From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が英検1級に合格した後に、TOEICテストで満点を狙っていた頃のストーリーの続きです。
速読トレーニングの成果が目に見えて出てきたおかげで、かなり実力が上がってきている実感がありました。
ただ、TOEICのトータル点数だけはあまり変化がなく、950点前後をうろうろし続ける日々が続きました。
最初の頃はゲーム感覚で楽しかったTOEICも、何度も何度も受けていると、さすがにワンパターンで飽きてきます。
感覚としては、「一度クリアしたドラクエのレベル上げ作業」に近い感覚でした。
TOEICの満点を狙う作業は、ゲームで言うと、「ワンコインクリア」どころではありません。完全に「ノーミスクリア」を狙っていかないと、満点は取れないのです。
ノーミスクリアの難易度は、やったことのある人なら分かると思います。どんな大好きなゲームでも、「一発でも食らったらアウト」なんて条件でやっていたら、なかなか楽しめません。プレイし直すたびに、少しずつストレスがたまります。
この頃の僕はまさに、そんな感じでした。
ただでさえ、本番のTOEICテストを受けているのに加えて、家でも公式問題集を解いていたので、正直、問題を解く作業自体にうんざりしてきていました。
一問でも間違えると、「はぁ~!また間違えた!ダメだぁ~!」という気分になります。
とても楽しむ気分にはなれません。TOEICで連続満点を叩き出す人たちは、本当にスゴいと思います。
よっぽどTOEICが好きで、問題を解くことを心から楽しんでいるか、あるいはものすごい精神力でこの苦行に耐えているのかもしれません。
僕の心をつかんだ広告
そんなある日のこと。僕は、日曜の午後に、いつものようにTOEIC問題集を解いていました。
正解はできるのですが、正解するのは「当たり前」で、素直に喜んだり、自分を褒めたりできない状態になってしまっていました。
1時間ぐらい解いてから、ちょっと休憩がてらパソコンの画面を開きました。
すると、大きな文字でこんなメッセージが飛び込んできました。
「収入アップしたいなら、TOEICの勉強なんてしてる場合じゃない!」
な、なにぃ~!!!
なんだとぉーーーーーー!!
まさに今、僕がTOEICの勉強をしているのをパソコン画面の向こう側から見ているかのようなキャッチコピーに、僕はドキッとしました。
「これ、どうなってるんだ?たまたま偶然か?それとも、ホントにパソコンについてるウェブカメラを乗っ取って向こう側から見てるのか?」
どちらにしても、「怪しい広告」です。
でも、それ以外、何も書いてありません。
僕は、心の中で思いました。
(こんな怪しい広告、ぜったいにクリックしないぞ!!悪徳業者の戦略に乗ってたまるものか!)
無視できないメッセージ
すぐにパソコンの画面を閉じようとしました。
でも、できませんでした。どうしても気になってしまったのです!
僕のいる英会話業界では、「TOEICの点数を上げて、収入アップ!」といったメッセージをよく広告に使っていました。
いかにも「デキる男」風のスーツをビシッと着込んだイケメンの若者モデルが、TOEICの点数を上げて喜んでいるシーンのポスターを、よく電車内の広告で見かけました。
似たようなメッセージの自社広告を、僕自身も駅前で配ったりしていました。
でも、このメッセージは、真逆です。
気になります!!
いったい、何の広告なのか?
何を伝えようとしてるのか?
う~ん・・・気になる!!
もし、悪徳業者だったとしても、クリックしただけで何か悪い影響がパソコンに及ぶとは思えません。
僕のパソコンには、ちゃんと「ウィルス対策ソフト」が入っているし、ウィルスに感染する事例はほとんどの場合、「ニセのアプリなどをダウンロードさせられた時」だけだと聞いたことがあります。
おそらく、クリックしても損害はなさそうです。しかも、この広告は、ヤフーのトップページに出ています。
もし、怪しい業者なら、きっとヤフー広告の審査に通らないはずです。
耐えられない誘惑
僕は、耐えられなくなってきました。
「英会話業界で働く者として、こんなけしからん広告を放っておくことはできない!チェックして会議で報告してやる!!」
そんな「言い訳」を自分のなかに作って、おそるおそるクリックしました。
この1クリックが、当時TOEIC満点を狙っていた僕の考え方を大きく変えることになるとは、この時には思ってもいませんでした・・・
・・・つづく。
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