From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が子供の頃から夢見ていた「バック転ができるようになりたい!」という願望を叶えた時の体験談のつづきです。
体操教室でバック転を習った帰り道で、僕は今日の夢のような出来事を振り返っていました。
慣れたクルマの中で運転していると、さっきまでの光景が幻だったんではないか?とさえ思えてきます。
美しいフォームで宙返りを繰り返す小学生たち、鉄棒でブンブン回って風を切りながら大車輪を何度も繰り返す中学生たち。
今まで見たことのない光景が目の前に広がっていました。
でも、今こうしてクルマの中の空間にいると、さっきまでの記憶が急にリアルに感じられなくなってきます。
そして何より、「自分がバック転ができるようになった」ことが信じられませんでした。
後ろに飛んだ時の感覚は覚えていますが、あの空間だったからこそできた気もします。
早く家に帰って復習したい!!
そう思いました。家に帰るまでの道のりがやたら長く感じました。
家で練習!!でも・・・
家に帰ると、さっそくフトンを敷いて復習することにしました。
さっきまでの感覚を忘れないうちに、同じ動きを身体に覚え込ませておこう!
そう思いながら、いざフトンの上に立ったら・・・急に恐くなってきました。
さっきの体操教室の空間と、部屋の空間は全然雰囲気が違います。
まず、広さが違います。
部屋には机やら棚やら色んなものがあります。
天井から蛍光灯が下がっています。
上に手を伸ばすと、蛍光灯に当たってしまうギリギリラインです。
ちょっとでも向きがズレたら、おそらく両足を激しくぶつけてしまうでしょう。
こんな狭い空間でバック転するのは、恐すぎです!!
僕はその日、何度も部屋の中でトライしうよとしました。
でも、家具に足をぶつけるのが恐くて飛べませんでした・・・
翌日の悲劇
僕は、仕切り直して翌日に広い場所で練習するつもりでした。
体育館のような場所を借りて練習しようと思いました。
でも・・・
翌日朝起きたら、身体が痛くてビックリしました!!
「イタタタタ・・・・」
身体の前の面が、広い範囲を激痛を感じるのです!!
首から足の先まで、前側がモーレツに痛いです。
何もしない時には大丈夫なのですが、ちょっとでも伸びるような動きをすると、激痛が走ります。
ためしに、腕を天井に向かって伸ばしてみました。
「あいたーーーーー!!」
思わず叫んでしまいました。
おそらく、今までにしたことのない動きをしたせいで、筋肉やスジを伸ばして痛めてしまったのでしょう。
バック転のような「身体を後ろに思い切りそらす動き」は、日常生活ではめったにしません。
おそらく、前後で入念なストレッチをしていたとしても、昨日の練習量では今日の筋肉痛は避けられなかったでしょう。
痛みを避けるには、練習を繰り返して徐々に身体を慣らすしかありません。
でもここまで痛いと、さすがに今日の練習はムリです・・・
僕は泣く泣く、休むことにしました。
身体の前面の痛みは、その後も一週間ぐらい続きました。
1週間後、改めてフトンを敷いて練習しようとしましたが、もう感覚を忘れてしまい、後ろに飛ぶ勇気がどうしても出ませんでした。
あぁ、せめて自分がバック転している勇姿をビデオに収めておきたかった・・・そう思いました。
でも当時は今のようなスマホもなく、ビデオカメラも大きくて重いものしかありませんでした。
さらに、まさか見学に行った当日にできるようになるなんて、思ってもいませんでした。
本当なら、もう一度体操教室を訪れて、また稽古をつけて欲しかったのですが、教室には僕が入れるコースはありません。
オーナーの好意で無料で教えてもらった手前、改めてまた行って練習させてもらうのはさすがに気が引けます。
フェードアウト
その後、僕はバック転練習ができないまま、時間が過ぎていきました。
正直、1日だけでもバック転ができたことで満足した部分もありました。
一度味わってみたかった感覚を味わえたことで、強い欲求が収まってきたような感じです。
これは買い物に似ています。
欲しい品物が手に入るまでは「めっちゃ欲しい!」という気分が強いです。
でも、いざ商品手にすると、その欲求は急激に収まっていきます。
よく通販でも、
「注文する瞬間が一番楽しくて、次に届くのを待つ時間にワクワクして、実際に届いたら急激に気持ちが冷める」
なんて言われますが、今回の僕のバック転もまさにそんな感じです。
それに、まったく初めての状態でも数時間の練習でバック転できるようになったということは、また必要になった時にはきっと同じぐらいの練習時間でできるようになるに違いありません。
僕の中にあったバック転への情熱は、その時には収まりました。
その後はアクション俳優を目指して演技のスクールに通ったり、ダンスの魅力にハマってダンススクールに通ったりしていましたが、バック転熱が再燃する機会はありませんでした。
ところが、そこから10年以上たった31才の時、またバック転ができるようになりたい!と思うようになったのです。
・・・つづく。
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