From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダにビジネス留学していた頃の体験談の続きです)
僕と一緒に受け付けデスクで働いているメリッサは、僕が唯一「怖い」と感じる同僚でした。
他の同僚たちに対しては、怖いと感じたことはありませんでした。
僕が働いているマーケティング部の部長も、先輩社員のデイビッドも、受付を通る大学教授たちも、副社長もみんな、明るくフレンドリーで僕に優しく接してくれました。
そんな中、まさか僕より年下のメリッサが、このオフィスで僕にとって怖い存在になるとは、不思議な運命です。
強く美しい欧米女性像
メリッサは20代なかばくらいで、見た目は美しいブロンドヘアと青い目をした「典型的な美人タイプ」でした。
でも、しゃべり方がキツく、いつもツンツンした感じで愛想も良くないので、常に威圧感を感じます。
前にご紹介した「4つの性格タイプ」で言うと、「ネガティブ自立」タイプです。
日本の管理職や職人に多いタイプです。
ちなみにメリッサは、管理職ではありません。
ポジションは、僕と同じ「受付の社員」です。
でも、すぐ隣で働く僕にとっては、メリッサはボスのような存在でした。
特にメリッサの機嫌の悪い日は、また何かビシッ!と厳しいことを言われるんじゃないか?とハラハラドキドキしました。
デキる女性
メリッサは、受付の仕事にプライドを持っている感じでした。
電話が鳴ったらすぐに出ます。そして、分からないことがあってもあいまいな返事はしないで、必ずしっかり確認していました。
自分が昼休みで外出している時以外は、僕に「電話に出てくれ」とか言ってきません。
いつも自分の仕事を自分でテキパキこなしていました。
ただ、僕が電話の取り次ぎをスムーズにできなかったりすると、ビシッ!と厳しい口調で怒られました。
また、メリッサと共同で使っている文房具がどこにしまってあるのか聞くときにも、けっこうヒヤヒヤものでした。
同じことを二度聞くと「こないだも言ったでしょ!」とか言われるし、メリッサの話す速い英語が聞き取れずにもう一度聞き返すと、明らかに機嫌が悪くなるのが伝わってきました。
メリッサの前では、ミスは許されない雰囲気でした。
誰に対しても変わらない
僕がメリッサを見ていてスゴいな!と思ったこと。
それは、「誰に対しても変わらない態度を取る」ことです。
日本にいたときには、僕に対して厳しく接する人はいましたが、そういう人ほど、自分よりも先輩だったり上司になる人に対しては、手のひらを返したようにヘコヘコしたりしていました。
僕はそういう態度を「カッコ悪いな」と思っていました。
でも、メリッサは違います。
メリッサは僕だろうが副社長だろうが関係なく、誰に対しても同じように厳しく接していました。
できないものは「できない!」と誰に対してもビシッと言うし、間違いを発見したら、それをすぐその場で指摘します。
その言い方も、相手が誰であろうとかなり厳しい口調です。
見ているこっちがハラハラするくらいです。
上下関係や権力など、一切お構いなし!我が道を行く!という感じでした。
新鮮な強さ
この「強さ」もまた、僕の目には新鮮に映りました。
日本の職場で受付で働く20代半ばの女性社員が、50代後半の副社長と対等に渡り合う場面なんて、見る機会はありません。
欧米文化の「美しく強い女性」のイメージをそのまま体現したような存在が、僕にとってはメリッサでした。
ある朝の出来事
そんなある日、僕がいつも通り出社すると、メリッサの姿が見あたりませんでした。
「めずらしいな・・・いつもはこの時間には先に来ているのに・・・」
と思いながらバッグをデスクの下に置き、自分のパソコンの電源をつけました。
受付の周りには、まだ誰もいません。この空間には僕ひとりだけで、シーンと静まり返っています。
いつもだったら、僕の隣でメリッサが「ビシッ!バシッ!」とパソコンのキーボードを力強く叩く音が聞こえてくるのですが、この静けさは、何だか不思議な気分です。
時計が8時半を回りました。
来ない・・・
今日休みを取るって言ってたっけ?
いや、そんなことは言ってなかったぞ。たしか昨日も最後に、
See you tomorrow!
って言いながら5時きっかりに去っていったはず。
カゼでも引いたのかな?
なんて考えながら、僕はいつも通り仕事を進めました・・・
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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