From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダで一人旅していた頃の体験談です)
(→前回のつづき)
ジェフの実家をクルマで出た僕とジェフは、3時間半ほどでトロントのジェフの家に着きました。
こうして帰ってくると、改めてここは都会だなぁと思います。
見える景色がまったく違います。
歩いて3分くらいの距離にそびえ立つランドマークのCNタワー、近未来的なデザインの背の高いビル群、人通りの多さ、おしゃれな外観のお店、歩いている人たちのファッション、どれを取っても、「ザ・都会」という感じです。
観光地としてはエキサイティングな街ですが、パッと見は東京っぽくて、あまり異国情緒を感じづらいなと思いました。
そう考えると、このタイミングでジェフの実家に行けたのは良かった!と改めて思えてきました。
メアリー
ジェフの家には、ガールフレンドのメアリーがすでにいました。(ガールフレンドは、英語では「彼女」という意味です)
どうやらメアリーは今日は仕事が休みのようです。
僕:「メアリーは何の仕事をしているの?」
と聞いてみました。
すると、意外な答えが返ってきました。
メアリー:「私の仕事は、ヨガのインストラクターよ。」
僕:「へぇ~!!」
これは、僕にとってすごく以外でした。
なぜなら、メアリーの外見は、ものすごく西洋的だったからです。
スラッとした長身に青い目、金髪ブロンドのロングヘアーという、いかにもウェスタンな感じでした。
そんなメアリーが、東洋の神秘、ヨガのインストラクターを職業にしているとは!!
それに、ヨガのインストラクターだけで食べていけるのだろうか?
なんか、すごくニッチな気がするけど・・・と思ったので、聞いてみました。
僕:「ヨガって、カナダでは需要があるの?」
メアリー:「ええ、けっこう人気よ。」
すると、ジェフが横で得意げに言いました。
ジェフ:「ヨガは今、カナダで大ブームなんだ!特にここ、トロントではね!
都会人は疲れてて癒やされたいと思ってるから、心身ともにリラックスできるヨガは、すごく人気があるんだよ!
メアリーは教えるのがうまいから、引っ張りだこのインストラクターさ!」
ジェフが自慢げにメアリーの職業を説明してきました。
僕:「そうなんだ!カナダでヨガが人気とは!やっぱり、西洋の人たちは東洋の文化に憧れるんだね!東洋人が西洋文化に憧れるのと同じだね。」
ヨガ・タイム!
ジェフ:「俺は、いつもメアリーにヨガを習っているんだ。メアリーも本当に教えるのが上手だよ。良かったらシンヤも一緒にやってみたら?」
僕:「それはいいね!まさか、カナダに来てヨガを体験することになるとは!予想してなかったよ!」
メアリー:「じゃあ、やってみましょう!」
その後、僕はふたりがいつもやっているヨガのルーティーンに加えてもらいました。
メアリーの指示に従って、僕とジェフはメアリーのマネをしながら動きました。
指示に従って身体を伸ばしていると、日本でストリートダンスを習っていた頃のことを思い出しました。
そういえば、ダンスの練習前も、こんな風に先生の指示で準備運動をしていたなぁ・・・
そんなことを考えながら、気持ちよく身体をストレッチしてきました。
ジェフは、さすがに毎日やっているだけあって、かなり身体が柔らかくなっていました。
メアリーは、さすがプロ!という感じで、めちゃくちゃ柔らかいです!
そして、確かに教え方は優しくて的確です。
メアリーのプチ・ヨガレッスンが終わった後も、ジェフはひたすら、
「メアリーがいかにスゴいか?」を僕に力説してきました。
褒める文化
僕はこのとき、自分が日本にいた頃に通っていた英会話スクールの先生のことを思い出しました。
その先生はトロント出身のカナダ人でした。
その先生がいなくなった後に後任で来た先生も、たまたま同じトロント出身のカナダ人でした。
僕は、このふたりに共通する点を見つけました。
それは、「自分の彼女のことを人前で褒めちぎる」ということです。
彼女が目の前にいても、いなくても、関係なく褒めるのです。
「俺は、彼女のこんなところが気に入っている」
とか、
「彼女の性格は、こんなところが良いんだ!」
といったことを、自然に人前で披露するのです。
そして今、僕の目の前にはジェフがいます。
ジェフは、まるで自分のことのようにメアリーの良いところ、スゴいところを僕に自慢してきます。
メアリーはそれを聞いて恥ずかしそうにしていますが、嬉しそうです。
僕は、それを見て、「スゴいなぁ~!」と思いました。
愛の言葉
その後も僕はふたりのやりとりを観察していたのですが、ふだんから「愛の言葉」をしっかりかけ合っているのが分かりました。
「ありがとう」、「愛してる」といった言葉を、ふだんからお互いに自然に言っているのです。
僕はこれを見て、「これはいいアイデアだ!」と思いました。
愛の言葉を伝えるのには、お金はかかりません。
長い時間や多くのエネルギーも必要ありません。
ただ、相手に対する好意を言葉にして伝えるだけでいいのです。
「せっかくこんな遠くのカナダまで来たのだから、ここで英語力を磨くだけではもったいない!
せっかくだから、こういうカナダの文化のいいところを持って帰ろう!
自分もパートナーに愛の言葉を恥ずかしがらずに伝えられる男になろう!そして、一度だけじゃなくてそれを続けられる男になろう!トロントの男達のように!」
僕はこの時、そう決心しました。
・・・つづく。
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