがお会計中に、僕に向かって、

 

「ワナバ?」

 

と言ってきました。

 

(あ!このフレーズは!!前にも聞いたぞ!)

 

と思い、すかさず聞き返しました。

 

僕「Excuse me?(もう一度言ってもらえますか?)」

 

店員「ワナバ?」

 

(ぬぬっ!分からん!てか、しゃべるスピードさっきと変わってない!)

 

僕「Sorry?(もう一度言ってもらえますか?)」

 

店員「ハーーーー・・・(←デカいため息)ワナバ?」

 

(ぬぬ!なんて態度悪いんだ!何度聞いても分からんぞ!!)

 

僕「Could you speak more slowly? (もっとゆっくりしゃべってもらえますか?)」

 

店員「チッ!(←舌打ち)・・・Next!(次の人!)」

 

その女性店員さんは、ついに僕を無視して、僕の後ろに並んでいる人のお会計を始めたのです!!

 

な!なんて態度だ!!コノヤロ~!

 

結局、「ワナバ?」の意味はわからずじまいでした。

 

こんどこそ!言えに帰ったらジョンに聞いてみよう!と思っていたら、家に帰る頃にはそんなイヤな出来事はすっかり忘れていて、聞きそびれてしまいました・・・

 

またまた!!ここでも!

その後しばらくして、僕は家の近くの小さなスーパーに、ポテトチップを買いに行きました。

 

カナダのポテトチップは、巨大です!袋のサイズは日本の3倍以上のデカさです!

 

それをひとつだけ持ってレジに行きました。

 

お会計の最中に、店員さんが言いました。

 

「ワナバ?」

 

(ぬぬっ!また出たな!ワナバめ!!よし!何度でも聞き返してやるぞ!)

 

僕「Sorry?(もう一度言ってもらえますか?)」

 

店員「ワナバ?」

 

(わかんねー!!きっと俺の知らない単語なんだろう。もう、こりゃお手上げだ!)

 

僕「Sorry, I don’t understand.(すみません、わかりません)」

 

すると店員さんは、首を横に振りながら、無言で、僕にポテトチップの袋と、ビニール袋を手渡してきました。

 

ん?ポテトチップスひとつにこんな袋はいらんぞ!こんな袋・・・袋・・・あっ!もしかして!!

 

「バ」=bag=袋か!!

 

英語では、ビニール袋のことを、「plastic bag」と言います。

 

ってことは・・・「ワナ」は「want a」か?

 

あっ!もしかして!!

 

「Do you want a bag?(袋はいりますか?」

 

って聞いてたのか?

 

急いで店員さんのところに戻って、聞きました。

 

僕「Did you say ‘Do you want a bag’?(今さっき、Do you want a bag?って言いました?)」

 

店員「Yeah, you got it!(そうだよ。分かったじゃん!)」

 

どうやら、

 

Do you want a bag?

 

というセリフの、「Do you~」の部分をはしょって発音していたらしいということがここでやっと分かりました!

 

教えてくれない

この3回連続の苦い体験を通して僕が分かったこと。それは、

 

「現地のネイティブ(特にスーパーなどのレジ係)は英語を教えてくれない」

 

ということです。

 

別に丁寧に教えてくれなくてもいいから、僕が何度か聞き返したら次からの言い方を変えたり、スピードをゆるめたりして欲しい!と思うのは日本文化から抜け切れていない証拠かもしれません。

 

ほとんどの場合、聞き返してもイヤな顔をされて、無視されて終わります。

 

もちろん、高級ホテルや一流レストランではそんなことはないと思いますが、地元密着型のスーパーや雑貨屋さんの店員さんは「ゆっくりしゃべったり、やさしいフレーズで言い直してくれない」ということを、僕は身を持って思い知りました。

 

・・・つづく。

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