From 師範代Shinya(新村真也)
※僕が英検1級にトライして合格した後のストーリーの続きです。
(→前回のつづき)
英検1級を取った後の、周りの人たちのリアクションは、僕でも驚くものでした。
そして、なぜかよく英検1級とセットで「TOEIC満点の人」だと勘違いされるようになりました。
持ち上げられているうちに、だんだん僕は本当に「TOEIC満点も取りたい!」と思うようになってきました。
その時点での僕のTOEIC自己ベストは、930点でした。あと70点くらいの差なら、もうとっくに埋まっているのでは?と思っていました。
そこで僕は、次回のTOEICでTOEIC満点を取るべく、久しぶりにテストを受けてみることにしました。
楽勝の予感
TOEICの語彙レベルは、約8,000語と言われています。
対して、英検1級の語彙レベルは1万5,000語です。
約2倍です!
ここまで語彙レベルを高めて英検1級に受かった自分にとっては、もはやTOEICは敵ではない!テスト勉強するまでもない!実力で満点を取ってやる!
と思っていました。英検1級を取って周りからちやほやされていた僕は、完全に「おごる平家」になっていたことに、この時は気付いていませんでした。
周りへの宣言
強気になっていた僕は、周りの同僚や上司や友達に、自信満々な発言をしていました。
僕:「こんどTOEIC受けますんで、満点狙います!」
相手:「おぉー!!そうですか!いけますよ!今の勢いに乗ってるシンヤ先生なら!」
とみんなに言われました。
僕も、今の自分がTOEICを受けたら、楽勝で満点を取れると信じて疑いませんでした。
チャンピオンのプレッシャー
よく、ボクシングの世界では、こんなフレーズが有名です。
「世界チャンピオンに挑戦してベルトを獲ることより、自分がチャンピオンになった後に防衛戦で勝ち続ける方が難しい」
これは、「挑戦者」という立場で戦う時の気持ちと、「チャンピオン」という立場で挑戦者を迎え撃つ時の気持ちの差を表しています。
挑戦者はある意味、「恐い物知らず」です。勝てば自分がチャンピオンになれるし、もし負けても自分のランキングが落ちることはありません。
でも、チャンピオンになった途端、「プレッシャー」という魔物が襲いかかってくるそうです。
「チャンピオンは絶対王者!勝つに決まってる!」というファンからの期待や、自分自身のプライド連続防衛に対するトレーナー陣営の期待など、自分と他人の色んな気持ちが入り混じって、1戦ごとのプレッシャーがとてつもなく重く感じるそうなのです。
学生時代
僕のこれまでの人生で、何事もトップを獲ったことがありませんでした。
学校の成績は、いつも後ろから数えた方が早い感じでした。
身体の発育も遅かったので、スポーツテストもいつも「級外」でした。
背が低かったので、並び順はいつも先頭か、前から2番目でした。(今思い返すと、男子を背の順で並ばせるのは、「おまえはチビだ!」という敗北感を植え付ける、ひどい差別だと感じます)
なので、今回の英検1級を取ったことは、自分にとって初めて「トップの資格を取って人から認められる経験」でした。
カラーコーディネーター1級
ちなみに、「1級」と名の付く資格を取ったことは、実はこの前にも1度だけありました。
それは、「カラーコーディネーター」の資格です。AFTという団体の発行してる、主にファッション系のカラーコーディネーター資格なのですが、これを取った時には自己満足感があったものの、周りの人たちから「認められる」という経験はゼロでした。
というのも、当時僕がいたジーンズショップ業界は、高卒の人が多く、学歴や資格に対してネガティブなイメージを抱いている人が多かったからです。
なので、カラーコーディネーターの資格の勉強していることは誰にも言いませんでした。1級の資格を取った時にも、それを周りに伝えるべきか?迷いました。
でも、受かって嬉しかったので、おそるおそる上司に伝えてみました。あの時のセリフは、今でも忘れません。
「ふ~ん、そうなんだ。よく分からないが、1級っていうくらいだから、難しい資格なんだろうなぁ・・・おまえにひとつ大事なことを教えておいてやろう。ここは現場だ!机の上でカリカリ勉強して取った資格なんて、ここではなんの役にも立たんぞ!!必要な知識は現場で学べ!!」
と、褒められるどころか逆に怒鳴られました。
その後、同僚や先輩にも1級の資格を取った話をしてみましたが、誰もこの資格のことを知らなかったのと、興味も無いみたいで、「ふ~ん、そうなんだ・・・」というリアクションで終わりました。
そのうち、自分が取った資格はたいしたことがないんではないか?と思うようになりました。
なので、僕の中でカラーコーディネーター1級の資格は、単なる「自己満足」で終わりました。
英検は違う!!
でも、今回の英検1級は違いました!
周りの人たちが僕を褒めて、認めてくれました!
「スゴい!!」
と言ってくれたのです!!
これは、僕にとって初めての経験でした。「自他共に認める」という言葉の意味を、初めて経験しました。
そんな僕が、「おごる平家」になっていたことは、間違いありません。
この後すぐに、調子に乗って受けたTOEIC戦で、とんでもない敗北を味わうことになるとは、この時にはまったく予想していませんでした。
・・・つづく。
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